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流山がすごい

6年連続人口増加率トップの流山市。そこでは「子育て中の共働き世代」に絞った政策など、あらゆる政策が同時に推し進められている、といった話。

本書のキープレイヤー、市長の井崎氏は地理オタクだったそうだ。
地形もよく考えていそうだし、服部氏を追いかけて立正大に入ったという点からも都市法にも強そうだ。
最近よく思うのはきちんとした街づくりにはしっかりとした設計思想が必要だということ。
井崎氏は流山をどんな街にしたいのかを考えてそれを実行されているに違いない。

個人的に特に慧眼だなと思ったのはグリーンチェーン認定制度に関する記述。
事業者にもという話が中心であったが、特に住宅地規制になる最小区画住宅敷地面積を拡大した話などが良い。
これは住宅地に植栽を持たせようというものであり土地規制をうまく活用している。
正直なところ日本の大都市の多くは緑地確保に失敗していて公園等はあるものの若干不足感は否めない。
緑地部分の多い住宅地は今後の街中の気温上昇対策に一定の影響を与えることに加え、景観面や都市としてのバリューに一定の価値を与えひいては都市としての価値を上げるだろう。

保育の街とも書かれているが、ベッドタウンとして作られる街ではなく、継続的に存続していくためには何らかの産業基盤を持つ街が望ましい。
それが流山にとっては「農業」であり「物流」ということになるのだろう。おそらく表面で見えている以上のことが指揮官には見えているのだ。

おそらくこういった街づくりが今後は求められていく。
生きた知識が繋がる時のゾクゾク感を感じる話だった。

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