あかのさか

Kindle買いすぎて電気止められたことのある女子。ウェブ媒体の編集をしてます。お仕事…

あかのさか

Kindle買いすぎて電気止められたことのある女子。ウェブ媒体の編集をしてます。お仕事のご依頼はこちら tomoyo.akasaka@gmail.com

マガジン

  • 写真のないごはん日記

    おいしさって文章だけでどこまで伝えられるのだろう

最近の記事

  • 固定された記事

@cosme東京の編集力が凄すぎて2時間練り歩いた

10日に原宿駅前のGAP跡地にオープンした@cosme初の旗艦店「@cosme TOKYO」。 とにかくたくさんのコスメブランドが揃ってると聞いてふらっと見に行ったら「リアルの場を編集するとはこういうことか」とweb、リアルを問わずサービスやコンテンツを作る人にとって学びしかない空間だったのでまとめてみた。 ピックアップコーナーの妙 店内に入るとコスメの棚、棚、棚ととにかく数に圧倒される。1F・2Fのフロア構成としてはざっくり以下の3つ。 ①ブランド別コーナー(免税店

    • フルーツサンドはすこやかな現実逃避(中目黒・ダイワ)

      傘を持つ手が冷えて、スニーカーがぐっしょりと染みてしまう、うんざりするような雨の日だから。 私たち夫婦は、あるものを買いに目黒川をいそいそと行く。 いつもは行列のダイワが、雨の日は空いているのだ。 ダイワは3畳かそこらの小さな店だけど、フルーツがとにかくでかい。雨の日、お店に入るまえから、ここのフルーツサンドはキラキラと輝いているのが目に入る。 赤ん坊の拳なんかよりも大きいみかんや、広辞苑みたいな厚さのパイナップルが、堂々と生クリームと白パンに挟まれて整列している。

      • 私とピノコと国立成育医療研究センター

        めちゃめちゃ久しぶりにnoteを書こうと思ったのは、あるツイートを目にしたからだった。 子供のころ手術を受け、ずっとお世話になった国立成育医療研究センターが、感染防止の物資が足らず経営も逼迫していると助けを求めていた。 私自身、過ごしたのは短い間だったが、今でも自分の人生に大きな影響を与えた場所なので、寄付のお願いとともにここで過ごした思い出を書いてみる。 なるべく調べながら正確に書くようを心がけたけど、ベースが子どものころの記憶なので、間違いがあったらごめんなさい。

        • 【1月の買ってよかったもの】繁忙期を生き抜くセルフケア

          繁忙期の肌・髪・心の生存戦略アイテム物欲くらいしか人様より秀でてるものがないので、自分が買って1ヶ月使い続けてよかったものを紹介していく。 1月は仕事の繁忙期ど真ん中でメンタル的にも体力的にもかなり追い詰められていた月だったので、意識的に肉体と精神のケアアイテムに投資した。 というわけで今回はとにかく寝たい、気を抜くと仕事のことしか考えられない繁忙期の肌・髪・心の生存戦略アイテムです。 白いオイル(アジャイルコスメティクスプロジェクト) 精神的余裕がないと、スキンケア

        • 固定された記事

        @cosme東京の編集力が凄すぎて2時間練り歩いた

        マガジン

        • 写真のないごはん日記
          2本

        記事

          おいしかった店2019

          今年もおいしいご飯をたくさん食べたので、その中でも特によかったお店をまとめました。エンゲル係数と幸福指数、比例させてこ! 渋谷近辺が多めです。 グリルエフのオムライス(五反田) 定時ダッシュして向かった真冬の五反田で食べた。ちょっと煤けたガラス張りのキッチンで、あれよあれよと言うまにオムライスができあがる様子を見ている時間は至福。トロトロでもかた焼きでもない、絶妙な火加減のたまごとデミグラスソースがスプーンの上で溶け合うのって官能的。たしかソースはケチャップも選べたはず。

          おいしかった店2019

          『美容は自尊心の筋トレ』長田杏奈 好きな色のリップを魂に塗れ!【2019年上半期ベスト読書②】

          本を開く前、紙の手触りの段階で、「あ、これはすごい」と思った。 詩集のような、ちょっと厚手のざらついた質感。絶対にカラー写真がないと触れただけでわかった。 そんな、写真が1枚もないこの本は、美容雑誌を中心に活躍するライター、「おさ旦那」さんこと長田杏奈さんの初の著作『美容は自尊心の筋トレ』。 「自分を大切にすることを習慣化し、凝り固まって狭くなった美意識をストレッチする『セルフケア』の話がしたい」と前書きにあるように、自分が自分自身を愛するための方法として美容を提案しなが

