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【店舗視察レポート】新たなコスメスポット@cosme TOKYOに見る、ブランドの「ユニファイドコマース化」

こんにちは!FRACTA広報 小中です!
旧原宿GAP跡に1/10(金)オープンした、@cosme TOKYOに遅ればせながら足を運んでみました。
以前メイクの現場で働いていたこともある私としては、完成するのが楽しみであった施設の一つでもあります。
たくさんのコスメブランドがひしめきあう中で、どのようなブランド体験と真新しさがあるのか....今回の記事は少し長めですが、どうぞお付き合いください。

初の旗艦店、@cosme TOKYOとは

原宿にオープンした、新業態@cosme TOKYO。もともと、@cosmeというメディアから展開した*セミセルフ店舗の、@cosme storeという店舗形態が既に国内外33店舗存在していました。

2007年、ネットだけにとどまらずユーザーとブランドとの接点拡大の取り組みのひとつとして「ネットとリアルの融合」を掲げ、@cosmeの様々なコンテンツやデーターベースを活用したリアル店舗「@cosme store」をオープンしました。
「JR原宿駅前のフラッグシップショップ「@cosme TOKYO」、概要発表」
(2020.01.20)
https://www.istyle.co.jp/news/press/2019/09/0926-tokyo.html

@cosme TOKYOは特に「デジタル(ネット)」と「リアル」の店舗の融合をメインにした旗艦店のようで、店内には新しいチャレンジ精神を感じる施策が数多く設置されていました。

*セミセルフ店舗
飲食・小売店やガソリンスタンドなどで、手順の一部だけにセルフサービスを取り入れる方式。コスメ業界では、デパートにある化粧品カウンターではなく、@cosme storeやイセタン ミラーなどの店舗を指す。
化粧品カウンターでは、ブランドのスタッフにブランドが提唱するメイクステップや手法を学ぶことができ、セミセルフ店舗ではブランドを越えた提案をスタッフから受けることができる。消費者は、自分の要望や気分によって使い分けていることが多い。

新しいコスメに出会える!殿堂入りコスメランキング

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デパートの化粧品カウンターと、@cosme TOKYOのようなセミセルフ店舗の大きな違いは、ブランドの垣根を超えた出会いができるという点です。
その中でも、1階中央に鎮座するランキングスペースはそれを一番体現しているスペースでしょう。一つ一つの展示スペースには、今まで@cosme内でランキングに入ったコスメや、殿堂入りコスメが入っており、一覧で商品を見れて試すことが可能です。

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△ 圧巻! 噂では毎週陳列を変えたりもするんだとか...?大変そうです。。

セルフスタンドによって「試せる」はさらに自由に

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ブランドごとのカウンターとは別に、ピックアップ商品をその場で気軽に試せるスペースも。主にメイクアップ商品が並んでおり、ベースメイク〜ポイントメイクまでそれぞれ場所が設けられていました。

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商品の近くには、@cosme内の口コミ点数とPOPによる商品特徴が明記されています。こうみると、なりたい肌や肌悩み別で特徴を違うものをそれぞれ揃えていますね!
注目すべきは、コットンやスポンジなど、試す際のアメニティの豊富さ。通常の店舗はあるとしてもコットン、スポンジ、綿棒...くらいですが、こちらはそれに加えてクレンジングローションリップ/アイシャドウ用の使い捨てチップも用意されています。
特に個人的にはチップがあるのがありがたい。リップなどを試す際に、躊躇せず試せるようになるのが精神衛生上よろしいと思っています。

それにしても、店舗に設置されているどの鏡も、女優ミラーと呼ばれる鏡の周りに照明がついているものしかないのは徹底されていますね。セルフタッチアップできるこのエリアだけでなく、どこの鏡も照明付きの鏡がほとんどでした。

気軽にミラーで試せる肌診断

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急に私の顔のドアップ、すみません。
恥をかき捨て公開した上の写真は、2階にあるセルフ肌診断ができる、「ビューティーミラー」での写真です。
Panasonicが開発した鏡型のセルフ肌診断機器となり、コスメカウンターで肌診断をしてもらうより、気軽に行うことが可能です(自分のしみしわ、プロだとわかっていても人に診断されるのが緊張する時もあります)。
ただ、このビューティーミラーも割と横から見ることができるので、私も診断している最中、物珍しさから他の方に覗かれて少し恥ずかしさは感じました...

判定できる項目は、しみ、しわ、毛穴、透明感、ほうれい線の5種類
どのように判定されるかは、実際のビューティーミラーで体験してみてください!(私はしみ予備軍が結構あって悲しくなりました)

自動販売機、ここにも

最近多くのブランドの店舗やポップアップで見かける自動販売機型のサンプル交換ですが、もちろん@cosme TOKYOのポップアップスペースにもありました。現在は「LANCOME」の新しい美容液のキャンペーンが行なっていることもあり、訪れた際は「LANCOME」の美容液のサンプルがもらえました。

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△ 箱がトレイに出てくるときのコテッとした動きが面白い

LINEの友達追加をする → 自動販売機のボタンを押せる、という仕組み。
スタッフさんが誘導していたり、説明を結構長くしていたりと、少し運用が大変そうなのが部外者なりにしんみりしました。これ自体はなかなか目を引くので、instagram用などに動画を撮る人が多そうだったのが印象的。

今までの@cosme storeに無かったブランドも出店!

