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ソウル・オブ・ワイン。ブルゴーニュのワインを描く、美しいフランス映画。
日本で2022年の秋から公開されているフランス映画、『ソウル・オブ・ワイン』を観てきました。
これはブルゴーニュ地方のテロワールでぶどうが実をつけ、ワインに形を変え、瓶で熟成されるまでの1サイクルを描いたドキュメンタリー番組です。年明け早々、駆け足のように過ぎていく時間にブレーキをかけ、ようやく映画館に足を運ぶことができました。
感想はずばり、「観て楽しむブルゴーニュワイン」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1675502060974-4VloW3yhjd.jpg?width=800)
アメリカ映画や日本映画とは質が異なり、余計なものは極力削がれてシンプルな作りなんだけど、どこか複雑で心地よい余韻の残るフランス映画‥‥‥という感じです(わかりにくっ)。
映画はぶどうの栽培のサイクルと同じく、冬にはじまって冬に終わります。
なだらかな丘に、一面のぶどう畑が広がっています。
やがて生産者と大きな馬がやってきて、ぶどうの木ぶどう木の間の畝を耕す様子が映し出されます。
カメラは広大なぶどう畑から、徐々に十字架にフォーカスしていきます。
そう、そこはヴィンテージによっては1本500万円で取引されている、世界最高峰のワインといわれるDRCの畑です。
季節は冬から春へ、夏を超えて収穫の秋、そして次の冬を迎え、ひとつの季節を一巡します。
晴れの日、曇りの日、雷の日。
葉っぱのない日、あおいぶどうがなっている日、ぶどうが収穫される日。
天気や気候によって表情を変えるテロワールが、とても美しく映し出されます。
その100分の間には、DRCをはじめ、レザムルーズなど、偉大なドメーヌや銘醸畑が登場します。
そしてぶどうを栽培する人、ワインを作る人、樽を作る人、ワインを表現する人たちが次々と登場し、彼らは自分の言葉で思いを紡いでいきます。
彼らの語りには、専門的な用語解説はほとんどありません。
むしろ高級ワインを作っているプロの職人たちの言葉に、余計な飾りはありません。
DRCのワインづくりについて、醸造責任者は語ります。
ワインは、その土地を表現しているということ。
1本何百万円もする複雑なワインづくりの哲学は、意外にもシンプルなものです。
それは、ミミズを大切にするということ。
その心は……映画を観てのお楽しみです。
![](https://assets.st-note.com/img/1675502003916-fODnmxLzmS.jpg?width=800)
映画の随所にはフランスのソムリエや醸造学者も登場します。
彼らは飲み手として、ブルゴーニュワインの魅力を美しいことばで表現します。
最後の最後は、なぜか一つのテーブルを囲む日本人のシェフとソムリエの前に1945年のレザムルーズ登場します。
他のフランスのソムリエは流ちょうにワインを語るのですが、彼らはすっかり圧倒され、ことばを失っているようにも見えます。
◇
ワインは、ブルゴーニュの、そしてフランスの財産なんだ。
人々がテロワールを守り、ぶどうの木が深く根を張るように注意深く配慮し、ワイン作りを受け継いでいく。
なんて偉大なことだろう。
作り手たちの多くが、ブルゴーニュワインについてこう言っていたのが印象的でした。
Finesse, élégance.
繊細、上品。
ブルゴーニュのワインづくりという文化は、単なる人の営みを超え、芸術の域をも超えて、神聖なものにも思えてきます。
そしてその神聖なものに触れる人々はきっと、大変なこともたくさんあるに違いないけれど、彼らは自分の仕事に迷いなく従事しているようにも思えました。
天職を全うしているような。
あぁ、フランスのワインのことをもっと知りたいな。
フランスへの思いもますますヒートアップしてしまいました。
フランスとワインが好きな私にはたまらない映画ですが、
中にはこの映画を「魂のこもっていないドキュメンタリー」と酷評をするジャーナリストもおられるよう。
日本でも公開中のブルゴーニュワインのドキュメンタリー「ソウル・オブ・ワイン」。DRCの醸造責任者達の生の声や、パリで働く日本人ソムリエが40年代のワインを飲むなどとてもおもしろそうなんだけど、フランスのワインメディアの酷評ぶりがすごい(間違えてなければ…)https://t.co/5BxVqgWbMg
— 𝑓𝑟𝑎𝑐𝑜 (@chezFraco) January 26, 2023
上映されている映画館は限られていますが、特にブルゴーニュ好きな方は、ぜひ。
ブルゴーニュのワインに興味のある方はぜひ。「ブルゴーニュワインをフランス映画にするとこうなる」作品(多分)🍷 https://t.co/kfjLpvedcZ
— 𝑓𝑟𝑎𝑐𝑜 (@chezFraco) February 4, 2023
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