fox1010

個人的読書録。 ビジネス書が中心で、地方創生や金融関係の書籍が多めな気がします。

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個人的読書録。 ビジネス書が中心で、地方創生や金融関係の書籍が多めな気がします。

最近の記事

世界は経営でできている

どちらかと言えばエッセイに近いのではないかと思うが、世の中にある「あるある」をバッサリと「経営」という言葉で表現している書。 「言葉で表現している」と書いているのは誤りではなくて、そう感じたから。 あくまで経営の観点から書かれたものではないと思う。 さて、そんな本書だが、ちょっと知的でシニカルなユーモアに溢れているので好きな人にはたまらない一冊だ。 どの章もどこか心当たりがありそうで耳が痛くなるようなものばかりだ。 あるあるを痛快に切っていくので読後には爽快感もある。 個人

    • 未来の地図帳

      人口動態から都道府県の未来を予想するとても「野心的」な書。 人口はある程度未来予測しやすく、海外からの転入・転出以外の要素では、いきなり人口増になったりする可能性も低く、大規模な災害、戦乱でもない限り減少の観点でも大きく外れるものでもないだろう。 また人ひとりが一人前に成長するのに最低18年はかかることからこれも未来予測を容易にする要素となる。 個人的にはそれほど日本の将来には悲観的な思いは抱いていないが、今回の本題ではないので傍に置く。 さて、本書を自分なりにではある

      • 他人様の本棚

        たまたま他人様の本棚を見る機会があった。 誰かがもう話している気がするが本棚にはその人の性格が出そうだ。 並べられた本には何らかの嗜好が顔を出す。

        • 金持ち父さん 貧乏父さん

          ロバート・キヨサキ氏が一躍有名になったこの本を数年振りに手に取った。 中身についてはもう多くの人に読まれているし、私より上手く説明されている方も多々いらっしゃると思うので特に説明しない。 数年振りに本書を手に取ると風景が違って見えた。 以前は文をそのまま読んでいてそんなものか、と思っていたが、今回は少し見え方が違った。 別に自分が金持ちになったとか、貧乏になったからではなくて、書かれていることの意味が以前とは別の角度から捉えられるようになったということである。 本質で

        世界は経営でできている

          コーチング入門

          心理的安全性とかいろいろな考え方が出てきているが、コーチングもちょっと前からよく言われており、使うかどうかは別としてマネージャーとしては知っておいて損はないものになりつつあるだろう。 コーチングの定義については本書で詳しく検討されているが、簡単に言うと相手の力を引き出す活動ということになるだろう。 本書ではそうはならんだろう、という内容も混じりつつもGROWモデルやケーススタディも交えて説明されているのでイメージもわきやすい。 とっつきやすいところがよかった。

          コーチング入門

          地方創生とフジドリームエアラインズの挑戦

          フジドリームエアラインズ(FDA)は気鋭のリージョナル航空会社である。 リージョナル航空会社とは、いわゆる地方間を輸送を主とする航空会社になる。 地方間交通をキーに地方創生を掲げるFDAは、続々とラインを拡大し成長した。 それは特にコロナ前までは顕著であった。 個人的にはFDAには今翳りが見えてきていると思う。 当然ながらコロナ禍はFDAに小さくないダメージを与えているだろう。 大手航空会社のようにドル箱路線が多くあるわけではない以上ダメージを受けたと考えたのが自然である

          地方創生とフジドリームエアラインズの挑戦

          2024あけましておめでとうございます

          新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 2023年はいろいろと思うようにいかないことも多い年でしたが、最低限のラインはなんとか死守できたかな、という1年でした。 今年はもっともっと時間を上手に使いながらやっていきたいと思っております。 もちろん読書もコンスタントに続けていきたい。 飛躍の年になるよう頑張ります。

          2024あけましておめでとうございます

          会社法入門

          法学部生であれば会社法の教科書といえばこの方の本は一度は目にしたことがあると思う。 久方ぶりに新書を読むことに。 会社法の大家の本らしく、改正に至る背景がよくわかるが、入門ではないかなー。 多少民事法をかじった人でないと難しいかも。 とはいえ応用が強いわけでもないので法学部の民法の講義を多少受けてから読むのがいいかも。

          会社法入門

          国鉄時代の貨物列車を知ろう 昭和40年代の貨物輸送

          モーダルシフトという言葉が使われ出してから若干貨物列車は復権しているが往時に比べると重要度は低下している。 鉄道貨物が重要な位置を占めていた頃を振り返ることで現在にも通じるところがあるかも知れない、そう思いこの本を手にした。 昭和40年代は国鉄貨物の黄金期にあたり、まだ炭鉱もなんとか稼働していたころだ。 鉄道貨物は長距離で強みを発揮するので、逆に積み下ろしの時間があるため短距離輸送は向かない。 また石油はある程度現在でもシェアを持っている。 国鉄はコンテナへの対応が遅れ

