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なぜか元気が出ないときの処方箋:本10選

雨が悪いわけではないのだけれども、雨という現象を前にするだけで、気持ちが一段階落ちる。

「いつも自分である人」を尊敬する。自分の感情や調子をコントロールできている人は、美しく見える。私はと言えば、浮き沈みが激しくて、すぐ元気をなくし、気分を盛り上げるために音楽とかチョコレートとか珈琲とか、色んなものに頼る。今日も雨というだけで、どれだけ自分を甘やかしたことか。

どうしても頑張りたいのに、なぜか頑張れないというか、どんどん上手くいかないループにはまってしまう、というのがたまにある。そんなときの私の特効薬は、本。

以前「フランス/ パリを深く味わう本10選」というのを書いたけれども、今回は、私が「なぜか元気がでないとき」に読む本を10冊挙げてみる。これで雨の日も生きていける……はず?

①西加奈子 ごはんぐるり

「なんか食べるの面倒くさいな、何食べたいのかよくわかんないな」みたいな気持ちになっていても、この本を読むと、人間に「食べる」という機能が備わっていることが幸せに思えてくる。「サラバ!」や「舞台」などでおなじみ西さんの食にまつわるエッセイ。元気がないときは、まずは食欲を出さなくっちゃなぁ。


②石田ゆり子 天然日和

「自分のペース」みたいなものを取り戻したい、という気持ちのときは、女優 石田ゆり子さんのエッセイ。2002年に書かれているので17年も前(!)の本なのですが、自分の暮らしと向き合い、「調子の悪いときの自分」の心情が包み隠さず書かれていて、なんだか救われます。

③松浦弥太郎 しごとのきほん くらしのきほん100

これも、自分を一度リセットしたいときに。当たり前のことが当たり前にできたら、みんな苦労しないよなぁ、と思わされる本。1ページずつ読めるので何かの合間にふと開くのもおすすめ。松浦さんの本は大好きで、他の本も手に取ることが多いのですが、今回は「くらしの辞典」みたいなこのやさしい本を挙げます。


④吉本ばなな キッチン

世の中の不条理と戦う人へ。お話が3つ。どれも、身近な人の死後、ぽっかりと空いた日々を過ごす主人公が登場する。悲しみを通り越して、ただ世の中を受け入れて進んでいく姿を気づけば追っていて、不思議と夢中で読んでしまう本。


➄辻仁成 立ち直る力

自分をほめてあげたいとき、自己嫌悪に陥ったときはこの本。

読むと、「がんばれ」「立ち向かえ」「やり遂げろ」「あきらめるな」みたいな言葉が、なんだか安っぽいものに思えてくる。


⑥ジミー・リャオ 星空

もはや文字を受け付けないほど弱っているときにおすすめしたい絵本。台湾の書店で一目ぼれして、日本に帰国してから日本語版を購入しました。シンプルなストーリーと、視点や角度が絶妙な色鮮やかな絵。切ない場面が多いのですが、「世界の捉え方」をやさしく語りかけてくれる気がする、大人が読むべき絵本。


⑦最果タヒ 夜空はいつでも最高密度の青色だ

こちらも、文章をもはや受け付けないほど弱っているときにおすすめしたい、詩集。最果タヒさんの詩は、意味分かりそうで意味分からない。読んで「考える」んじゃなくて、文字の羅列を眺めて「感じる」というイメージ。これは、一度読んだ人にしか分からない魅力な気がしています。

元気な日もそうじゃない日も、私は寝る前に最果タヒさんの詩集を開きます。


⑧ミヒャエルエンデ モモ

「時間の使い方」に悩むひとに読んでほしい。どんな時間術の啓発本よりも、まずこのお話が大事。世界を代表する名作。


⑨サンテグジュペリ 星の王子さま

数字や具体的な説明ばかり求める大人になっていませんか?そんな人には王子さまの言葉が必要かも。

「フランスの絵本」「星」「王子さま」という「おしゃれ絵本」感が一人歩きしているな、と思う本書。簡単な言葉で書かれているけど、実は読むのがものすごく難しい本だと思います。


⑩ジューヌ=ヴェルヌ 八十日間世界一周

落ち込んでいるときは本の世界に没頭することも大事。部屋にいながら世界一周できてしまう本書は、夢中で読めて、読み終わると少しすっきりしているはず。


世界からこの10冊が消えてしまったら、私もいよいよくじけてしまうかもしれない。でも、こんな素敵な本たちに囲まれて暮らしているので、雨の日曜日も、まぁ仕方ないかなーと思うことにします。


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