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@cosme TOKYOでは、@cosme storeに出店していなかったブランドも、数多く出店しています。

「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」や「トーン(to/one)」「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」「オルビス(ORBIS)」「クラランス(CLARINS)」「コスメデコルテ(DECORTÉ)」など。
「2万点が揃うアットコスメストア初の旗艦店「@cosme TOKYO」オープン」
(2020.01.20)
https://www.fashionsnap.com/article/2020-01-09/atcosmetokyo-open0110/

こうなってくると、似たような形態の「イセタン ミラー」をも凌駕する店舗数になってきますね。実際見に行っても、幅広いブランド数や、あまり実店舗でも見れないようなブランドがあったなあ、という印象でした。

特に手に取れる機会が少ないブランドだと、実際に使ってみないとわかりにくい化粧品の特性ゆえに、なかなか手を出しづらいという印象ですが、
最近は実際に使用した一個人の意見が、SNSなどの普及により、流行を作りやすくなっているので、こうやって少しづつ試せるエリアが増えてくるとまた新たなムーブメントを起こすこともできそうです。

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また、出店店舗が多いということは、従来の@cosme storeにあったピックアップ陳列にも、より多くのバリエーションを作ることが可能だということ。
前述しましたが、こういったセミセルフ店舗の魅力はブランドの垣根を超えて商品に出会えるというものなので、店舗が多いだけでその可能性は広がりを見せます。
また、ピックアップ例も一般的な肌質や好みだけでなく、シチュエーションを設定してピックアップできるのも、ブランドではなくメディアから発展した店舗の強みだと感じました。

敷居を下げ、気軽に楽しめる酸素カプセル体験

@cosme TOKYOの1,2階は化粧品売り場スペースとなっているのですが、3階は@cosme アプリ会員のみが入れる無料のラウンジとなっています。といっても、その場でアプリをスマホに入れて、ログイン/新規登録すればすぐ入ることが可能です。
無料のラウンジなので、一般的な休憩スペースではあるのですが、目を引くのは酸素カプセルの存在です。

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△ 左側の大きいカプセルが2人用、右側が1人用です

酸素カプセルの名前だけは聞いたことがありますよね。私自身も体験したことはなく、特にやってみたいなという気持ちも無かったのですが、こうやって予期せぬ形で出会うとやってみたくなるもの。特に、2人用の酸素カプセルがあるのは知らなかったので、いずれ友人と試してみたいと思います。

@cosme TOKYOはセミセルフ店舗の
「次世代」を作る事に成功したのか

さて、ここまで@cosme TOKYOの特徴をいくつかピックアップしましたが、そのどれもが「気軽に試せる」「色々なブランドを垣根を超えて体験できる」という二つの要素に集約している形となっていました。
この要素自体は、@cosme TOKYOだけではなく、従来の@cosme storeにも備わっている要素だと感じます。では、今までの店舗とは何が違うのか?

それは、徹底的に「余すことなくデジタル・リアルの施策を活用し、店舗をエンタメ化しているというところ。

@cosmeというメディアから日々流入される情報と、リアル店舗だからこそフィルターなしで体験できるブランドUX(ブランド体験)。この二つをミックスして店舗設計をし、余すことなくデジタル・リアルの施策を活用しブランド体験ができるのが@cosme TOKYOだと感じました。

FRACTAでは、ブランドの「*ユニファイドコマース化」がさらなるブランドの発展に繋がると考えています。店舗設計として、お手本のような「ユニファイドコマース」を踏まえた設計を体験することが、@cosme TOKYOでは可能だと感じました。

*ユニファイドコマース
チャネルの垣根を越えてシームレスにお客様に商品を提供できる「オムニチャネル」に加えて、顧客1人ひとりに価値のある購買体験を提供するマーケティング手法として登場したのが「ユニファイドコマース」である。

みなさまもぜひ、JR原宿駅目の前の@cosme TOKYOに行ってみてください!


@cosme TOKYOを題材の他のnoteとしては、こちらの記事が、@cosme TOKYOの面白さと現状を的確に捉えていてわかりやすい記事でしたので、
ご紹介 ▽

@cosme東京の編集力が凄すぎて2時間練り歩いた
https://note.com/tomoyo_aksk/n/ne2be66f021c3
(あかのさか 様)


@cosme TOKYO近くのUS発祥D2Cシューズブランド「allbirds」に弊社広報が行ったレポートはこちら

https://note.fracta.co.jp/n/na25bcef5f5de

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この記事を書いた人:FRACTA 広報|小中(@n_konaka_n
前職では営業職兼フリーのアシスタントヘアメイクに従事。この記事のために@cosme TOKYOに向かいましたが、しっかり私用の化粧品を買って帰ってしまいました...