          『美容は自尊心の筋トレ』長田杏奈 好きな色のリップを魂に塗れ!【2019年上半期ベスト読書②】

          【2019年上半期ベスト読書①】私たちがほしいのは力なのか。『パワー』書評 ナオミ・オルダーマン

          今年も残り半分とかいう時の流れのはやさに慄くことにも飽きてきた28才の夏。ということでこの半期で読んだ本の中で特によかった本をちょこちょこ紹介します。 私の読書傾向こういうのが好きな人には自信をもっておすすめできるかと。もしくは今まで興味なかったけど気になっているジャンルがあるという人にもぜひ。 ・生活からの逃避としての読書たしなみマン。仕事に使える本なんか死んでも読まねぇからな!・自分と似ている登場人物よりもかけ離れてるほうが心惹かれる・ジャンルとしては海外文学、美

          【2019年上半期ベスト読書①】私たちがほしいのは力なのか。『パワー』書評 ナオミ・オルダーマン

          なにものにもならないと決めた彼女の香水

          映画『シカゴ』のセロファンのような俺、と歌う平凡な男の歌が好きだった。私みたいで。 昨日は入社式のあと、人事研修があった。 同期たちが「自分にキャッチコピーをつける」という課題で「誰よりもアツい男」だの「ロジカルだけど思いやりを忘れない」といったフレーズを堂々と発表する一方、わたしは悩んだ末、みんなの寄せ集めのようなフレーズを書いて提出した。 「小田さんはもっと自分の強みを分析した方がいいよ」と言う人事のおじさんのワイシャツの襟元は、折り紙のようにぴっしりしていた。

          なにものにもならないと決めた彼女の香水

          チワワを抱いてしまった

          うっかりしてペットショップに入ってしまった。 生体販売には賛成ではないし、冷やかしで入っても申し訳ないと思っていたのに、ついうっかり。魔が差して。 うっかり入ったものの、お店はなかなかに混んでて動きづらい。なんとなく近くのケースでスヤスヤと眠るチワワを見つめていたら、愛想の良い店員のお兄さんが近づいてきた。 うわー若い女が一人で来たから冷やかしだと思って牽制されてんのかなと思って、とっさにすまなそうな顔をしたら、 「その子、抱っこします?」と満面の笑顔で言われた。

          チワワを抱いてしまった

          酒をやめたらもっと酔えるようになった

          シビアな投薬があり、すっぱり酒をやめた。 飲み屋ではもっぱら湯呑みに入れてもらったあたたかいお茶を飲んでいる。キンキンに冷えたビールと乾杯するのは気がひけるけど、気まずいのは初めの5分だけだ。 実際、飲みの場では誰よりもテンションは高い自信がある。 なんなら、たまたまカウンターで意気投合したおじさんなんか、私がとうもろこし茶を飲んでると全く気づかなかった。30分くらい経ってから私の湯呑みを発見して、「君飲んでなかったの⁉︎素面でそれ⁉︎」とドン引きしてた。うるせえ

          酒をやめたらもっと酔えるようになった

          わたしのためのむなしさ

          文章を書いているとどうしてこんななににもならないことを、稚拙でゴミみたいなものを書いているのだろう、書いてなにになるのだろうとふいに虚しさが襲ってくるときがある。 このやっかいな空虚はわたしの胸からみぞおちまでに大きな穴をあけて、ごはんを食べるのも、お風呂に入るのも、寝るのも全部くだらなくて意味のないことのように思えてきて、なんにもできなくなる。でもなんにもしないとそれはそれで時間を無駄にしているわけでやっぱりむなしさの波が打ち寄せてくる。 仕事で書く文章はいい。お金

          わたしのためのむなしさ

          ぬるいシーツと塩ラーメン(渋谷・風来居)

          「ラーメン」と「堕落」は相性ぴったりな言葉だ。 飲み会の帰りサラリーマンが立ち寄る、深夜の天下一品。 OLがコンビニ行くのもおっくうで家の棚の奥から引っ張り出して食べる、カップヌードル。 いつもはスムージーなんか飲んでる女の子が「たまにはいいよね」と注文するミニサイズのラーメン。 「こんな時間に」 「今日は脂と炭水化物しか食べてないや」 「ふとっちゃう」 こんなふうに、みんなちょっと罪悪感を抱いてラーメンを食べてる気がする。 そんな私にはお気に入りの堕落ラーメ

          ぬるいシーツと塩ラーメン(渋谷・風来居)

          文豪の香り高きセクハラ全開。『蜜のあはれ』室生犀星

          女の読者は、女の主人公に厳しい。 淑女な読者たちは、表向きは共感しつつも、あか抜けない野暮が男に見初められれば「冴えない女なのに身分不相応な」と腹の底でせせら笑い、気の強い女が不幸に陥れば「ほうら、それみたことか」とほくそ笑む。 しかし、まれに女たちがひれ伏さざるをえない存在がいる。 室生犀星の中編『蜜のあはれ』の赤子はまさにそれだ。 老作家である「おじさま」の飼っている金魚「赤子」は、ある時は人間に姿を変え人間の街に繰り出し、ある時は金魚の姿のまま老作家とともに布団

          文豪の香り高きセクハラ全開。『蜜のあはれ』室生犀星