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老後資金を考える。~その3:目標を設定しよう~


老後資金を考える。シリーズ
その1:目的・目標・手段について
その2:目的を考えよう
その3:目標を設定しよう


今回は、「老後資金を考える。~その1:目的・目標・手段について~」の中でお話ししました目標についてお話しします。



目的達成に必要なモノ=目標


理想や希望の老後生活や老後やりたいことを目的として考えたら、次はその目的を達成するために必要なモノを目標として設定しましょう。


(例)
【目的】
今のパートナーと暖かくて海の見えるところでヨガ教室を開き、最後の時まで共に自宅で過ごしたい。そして、自分が先に亡くなってパートナーが困らないように財産を遺したい。

では、目標を設定していきます。

・暖かくて→日本国内で検討し、暖かい場所なので沖縄とする。
・海の見えるところでヨガ教室を開く+自宅→海の見える一軒家、広さは教室スペースで生徒10名×3㎡で30㎡は確保、物件は中古でよい、理想に近い類似物件で3500万円のものがあったのでこれを目標にする。購入費用はパートナーと折半
・上記目標は自分が60歳になるまでに達成させる
・パートナーに財産を遺したい→自宅の持ち分+300万円を遺したい、自分が亡くなる時を男性の平均寿命である81歳に設定する

上記目標を「いつまでに」別に、整理してみましょう。

【目標1】
・いつまで:60歳
・資金:自宅購入費1750万円と移住費用100万円合わせて1850万円を準備
・移住先:沖縄に移住

【目標2】
・いつまで:81歳
・資金:300万円を準備

①60歳までに、1850万円を準備して、沖縄に移住し、一軒家を購入する。
81歳までに、300万円を準備する。
が目標となります。



目標設定方法について


最初に設定する目標は?

まず、設定しないといけない目標は「いつまでに(何歳までに)」です。
これが決まってないと、目標達成までの計画を立てることができず、行動に移せません。また、「いつまでにこれをする」と考えていくと複数ある目標が整理しやすくなります。

「いつまでに」が決まれば、「いつまでに」に合わせてその他の目標を設定していきます。上記例でいうと、「60歳までに」と「81歳までに」のそれぞれに対し、場所・自宅・財産とそれにかかる費用を設定していきます。


お金に関する目標設定はどうすればいい?

はじめに、物として実在(土地建物や商品・サービスなど)している場合は簡単で、そのもの自体あるいは類似物の価格を参考にします。

つぎに、生活費の場合は、今の生活費を基準に考え、目的を達成するために必要な費用を加算・減算すればよいです。

例えば、今生活費に月20万かかっている、目的として今の生活水準そのままに、一年に一度は海外旅行に行きたいと立てた場合、理想の海外旅行費用を調べ、それが50万だった場合は、20×12ヶ月(今の生活費)+50(海外旅行)=290万円年間に支出できるだけの準備をすればよいということになります。

また、金額設定は低すぎるのはもちろん、高すぎるのもダメです。
低すぎる=この目標は達成できないから、計算よりも低く設定しちゃえ!!
高すぎる=心配だから計算よりも高く設定しちゃえ!!
です。

高すぎが何故ダメかは、高い目標設定をした結果、余計な不安を感じたり、本当だったら達成できる目標だったのに、達成できないと誤認した結果、目的を諦めて変更してしまうことに繋がります。これは不幸です…

目標達成できないなら目的を変更する。心配ならしっかり調査し(ただし未来のことなので完全予測はできませんよ!)、心配無用の金額設定根拠を確立しましょう。

最後に、インフレについては、特に考えなくてもいいですし(後述しますが定期的に見直しすればよいため)先にインフレ率(日本のここ20年の平均インフレ率は年1%程度)を掛けて金額設定してもよいです。


使える?!平均値や中央値

また、目的に年齢が関係する場合(死ぬまで今の生活レベルを維持したい、一人で外出できないほど弱ったら施設に入居したいなど)や現在必要としていない費用医療費、介護費、施設入居費など)は、自分の希望や予測を設定するのも良いですし、明確な意思の元で、平均値(平均寿命、施設入居時平均年齢など)中央値(医療費、施設入居費用等)を引用するのはOKです。

上記(例)でいうと、「自分が先に亡くなって」に対して「日本男性の平均寿命」を引用している部分がこれにあたります。



目標設定しても意味がない?


未来のことなんてわからないから目標設定しても意味がない、また、目的が変わるかもしれないのに目標を設定しても無駄なんて思われるかもしれません。それについて私見をお話しします。


目標がないとどうなるか

目標がないと先行きが全く見えないため、漠然かつ闇雲に将来に対する不安に駆られやすくなり、何かにすがろうと自分には全く価値のない平均値や中央値無理やり目標に置くことに繋がりやすくなります。具体的には2000万円問題などです。

老後自分が必要とする生活費を計算せず必要額が分かってないのに、2000万円って決めちゃって、足りなかったらどうするの?そんなに必要なかったらどうすんの?そんな他人の数字に対して準備できないって悲観してどうすんの?と個人的に思います。


未来のことが分からないのは当たり前、目標は今できる未来予測で設定すればよいです。そうすることで、少なくとも自分に無価値な平均値や中央値を誤って目標に置くことがなくなり、たとえ目標金額がずれていたり、変更された場合でも、これまでの行動や努力を新たな目標や目的に生かすことができます。

なお、目標設定は一度決めたら終わりではなく、その時々で常に修正していくものです。目標設定したら、一年に一度くらいは現状に合わせて見直しを行ってください。また目的が変わったら目標を再設定しましょう。


目標がないと危機感がもてず準備できない

あと個人的にはこれも重要かなと思っていまして、闇雲な不安は無価値ですが、自分の目標が達成できないかも…という危機感は行動の原動力になると考えます。

目標を設定し適切な危機感と共存することで、目標を達成し、目的を実現する力に換えて準備していきましょう。



目標を設定することで目的の変更と安心に繋がる


目標を立てて、明らかに達成するの無理!!と感じたら、目的を見直し変更しないといけないと早期に気づけるところ、また思った以上に目的が達成できそう~♪と自信がつくこともいい所。


変更と安心に繋がるマネープラン表の作成

最近マネープラン表をご依頼いただいたお客様、何歳までに自分の理想100%の老後(ここでいう目的)を達成したいかをお聞きした上で、目標金額と資金準備手段を考えマネープラン表を提案しました。
ちなみに、その方の理想は、車購入・世界一周旅行・一軒家購入・希望施設への入居・姪へ500万円の財産遺贈でした。

マネープラン表を見たお客様が「こんなに理想が叶うとは思わなかったし、これだけの金額を遺せると思ってなかった、安心できたし嬉しい!!」と喜ばれてました。

これも理想(目的)に対して、必要な目標が達成できそうと知れたからこその安心。この安心は目標設定なしでは得ることはできません。逆に目標が達成できないと分かれば、理想(目的)を早くに変更することで、より適切な目標設定をすることができ、目的達成の可能性も上昇します。


さあ、あなたも目標設定にTRYしてみてください。お金の目標設定は面倒臭いし、現実と向き合うことになるため辛いかと思いますが、目的を達成し未来の自分自身を幸せにしてやる!!と思って取り組んでみてください。

理想を叶え、未来の自分を幸せにしてあげられる筆頭は今の自分です。



最後まで読んでいただき、まことにありがとうございます。もし何かご質問等ありましたら、お気軽にコメントくださいね!!

快惺事務所では、お金に関する様々なご相談を承っております。ご興味ある方は以下のリンクから快惺事務所WEBまでお越しくださいますと幸いです。


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