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<子どもの医療保険の選び方>6つのポイント

地元とは遠く離れた都内で出産・子育て予定なので、ママ友が欲しくてTwitterをはじめたのですが…。

本職がFP(ファイナンシャルプランナー)なので、Twitterのプレママ友達に向けて何気なく赤ちゃんの保険についてツイートしたら、1.2万のいいねと、6,500以上のリツイートが…!


戸惑ったと同時に、「ママ/パパたちはこういう情報を欲しているのだ」と気付いたし、わたしのFP知識が役に立つなら、今後はこういった情報発信に力を入れていこうと決意しました。

140文字という制約の中では言葉足らずな部分も多いので、このつぶやきの意図・具体的な(FPのわたしが考える)子どもの保険の選び方についてこのnoteで解説していこうと思います。

ポイント① 「商品」ではなく「設計」に注目する

このツイートをきっかけにDMでお問い合わせいただくことが多かったのですが、そのほとんどが「どの保険会社何という商品がおすすめですか?」というもの。

もちろん、おすすめの商品はあるし、わたしもかなり色々と研究を重ねてベストなものを取り扱っています。ただ、基本的に保険はオーダーメイド。(中にはパッケージ化されている商品もありますが)

同じ商品であっても、保障内容・特約・払込期間・保険期間と様々な設計ができます。設計はお客様のニーズをもとに保険会社や代理店の担当者・FPが行うため、知識のないままあまりよくない担当者に当たってしまうと合っていない提案をされてしまうことも…。

だからこそ、「どの保険会社の何という商品が~」と聞かれたところで、実際の設計を見てみないと、わたしも何とも言えないのです。

「この商品がいい」「この商品は悪い」と商品に答えを求める前に、どんな考え方で保険を設計してもらうべきなのかをおさえるのがまず重要です。

ポイント② 保障内容はシンプルに

医療保険の保障は
・入院したら1日〇〇円
・手術したら〇〇円
というのが基本です。

入院・手術が怖いから大きな保障をつけたいとおっしゃる方も多くいますが、医療保険に関しては大きな保障は必要ないとわたしは考えています。

なぜなら、日本には「高額療養費制度」があるから。
一か月の医療費が一定額を超えた場合、その超えた分に関しては国が負担してくれます。すなわち、保険診療であれば医療費は際限なくかかることはないということ。

高額療養費制度について(厚生労働省HPより抜粋)
医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」(こうがくりょうようひせいど)があります。
上限額は、年齢や所得に応じて定められており、
いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減するしくみも設けられています。

具体的な上限額は、下の表のとおりです。(高額療養費制度を利用される皆さまへ/厚生労働省より抜粋)

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例えば年収約370万円~770万円(ウの適用区分)の方なら、ひと月に20万円の医療費がかかったとしても自己負担は8万4千円程度で済みます。(差額ベッド代など保険診療以外の部分は除く)

ご自分の適用区分と上限額を見てみて、「これくらいなら自分でも払えるわ!」と思いませんか?しかも子どもは医療費が無料になる地域がほとんど。

医療保険では、払った保険料以上に給付金をもらうことは難しいです。
それなら、使うか使わないか分からない医療保険に多額の保険料を払うよりも、自分で使い道を決められる貯蓄に回したほうが賢明ではないでしょうか。

大きな保障や特約はモリモリつけすぎず、入院日額3,000~5,000円程度のシンプルな基本保障にしておくのをおすすめします。

お子様であれば、保険料がかなり安いので『入院一時金』をプラスで付けるのも良いと思います。

ポイント③ 「先進医療特約」はマスト

ポイント②で、医療保険はシンプルな基本保障でOK!とお伝えしましたが、ひとつだけ絶対につけてほしい特約があります。それは、先進医療特約

先進医療とは、簡単に言うとまだ保険適用にはなっていない先進的な高度な治療のこと。厚生労働大臣がその対象を定めています。

ガンの重粒子線・陽子線治療や、糖尿病の膵島移植手術など、現在様々な先進医療が存在します。医療技術は日々進歩しているので、新たに先進医療に仲間入りするものもあれば、先進医療から保険適用の治療に移行するものもあります。

注意したいのが、先進医療に係る費用については全額自己負担であるということ。治療によっては数百万~数千万円単位の費用を、自分でまかなわなければいけません。

例えばお子さんに大きな病気が見つかって、治療が必要になったとき。
医師から
・A:保険適用の治療
・B:先進医療(全額自己負担)
のふたつを提示されたとします。

その時の経済的状況で先進医療の費用を払えないから、治療の選択肢をAだけに絞る、というのはしたくないですよね…?

