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インターンシップ体験記

2023年8月、静岡市女性会館へ6日間インターンシップに来てくれた大学生の体験記です。「アイセル女性カレッジ」や「おはなしクイーンと親子で楽しむ絵本の扉」の準備・運営に携わってくれました。

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こんにちは。私は教育学を学んでいる大学3年生です。私自身が生まれ育った街である「静岡」で誰もがより安心して過ごせるための活動を行う静岡市女性会館に興味を持ちインターンシップに参加させていただきました。6日間の活動を記録としてまとめていきたいと思います。
6日間で少しずつ学びを深めていく私の成長日記としてぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。☺

☆どきどきの1日目☆

入口がどこかわからず時間もぎりぎりになってしまいうろうろしていたところに施設のスタッフの方が優しく声をかけてくださいました。とても安心しました。

『ジェンダーギャップって?』
 日本はジェンダー(性)に対する格差が世界でも最低ランクです。驚きですよね。この問題を自分には関係無いからなぁ、と放置しておくとどんどんと格差が広がり、この格差は女性の賃金低下や雇用機会の不平等、国際競争力の低下に繋がります。また、ジェンダー平等はその国、その社会に暮らす人々の幸福度にも直結しています。静岡市女性会館ではジェンダー格差を無くす=公平にすることを目指していると学びました。「平等」と「公平」は似ているようで異なります。同じ高さの台を用意するのは平等であり、だれもが同じ景色を見ることができるような個人に合わせた台を用意することが公平です。女性会館ではそのような社会になるよう、様々な企画や講座、相談機会が多く設けられていることを知りました。

『静岡市女性会館ってどんなところ?何をしているの?』
 静岡市女性会館とは所管は静岡市であるため、静岡市の持ち物です。指定管理者制度を受け、NPO法人男女共同参画フォーラム静岡が管理、運営をしています。そのため、市役所のように人事異動がありません。人事異動がないことで施設に勤めるスタッフの方々は静岡市の男女共同参画の知見を積み重ねています。より市民に寄り添い、当事者としてニーズの高い講座やイベントばかりです。実際に企画段階で気を付けていることについてお話を伺ったところ、企画段階から参加してくれそうな人に話を聞き、どんな日程、時間だったら参加しやすいか、生の声を聞いた上で市民の興味関心に引っかかる言葉選びをしていると教えてくださいました。
 館内には様々なニーズにこたえることができる部屋が多くありました。同じ大きさの部屋であっても映像を流すためのプロジェクターのある部屋や,
書道や水彩画ができるように水道が付いている部屋など。これ以外にも吹き抜けのある開放的なアトリエ🖌や音漏れを気にせず思いっきり歌える音楽室♬、畳の良い香りのなか子どもが安心して寝そべることができる和室など周囲にアピールしたいポイントは無数にありました。

『講座企画、初めての挑戦』
 インターンシップの集大成として一つ講座を企画し、発表することになりました。社会教育・ジェンダー平等に関する仕事をしている皆さんの前で発表、どきどきです。しかしこんなひよっこの私の話を聞いてくださる貴重な機会なかなかないと思い、どきどきからわくわくに変わりつつありました。小学校教員を志す身としてはやはり子どもやその保護者に焦点を当てた講座を組みたいと思っています。講座企画に当たり、過去に行われた講座のチラシから工夫を学びました。講座を必要とする人をより多く、こぼさないように呼び込むためには参加にあたっての不安要素をどれだけ取り除くことが出来るかにかかっていることに気が付きました。自分の知らないコミュニティに飛び込む事ってとても不安ですよね。最終日、少しでも参加したいと思ってもらえるような魅力的な講座企画から発表まで、頑張ります🔥

☆わくわくの2日目☆

この日は迷うことなくたどり着き、初日よりはるかに落ち着いて参加することが出来ました。もうすでに心安らぐ場所になりました。

『アイセル女性カレッジ、講座参加!』
 この日は一年を通して行われる女性カレッジにスタッフ兼受講者として参加しました。第2回である今回は「私の声を地域に活かす 地域づくりは話し合いから~話し合いのマナー~」というテーマでした。スタッフなのに参加?いいの?と思いますよね。しかしこれは講師の方の工夫の一つでした。このような講座では後ろから見ている傍観者を作らないことにより全員が当事者、かつ今後主体的に行動するための鍵であるとお話しされていました。講座を受けて、ファシリテーションとは何かということから始まり、話し合いへの参加の仕方や進め方、良い話し合いとは何か、全員が主体的に参加することでどんな効果が得られるのか、など学びは数え切れません。
 教師を目指す身としては授業を進めていくうえでクラス全員に伝わるとはどういう状態なのか、全員が授業に参加するための工夫を考えるきっかけになりました。例えば、がやがやとしてなかなか結論に至らない学級討論がただ互いに譲らない訳ではないのかもしれない、異なる意見がたくさん出るということはそれだけ多くの人が主体的かつ当事者意識を持って参加している証なのだと見ることもできますね。より物事を多角的にみるコツも学ぶことが出来ました。今後の自分にとって大きな成長の機会になりました。

☆落ち着きの3日目☆

3日目ともなれば与えてくださった場で自分に今できる最大のパフォーマンスとは何か一丁前に考える余裕がすこーーーしは持てるようになりました。お昼には施設内の喫茶店でバニラパンケーキを注文しました。ホットケーキの上にバニラアイスが乗った一品で、とても懐かしく温かい気持ちになりました。

