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@cosme東京の編集力が凄すぎて2時間練り歩いた

10日に原宿駅前のGAP跡地にオープンした@cosme初の旗艦店「@cosme TOKYO」。

とにかくたくさんのコスメブランドが揃ってると聞いてふらっと見に行ったら「リアルの場を編集するとはこういうことか」とweb、リアルを問わずサービスやコンテンツを作る人にとって学びしかない空間だったのでまとめてみた。

ピックアップコーナーの妙

店内に入るとコスメの棚、棚、棚ととにかく数に圧倒される。1F・2Fのフロア構成としてはざっくり以下の3つ。

①ブランド別コーナー(免税店みたいなブランドごとの商品が並んだ棚)

②歴代の@cosmeランキングの上位商品の展示コーナー

③@cosmeが独自に編集したピックアップコーナー

数で多いのは①のブランド別、SNSに多く挙がっているのは②のランキングなのに対し、一番お客さんが集まっていたのが③のピックアップコーナーだった。

例えば上の写真は「機能・シーン別ハンドケア」の棚。ここで注目してほしいのが保湿重視やスペシャルケア、香り重視といった「機能・シーン別」という括り方になっているところ。

バラエティショップでもこういったキュレーション棚はあるにはあるけれど、だいたいが「おすすめハンドクリーム」や「新作ハンドクリーム」といったばっくりしたものなのに対し、@cosmeはもう一歩深い、雑誌の特集のような編集を行なっている。

コスメは顔にダイレクトに効果が出る分、事前に雑誌を読んで口コミや商品情報を駆使して買うことが多く、疲れる買い物でもある。

その点、@cosmeTOKYOは調べるという手間をいっさいかけさせずに、まるで雑誌で下調べしてきたかのようにコスメが買えてしまう空間だった。

ちなみに、ほかに個人的に気になったのはメンズメイクの特集コーナー。SNSで存在は知っていたけれど、実際に商品を手に取る機会がなかったので、各ブランドを一斉に触れるのが素晴らしかった。鉄板の売れ筋だけでなく、コスメの最先端もきっちり売り場に反映していくぞ、という気合いがすごい。

もうひとつ、感動したのはこのスキンケアコーナー。「敏感肌」「混合肌」「ニキビ肌」など肌悩み別に、@cosmeの口コミで人気のアイテムがブランドを横断して並べるという作り。

これって一見どうってことないけれど、いざ敏感肌の人がガチで自分向けのスキンケアを探そうとすると、

「敏感肌 アイテム名」などで検索(スキンケア全工程なら6〜8アイテム)

大量の「おすすめアイテム」が出現、口コミやメーカーの売り文句が果たして自分に合うのか悩んだりさらに調べたりする

やっと買おうと決めた商品がどこで売っているか調べる

各地の販売店へ買いに行く、もしくはいくつもサイトをハシゴしてオンラインで買う

みたいな途方もないステップが発生するので、とことん美容好き以外はどこかで力尽きて妥協して買い物してるはず(私だけだったらめっちゃ恥ずかしい)。


Twitterの美容アカウントとかがまとめてる「私がニキビを撲滅できたスキンケア」みたいな画像まとめもどこまで信じていいかわからないし、買える場所調べるのも面倒だし。

なので、こうやって「大量の口コミで評判がある程度確実な、ハズレじゃない商品がすぐ買える」というのは実はすごく画期的なのかなと思った。

「あなたは誰か」が明白なPOP群

クチコミサービスの@cosumeの情報量がシンプルかつ最大限に活かされているなと感じたのが、「これは何か、どう使うか、どんな使用感か」という、そのアイテムが何者なのか一目でわかるPOPがエグいほど置かれていたところ。本当に、置ける場所には全て置いてあるんじゃないかというくらいの量だった。

そして、1万円超える美容液にこういうPOPが置いてある光景、実はとても新鮮な光景だったりする。

というのも、高級感重視のデパートの売り場は、新作以外の商品情報は極端に少なく、詳しいことは美容部員に聞かないとわからない。そして聞いた以上は「お試ししますか?」が来るので聞きたくなくて、結局その場でアットコスメやTwitter検索することも多い。

そんな、パッケージや名前で軽い興味を持ったユーザーの「これがなにかだけサクッと知りたい」という欲求がさらっと満たせるのは実際に手に取って試すハードルをかなり下げていると思う。

とことんセルフで試せる楽しい蟻地獄


実際に店舗に入って目を引いたのは、セルフでスウォッチするためのドレッサーやリップ用アプリケーター、コットンが、今まで行ったどんな店舗よりも高密度で置かれていた点。

そしてさらに写真のような洗面台があるのがめちゃくちゃありがたかった。リムーバーで手の甲についたリップやファンデを拭き取りまくっていると、すぐに手がベタベタしてそれ以上のコスメ探索を諦める…みたいな経験がよくあったので。水で洗い流せるのとそうじゃないので全然滞在時間が違うと思う。エンドレスセルフテスト。楽しい蟻地獄。

そしてロッカーまで完備。ディズニーランドかな?

