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家計診断 #5(家計の健全性:貯蓄率)

ウマいFP山内による勝手に家計診断シリーズ5話です。
これは私個人にではなく掲示板にでている相談内容で、
私だったら、どのようにアドバイスをするかを書くものです。
今回はこちら

相談内容

質問者様は30代半ば独身の男性。
家計診断をしてほしいとのこと。
収入に見合った支出になっているかが気になるとのことです。

内容
手取り 約310,000円(ボーナスなし)
<毎月支出>
・寮費(既に天引き)
・食費 45,000円 (外食込)
・娯楽費(ゲーム、パチスロ等) 10,000円
・生命保険 11,000円
・その他(詳細は割愛いたします)49000円

計 115,000円
<スポット支出>
・車諸費用(自動車税+任意保険+オイル交換代) 120,000円
✳︎来年、初回車検予定。
・プチ旅行費 50,000円(今はコロナで行けてない)
・家電購入費等 30,000円
計 200,000円
<年間貯金額>
約230万円くらい(一部、補助等あるため)

補足

貯蓄率

誰もが思う問題。収支にあったお金の使い方ができてるんだろうか?
今日は家計が健全かどうかを示す貯蓄率についてお話しします。

計算の仕方は至って簡単。

貯蓄できた金額可処分所得で割った金額です。

可処分所得とは収入から社会保険料と所得税と住民税を引いた金額、
つまり手取金額ですね。

貯蓄率の推移は下記の記事が参考になります。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-10-09/QHWXTVDWRGG901

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上記は貯蓄率の推移ですが、コロナ禍において消費が縮小したため去年は45%ほどまで高まったようです。

それ以前は30%を切っている状態なので30%を一つの指標にしていけばいいのではないかと思っています。
もちろんですが、パワーカップルのDINCs世帯、正規雇用と非正規雇用のカップル、単身世帯、片働き世帯の順に貯蓄率が低くなるので、一概に全世帯が30%を目指せばいいわけではありません。

貯蓄率の目安としては
パワーカップルDINCs(出産前) : 60%
パワーカップルDINCs(出産後) : 40%
パワーカップルDINCS(出産しない) : 40%

正規雇用と非正規雇用のカップル(出産前) : 50%
正規雇用と非正規雇用のカップル(出産後) : 30%
正規雇用と非正規雇用のカップル(出産しない): 40%

単身者(結婚、子ども予定):40%
単身者(結婚しない) : 30%

もちろん、住んでいる地域やお子さんの人数や年齢、教育費のかけ方、
老後のリタイヤする年齢、投資を行うかどうか、様々な要素によって貯蓄率を調整する必要があります。

目安として気にしてほしいところです。

アドバイス

支出の中で寮費(すでに天引き)とあります。
実際には家賃分の収入と家賃分の収入があったと考えられるので、
妥当な金額を収入に換算する必要があります。
今回は不明のため月額5万円ほどで見積もります。

また、一部補助があるとのことですが、今回はカウントしません。

手取年収は(310000+50000)×12=4320000円
支出は(115000+50000)×12+200000=2180000円
貯蓄額=4320000-2180000=2140000円

貯蓄率は2140000÷4320000=49%

結婚するかどうかはわかりませんが、
貯蓄率49%は優良ですね。

個別のアドバイスとしては生命保険は独身だからいらないのと、
食費(外食込み)が45000円と高いかなとおもいましたが、
おこづかいが10000円、独身にしては少ないので、

外食がおこづかいだとしたら、目立ちません。
まあ、他の支出をおさえているおかげで、貯蓄率が高いので
問題はないと思います。


貯蓄率の重要性


よく、貯蓄があまりできないなどという人がいますが、
本当に気をつけないといけないのは貯蓄率です。

Aさんは平均年間貯蓄額が200万円、
Bさんは平均年間貯蓄額が150万円、

一見Bさんのほうが家計が悪いかのように見えますが、
Aさんの平均収入が1000万円、(額面1500万円)Bさんの平均収入は500万円(額面700万円)だとします。

Aさんの貯蓄率は20%、Bさんの貯蓄率は30%となり、
Bさんのほうが家計優等生という事になります。

それでもAさんのほうが貯蓄がおおくできるからいいと思っている人がいると思いますが、

仮にAさんの65歳の時点での貯蓄が4000万円、
Bさんは3000万円とすると、

Aさんが仕事をやめると、Aさんの年金はおよそ232万円、
Bさんが仕事をやめると、Bさんの年金はおよそ223万円、

AさんはBさんの2倍以上稼いだけど、年金の計算上に使われる報酬の上限が月収620000円なので、Bさんとあまり変わらない金額になります。

つまりAさんが、現役時代と同じお金の使い方をしていると
年間の不足分は232-800=-568万円
貯蓄額が4000万円のため、4000÷568=約7年分にしかなりません。

それに対して、
Bさんの年間の不足分は223-350=127万円
3000÷127万円=約24年分の貯蓄になります。

貯蓄率がいかに大事かを理解してもらえたでしょうか?

また、支出を老後に落とせばAさんのほうがいいという人がいますが、

一度ランニングコストを上げると、下げるのは難しいです

Bさんは年間350万円の暮らし、
Aさんは800万円から350万円のくらしにするには
かなりの苦痛を感じます。

老後に生活のダウンサイジングを一気にやるよりも、
収入(貯蓄率)に合わせたダウンサイジングをすることをお勧めします。

今日も読んでくれてありがとうございました🙌🐴


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