『子どもの安全は施設管理から』
 この日のスタートは子ども室にあるおもちゃの消毒からでした。不特定多数の子どもが使うおもちゃで自分の子どもが遊ぶということがコロナ対応が5類に下がったとはいえ少なからず不安があるとおもいます。その不安を取り除くためにも一つ一つ丁寧に除菌ウェットティッシュで拭き上げました。このような優しさがあるからこそ講座の参加中に子どもを預けることが出来る信頼の高さなのだと思いました。また子ども室の壁面にはカラフルで可愛い動物の飾り付けがたくさんあります。これらはすべてボランティアの皆さんの手作りだそうです。子ども達の笑顔のために作ってくださるボランティアの方々の姿を想像したら自然とこちらも温かい気持ちになり笑顔になりました。

『人生初のインタビュアー経験』
 静岡市女性会館の情報誌「WAVEvol.99号」のインタビューに同席させていただきました。内容については是非広報誌を読んでいただきたいです!私自身とても感化されました。「学び続ける者」としての意識の高さ、人のために働くことのやりがい、自分に合った場所で輝くことの大きな魅力等、どのお話も今後の自分のキャリアにおいて忘れてはならないことばかりでした。特に自分自身が積んできた経験や知識に囚われることなく、柔軟かつ常に自分自身をアップデートするという謙虚な姿勢を見習いたいと思います。

☆仲間が増えた4日目☆

この日は私以外にも二人インターンシップ生が参加していました。講座企画について同年代の生の声を聞くことが出来ました。

『参加者の笑顔を想像しながらの講座準備🔥』
 週末に開催される講座で使う物の準備をしました。配布するカードの角を専用の道具を使って丸くしました。何十枚、何百個の角を丸めたか覚えていないくらい手が疲れましたが、参加者の為を想い、参加後の笑顔を想像したら疲れが和らぎました。どんな作業に対しても自分なりのやりがいを考えながら行うことでより丁寧に、より能動的に取り組むことが出来る気が付くことが出来ました。今後の「やりがい見つけ」に活かしたいと思います。

『講座企画、発表に向けて』
 午後は自分の考えた講座のまだふんわりとした概要を初めて施設の職員の方に披露しました。ゼロから自分で組んだ講座内容を職員の方々にお話するのはとても緊張しました。沢山のプロ目線のお話を聞き、自分の企画に自信を持つことが出来、より内容を濃くしたいと思えました。残り二日、もっとたくさんの視点を持ち、自分の講座内容を色濃くしたいと思います。

☆大興奮の5日目☆

『おはなしクイーン講座参加!』
 この日は「おはなしクイーンと親子で楽しむ絵本の扉」という講座に参加しました。ドラァグクイーンとはゲイカルチャーの中から生まれた女性のパロディとしての女装をした方です。しかし全員が女子になりたいわけではなく、自分らしいオシャレを楽しんでいる人もいます。クイーンはキラキラのメイクをし✨蝶々のようなドレス👗を着て、虹色の靴下を履いていました。そんな素敵なクイーンが読み聞かせを通して「ありのままの自分でいることをハッピーに肯定する」ことを伝えました。説得力しかありませんでした。
 講座準備の段階では未就学児が参加する講座ということで様々な工夫をしました。小さな子が寝転がってもいいようにゴザを敷いたり、ゴザの破れ目で転ばないようにテープで目張りしたりしました。講座参加にあたり講座の内容以外の不安要素を無くす努力、あらゆる事態の想定をして準備をする大変さ、講座終了後の充実感を実感することが出来ました。
 講座本番ではドラァグクイーンの子どもを惹きこむ力、子どもだけでなく大人までも巻き込む話し方に魅了されました。その場にいる全員がクイーンの虜でした。自分らしく生きることの素晴らしさを体感しました。教員となった際には自分らしさを抑え込む必要は全くないということ、自分らしく生きることで自分自身の価値を認めることが出来るということを伝えたいと思いました。

☆ついに最終日☆

『手に汗握るどきどきの企画発表』
 これまでの5日間で学んだことを活かし講座企画の最終練り上げ、発表を行いました。発表5分前までスタッフの方と練りに練り発表資料を作成しました。企画の段階では、自分のやりたいこととニーズに合わせた講座を組むことの難しさを実感しました。やりたいことばかり先行してしまい目的や達成目標が分からなくなってしまうことがありました。自分の中で参加者にどういう姿になってほしいのか、そのために何が必要であるのか揺るがない根拠を持つべきであると感じました。また、多くの人に来てもらうためには自分のやりたいことを譲らなければならない場面もいくつかありました。一つの講座は多くの葛藤と闘いながら完成していくことを実感しました。また、今回は私の幼いころから感じていた小さなわかだまりをテーマに取り上げました。身近な課題解決を出来ることがこの施設での講座企画の魅力の一つにも感じました。
 この6日間で学んだことである様々な社会教育の視点やジェンダーに関する知識や考え方、静岡市に暮らす市民の生の声を小学校の教育現場で存分に活かし、教育現場で学んだことを私自身のセカンドキャリアの現場で還元したいと思います。6日間ありがとうございました。

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