もちろん観光客もターゲットなのが設置理由だと思うのだけど、コスメ売り場は狭い棚に人が集中するので、いつにも増して荷物が邪魔になり疲弊して帰ることが私は多かったので、こうやってとことんセルフで楽しめる設備になってるのがありがたいし、ここまで環境を整えてもらったからにはガンガン試して良いやつ買うぞ!みたいな謎のモチベーションまで出てくる。

さらに衝撃だったのが、ちょっと変わったファンデの使い方を美容部員さんに聞いた時、使い方の説明してもらった後「ご自分で試されますか?」と聞かれたこと。

デパコス買う人ならわかると思うんですが、普通は「おつけしてみますか?」とドレッサーに座って美容部員の手によって塗ってもらうんですよ。

いつも「接客されながら一旦メイクオフして試すのは時間かかるんだよな〜〜さらっと自分で試したいんだよな〜〜よかったらすぐ買うからさ〜〜」と思ってた私にとっては最高の提案だった。

この日きちんと話したのはその美容部員さんだけだったので、全員がそうではないかもだけれど、個人的には@cosmeTOKYOの徹底したセルフスウォッチをさせてくれる姿勢が見えた会話だった。

新作に固執せず「いいもの」が知れる売り場づくり

@cosmeらしくて他の店舗にはないなと感じたのが冒頭でも話した歴代のランキング入りしたアイテムが並んでいるコーナー。

5年以上前のランキングや過去の殿堂入りアイテムも並んでいて「歴代の名品」が壁にずらっと並んでいる。美容雑誌やSNS、店舗の目立つ場所は、どうしても新作の中から何が良いかの情報が多くなるので、こういった現在はバズってないけど評判がいいアイテムが知れるのはとても親切。

ランキングだけでなく、テスターゾーンにも、@cosmeがピックアップしたカテゴリ別のおすすめアイテムが置かれていて、こちらも発売時期や話題になった時期によらず、フラットに選定されている感じでよかった。

例えば上の写真はマスカラエリアにあったベネフィークのネイビーのマスカラ下地。フローフシやエレガンスのネイビーマスカラが評判がいいのはTwitterの美容アカウント界隈で知っていたけど、ベネフィークからでてるのはこの棚で初めて知った(あとで調べたら2017年にバズってたらしい)。下地として使うので青々しすぎず使えそうな点、今使っているのが同じ資生堂系列のマスカラで相性が良さそうなので即購入を決意。

こうやって漠然とした検索やSNSのタイムラインでは出てこない定番品をプッシュしているところも、@cosmeがストックしている膨大な「過去」の情報を、既存のメディアとは逆方向の時間軸でユーザーのプラスに変えていてうまいなと思った。

ただ、いざ買うとなると「借り物競争」状態

こんな風に欲しいものが見つかるまでめちゃめちゃテンションがあがるUXなんですが、実はいざ購入するとなるとハードルが高い部分があった。

というのは、先ほど紹介した1Fで見つけたベネフィークのマスカラ下地は、テスターのみ置かれ実物の商品はその場になく、どこで買えばいいかわからない。

で、結局

スタッフに聞いて2Fのブランド別の売り場にあると判明→2Fへ行くとブランドが多すぎてベネフィークの売り場がわからない→さらにスタッフに聞いてベネフィークの売り場に行くも、どうみても商品がない→資生堂の美容部員さんに確認したところ、陳列にはなく什器下のラックから出してもらってやっとゲット

という、購入するまでの道のりが借り物競走のごとく長くて心が折れそうになった。ユーザーまで購入を決めるところまでは秀逸な体験ができても、レジにすぐ持っていけないと、購入はまた別の店舗でいいやとなりそう。

柔軟に商品をキュレーションするために、あえてテスターだけ置くのは防犯の意味でもアリだと思うのだけど、POPと一緒にQRコードなどでどこの棚で買えるかわかるようにしてくれたらありがたかったかなと思った。

とはいえプチプラ系はだいたい大量に商品が並んでいるし、ピックアップコーナーもスペースがある限り商品を置いてくれてるので、自分で試したあとすぐ買えないケースはそこまでないかも。

確固たる編集方針、徹底した落とし込み

なんだかだらだら書いてしまったけれど、私がこのお店のすごいと思ったところをまとめるとこの3つ。

①ピックアップコーナーの切り口が秀逸で、読者が盲目的にスルーせずに店舗のプッシュ商品をみている状態が生まれている。

②「歩くだけで大量の情報が摂取できる」×「自分ですぐ試せる」という編集方針が、店舗設計からPOP一つまで、隅々まで実現されている。

③雑誌やSNS、売り場といった一般的な美容情報では価値が低いはずの「過去のランキング・口コミ」をあえて押し出すことで情報の「広さ」「深さ」にくわえ、「時間軸」の網羅性を与えることで唯一無二のコスメの情報源になっている。

純粋にコスメ好きとしてこんなにもたくさんのブランドが揃ってるのがすごすぎて楽しすぎたというのもあるのだけど、中を回遊するうちに、店舗設計自体に徹底したこだわりと具現化がされていることに気づき、ここまで作りこんでくれてありがとう…と勝手に感動しながら2時間練り歩いた。

ちなみに上の写真は、実際にリアルタイムで購入されたデータがレジ上に反映されているもの。もうこの画面みてるだけでも楽しいので気になった方はぜひ立ち寄ってみてください!


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人の金で食う焼き肉の味ってものを知りたいので何卒施しのほどよろしくお願いします!

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Kindle買いすぎて電気止められたことのある女子。ウェブ媒体の編集をしてます。お仕事のご依頼はこちら tomoyo.akasaka@gmail.com

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コメント (2)
とても行きたかったのですが、タイミングが合わなくて残念に思っていたところ、行った気持ちになれました!ありがとうございました😊
すごくお上手です!
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