保険会社が先進医療の費用を代わりに払ってくれる「先進医療特約」は、月100円~数百円程度で医療保険に付けることができます。

将来病気になった時の治療の選択肢を広げるためにも、先進医療特約はつけておくのがベターです。

ポイント④ 2つの「期間」をおさえよう!

医療保険で一番大事なポイントはここかもしれません。

◆保障期間
◆払込期間

この2つは、絶対におさえておきたい「期間」です。

<保障期間について>
保障期間とは、その保険の保障が適用される期間のこと。
医療保険の場合、老後の方が使う機会は増えるのが一般的です。保障が途中で切れるものに入っていると、老後に向けてまた入りなおすことになります。保険料は加入時の年齢が高齢になるほど高くなるので「年を取ってから入りなおす」となるとびっくりするくらい保険料が高くなってしまうことも。
保障が途中で切れないように、保険料の安い若いうちから一生涯(終身)の保障を選んでおきましょう。
医療の保障は「定期(=かけ捨て)」ではなく「終身(=かけ続け)」という考え方です。

<払込期間について>
払込期間とは、保険料を払い込んでいく期間のこと。
保険商品のパンフレットなどを見ると「終身払(一生払い込む形)」で保険料が記載されていることが多いのですが、できれば現役のうちに払込を終えるのをおすすめします。
終身払のメリットは月々の保険料が安くなることですが、一生払っていくということは80歳で亡くなっても90歳で亡くなっても100歳で亡くなってもずっと毎月保険料を払っていくということです。
老後の支出を抑えるためにも、現役のうちに払込を終わらせましょう。
また、生命保険は2か月連続で保険料が引き落とされないと失効してしまいます(失効=保険の効力が無くなってしまう)。老後に預金口座の管理が困難になって、気づかないうちに失効してしまうケースも少なくありません…。
失効した保険は「復活」させることもできるのですが、復活のためにはその時点での健康状態等が問われます。老後に口座管理が困難になって保険を失効させてしまうくらいですから、復活は難しいことが予想できますよね。
払込期間は60歳払や65歳払など、現役のうちに終えられるように設定するのがおすすめ。子どもの場合は、10年~20年程度で払込を終えると、お子さんが成人するときに一生モノの医療保険をプレゼントすることもできますね!

ポイント⑤ 赤ちゃんはできるだけ早めに加入させてあげる

赤ちゃんは、1か月健診や乳児健診のタイミングで隠れた先天性の疾患が見つかる場合も多くあります。疾患が見つかってしまうと、今後の人生でいい医療保険に入れなくなる可能性が高くなります…。

生まれたら、できるだけ早めに(生まれて1か月以内を目安に)医療保険に入れてあげるのがよいでしょう。なかには妊娠中の胎児のうちから加入できるものもありますよ。

わたしは現在妊娠9か月ですが、我が子は生まれた当日に医療保険に入れようと考えています。

ポイント⑥ 「大人」も「子ども」も考え方は同じ

ここまでしっかりと読んでくださった方はお気づきかもしれませんが、医療保険に関しては「大人はこれがおすすめ!」「子どもはこれがおすすめ!」というものはありません。

大人も子どもも、医療保険の設計に関する考え方は基本的には同じです。
わたしが我が子に加入させる予定の医療保険も、自分が入っているのと同じものです。

子どものうちから、大人が入っていても安心なものを。

ちなみに…

「大人になるまでに新しいいい医療保険が出てくるかもしれないから!」という理由で子どもはとりあえず定期保険(掛け捨て)に入れておいて、大人になってから終身に乗り換えるのがベストという考え方もあります。

ただ、医療保険の加入時には必ず健康状態が問われます。
乗り換えるまでに大きな病気が発覚したら…?を考えると、リスキーだなと思います。

我が子の保障を宙ぶらりんな状態にしないためにも、健康なうちにはやめに一生モノに入れておくのがおすすめです。

まずは一生モノに入っておいて、大人になるまでに画期的なすご~くいい医療保険が出てきたら、それに乗り換えればいいだけですので。

(そもそも「乗り換え」や「見直し」が将来必要になる保険に入るという考え方がナンセンスだなとわたしは思いますが…。(超小声))


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~のぴこ(=わたし)へのご相談について~

ありがたいことに、わたしにFPとして相談に乗ってほしい / 保険を設計してほしい という声をTwitterのDMで多くいただいています。(本当にありがたい……!)

現在はオンライン(Zoom)のみのご相談を全国から受け付けています。
相談したい場合は、まずはTwitterにDMをいただければ、オンライン相談の予約フォームをお送りします。

相談料は無料です。セカンドオピニオンとしての活用も可能ですので、お気軽にどうぞ。

※DM上での文章のやり取りによる詳しい相談については、申し訳ないのですが齟齬が生まれる可能性があるため受け付けていません。

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