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#韓国映画
『ポンヌフの恋人』に影響を受けたキム・ギドクのデビュー長編『鰐 ~ワニ~』
地上生活が窮屈なホームレス 『鰐 ~ワニ~』はソウルを流れる漢江の橋の下に住んでいるホームレスの物語。『悪い男』のチェ・ジェヒョンが凶暴な主人公ヨンペを演じている。
社会の底辺にいるヨンペは北野武監督『菊次郎の夏』の菊次郎を彷彿させる理不尽なダメ男だ(時代的には『菊次郎』の方が後だった)。漢江の水中に沈んだ自殺者から金品を奪ったり、ペテン師じみた路上販売をしたりして生活している。だが、ツキがま
夢と現実の間で(キム・ギドク監督『うつせみ』)
◆夢かうつつか、ペソア的感覚
アラン・コルノー監督の映画『インド夜想曲』でジャン=ユーグ・アングラード扮する旅人が神智学(神秘的・直観的霊知によって、神を体験・認識しようとする神秘説。グノーシス主義・新プラトン派などの神秘主義にうかがえる:大辞林より)の老学者と会話をするシーンで、こんな詩が登場する。
「だれもが皆、ふたつの人生を生きる
真実の人生、
子どものころに過ごし
大人になっても霧