          国鉄時代の貨物列車を知ろう 昭和40年代の貨物輸送

          何歳からでも結果が出る 本当の勉強法

          お恥ずかしながら私自身は全く継続力がない。 アレやコレやといろいろなものに興味が湧き、少しかじってまた次に行くので定着しない。 飽き性でもあるので知識も表層的でいい加減なものだ。 本書は目から鱗、というかなるほどと思える勉強法の気付きの書である。 完璧をめざすと失敗するので、習慣化を徹底してコツコツやるとよいというものだ。 一つ一つは当たり前なのだが、こうしてまとめてあると頭が整理できて良い。 本書によれば人は死ぬ間際に「もっと勉強すればよかった」と思うそうである。 そ

          何歳からでも結果が出る 本当の勉強法

          商店街再生の罠

          商店街衰退の本質は店主や自治体の能力と意欲の不足によるもの、とややシニカルで強い表現で喝破、なかなかのインパクトがある。 要約すると一見さんではなくリピート客を増やし、かつ地域で循環できるような仕組みと徹底的な顧客志向がないと成功しない、そしてスモールに有志がはじめてスピーディーに試行錯誤して成功率を上げるということではないかと思う。 以下は自身の考察に近くなるが、街のグランドデザインを描こうとしたとき、商店街はどういった役割を果たすかという視点で考えてみる。 商店街はそ

          商店街再生の罠

          流山がすごい

          6年連続人口増加率トップの流山市。そこでは「子育て中の共働き世代」に絞った政策など、あらゆる政策が同時に推し進められている、といった話。 本書のキープレイヤー、市長の井崎氏は地理オタクだったそうだ。 地形もよく考えていそうだし、服部氏を追いかけて立正大に入ったという点からも都市法にも強そうだ。 最近よく思うのはきちんとした街づくりにはしっかりとした設計思想が必要だということ。 井崎氏は流山をどんな街にしたいのかを考えてそれを実行されているに違いない。 個人的に特に慧眼だな

          流山がすごい

          ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか

          ドイツのエアランゲンという地方都市は10万人程度の規模ながら国内の2倍のGDPを稼ぎ出すそうだ。 その秘訣はどこにあるのか? あちゃこちゃと話が移るので何が要旨かはイマイチ掴みかねるのだが、おそらく住民方のマインドも含めたクリエイティビティ、ということになるだろうか。 どなたかが書評で書かれていたが住民の方々のアンケートに記載の課題意識も高齢化社会に根ざしたものというよりはどちらかというと成長を意識したものが多く、前向き感はとても伝わる。 話は変わるがおそらく都市には万

          ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか

          データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門

          ド文系出身の自分は確率を高校数学でちゃんと習った経験はないし、確率分布にいたっては入試対策で少し触っただけだが、確率の考え方は予測の領域では大変便利である。 生きていると実際に経験し尽くすのが無理なものや現実的でないものがある。 が、統計学があればやり尽くさなくてもある程度の精度で予測ができる。 また機械は計算できるものであれば人間よりも高速に試行を繰り返すことで大体の予測を立てることができるようになるからまあAIとかでいろいろあてにいったり新しく作ったりできるわけだ。

          データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門

          ゲーム理論とマッチング

          働き方改革と言われだして久しいが、業務をダラダラできていた頃はその分OJTの時間も長かった訳で、自己啓発も全て自己責任で、というのは社会トレンドとしては分かる反面、企業側が得しそうな仕組みだな、とは思う。 とはいえ、そもそも人間は「やらされた」というより「やりたくてやった」という理屈付けをしたい生き物だから、自分で自分を納得させながらやっていくんだろうな、と予想している。 さて、前置きが長くなったが「ゲーム理論とマッチング」である。 結構数学が出てくるためあまりサクサクと

          ゲーム理論とマッチング

          キーエンス解剖

          キーエンスは他社から見ると秘密のベールに包まれている会社のイメージが強いが、キーエンス解剖によりその一片が明らかになった。 概要は既に多くの方が書かれておりそちらを見て頂いた方が良いかと思う。 以下、感想。 キーエンスとは仕組みの会社であり、凡事徹底の会社であるようだ。 一つ一つは当たり前だが徹底するのは難しい。 人はできない言い訳をする天才だからだ。 負けず嫌いの社員が多く…というのもポリシーを持って採用をしている証だろう。 心理的に競争心が高いと、他人を蹴落とす方に

          キーエンス解剖