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「ダサいほうが売れる」事件~ECのデザインのカッコよさは売り上げに影響あるのか?

株式会社フラクタの代表河野です。

フラクタで企業のブランディングを推進するサービス・テクノロジーを提供しており、ShopifyのエバンジェリストとしてEC担当者の支援や教育も行なっています。

今回は「“ダサいほうが売れる”事件~ECにデザインは必要か?」を題材にお話させていただきます。「クリエイティブに予算をかけたけれど売り上げにつながらない」といったお悩みを持つEC担当者の方、問題解決のためにもぜひご参考ください。

ECサイトデザインのカッコよさは定義できない


ECのクリエイティブコンサルタントをやっていると、「ECサイトのデザインのカッコよさは、売上に影響するのでしょうか?」と質問されることが多いです。

これに対する答えは当然YESでもあり、NOでもあります。
なぜなら顧客によってカッコよさの定義は異なり、カッコよさを求めているかどうかも変化するからです。

例えば、「EC」ではなく「お店」で考えるとわかりやすいかもしれません。自分が大衆居酒屋に行きたいと思っている時、高級フレンチのような内装の居酒屋を見つけても「今」入ろうとは思わないですよね。

求められているのは「らしさ」 


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想像とのギャップが激しすぎると、人間は「思っていたものと違う」と判断し、選択肢から外してしまいます。そのためたとえ居酒屋であっても、そうと認識できなければ除外してしまのです。求められているのは「居酒屋」らしさであり、デザインのクールさや高級感ではないということです。

ECサイトでは、この点の判断を誤ると売れないサイトとなります。そして、その理論ゆえに、デザインが最先端でなくとも売上をあげているサイトは多数あります。(この場合のカッコよさの定義がなんとも言えない部分もありますが・・・)

大切なことは「WHO」と「WHAT」

上記のようなサイトを紹介すると、「カッコつけているサイトより、ECサイトらしいダサいデザインの方が売れるんだ!」と考える方もいますが、これはこれで偏った考えです。大切なことは「WHO」と「WHAT」。ECサイトを訪れるお客様はどんな人なのか、何を求めているのかを考え、デザインの指針を決めることです。

「WHO」と「WHAT」を明らかにするには、デザイナーが顧客像をクリアにするデジタルツール群を使いこなせるようになることが不可欠だと思います。「こういったユーザーが過半数を占めていることはデータを見ても明らかなので、これらのユーザーが求める〇〇なデザインをECサイトに反映していくべきだ」といった提案ですね。デジタルツールを駆使し、データに基づいた提案のできるデザイナーの価値は、今後ますます高まると思います。

高みを目指すには「ギャップ萌え」を意識すべし


お客様の求めている「カッコいい」「素敵」「気持ちいい」を体現することが、ECにおける正しいデザインです。そこから優れたデザインを目指すなら、良い意味での「裏切り」が重要になります。

伝統的な商材を扱う、歴史ある企業ののサイトデザインやUIが洗練されていると、感動されるお客様が多い印象を受けます。それは、本来のイメージを覆し、プラスの印象を与える心理現象「ゲイン効果」にあてはまります。いわゆる「ギャップ萌え」です。

単にお客様の求めるデザインだけでなく、いい意味で一歩先の裏切り、インパクトを提供するところまでできれば、真の意味で価値あるECデザインを提供できるのではないでしょうか。



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