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肩関節徒手検査法の教科書【サブスク】

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『肩関節徒手検査法の教科書』の使い方

肩関節に関する各整形外科徒手検査法を以下の項目ごとにまとめています。臨床ですぐに確認したいときに活用できます。

各整形外科徒手検査法の項目
【検査手技】:検査者と被験者の検査肢位やテストの手順を示しています。
【判定】:陽性の判定基準を示しています。
【機能的意義】:検査結果の解釈について示しています。
【注意点】:検査時の注意点を示しています。
【感度・特異度】:検査の感度および特異度を示しています。

更新情報

2020/12/10 販売開始
2021/1/31 情報量を追加しアップデート
     (臨床応用のポイント、肩関節病変の概要一覧)

感度・特異度とは

感度とは、検査で正しく陽性と判断される割合を言います。感度が高いということは「陽性の者を陽性と正しく判定する可能性が高い」ということになります¹⁾。これはつまり、感度が高い検査における陰性は、その可能性を強く否定できることになります(除外診断)

特異度とは、検査で正しく陰性と判断される割合を言います。特異度が高いということは「陰性の者を陰性と正しく判定する可能性が高い」ということになります²⁾。これはつまり、特異度が高い検査における陽性は、その可能性を強く肯定できることになります(確定診断)。

感度、特異度はともに0~1.00(0~100%)で表記されます。
感度と特異度の両方が高い検査は、陽性、陰性の結果の信頼性が高いと考えられます。

本noteでは、各検査の感度および特異度は数値のみを記載しています。検査結果をより正しく解釈するためには『引用』に記載の原著を読むことを強くオススメします。


上腕二頭筋長頭腱の疼痛誘発テスト

 Speed test(スピードテスト)

【検査手技】
被験者は肩関節屈曲90°、肘関節伸展、前腕回外位とします。
検者は片方の手で肩関節部を上方から固定し、もう片方は前腕遠位部を把持して肩関節屈曲抵抗運動を行います。
【判定】
結節間溝部の上腕二頭筋長頭腱に疼痛が生じれば陽性です。
【結果の解釈】
上腕二頭筋の収縮時痛を誘発しています。
結節間溝部より近位の関節内付近で疼痛を訴える場合はSLAP損傷の可能性も考慮します(同様の手順でSLAP損傷に対する徒手検査を行うbiceps tension testもあります)。
【臨床応用のポイント】
両上肢同時に検査する方法が推奨されています³⁾。疼痛の有無の聴取と同時に、自覚的な力の入りやすさや筋出力の左右差も比較してみましょう。また、肩関節内旋位では疼痛が誘発されないのも評価で大事なポイントになります。
【感度・特異度】⁴⁾
感度:0.32
特異度:0.75

引用
4)Holtby, R., Razmjou, H. (2004). Accuracy of the Speed's and Yergason's test in detecting bicpes pathology and SLAP lesions: comparison with arthroscopic findings. Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgery, 20(3), 231-236


 Yergason test(ヤーガソンテスト)

【検査手技】
被験者は肩関節下垂、肘関節屈曲位とします。
検者は片方の手で肩関節部を上方から固定し、もう片方の手で前腕遠位部を把持し、前腕回外抵抗運動を行います。
【判定】
結節間溝部の上腕二頭筋長頭腱に疼痛が生じれば陽性です。
【結果の解釈】
上腕二頭筋の収縮時痛を誘発しています。
結節間溝部より近位の関節内付近で疼痛を訴える場合はSLAP損傷の可能性も考慮します。
【臨床応用のポイント】
肩関節を過伸展位や屈曲位でも行ってみることが推奨されています³⁾。肩関節過伸展位では、結節間溝部での圧迫を強めるためより疼痛を誘発しやすいと考えられます。
【感度・特異度】⁴⁾
感度:0.43
特異度:0.79

引用
4)Holtby, R., Razmjou, H. (2004). Accuracy of the Speed's and Yergason's test in detecting bicpes pathology and SLAP lesions: comparison with arthroscopic findings. Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgery, 20(3), 231-236


棘上筋の疼痛誘発テスト

 drop arm test(ドロップアームテスト)

【検査手技】
検者は、被験者の肩関節を外転位で他動的に保持します。そこから上肢を保つように指示した後に、被験者の上肢を離します。
【判定】
肩関節外転位を保持できない、または疼痛が生じれば陽性です。
【結果の解釈】
棘上筋の損傷がある場合は、外転位を保持できずに上肢が下がるか疼痛が生じます。三角筋の筋力が強いとその代償によって外転位保持ができる場合があります。
【臨床応用のポイント】
肩関節外旋位での外転保持は、上腕二頭筋長頭腱が腱板機能を代償します。肩関節内旋、外旋位の両方で評価したり、棘上筋の筋機能を左右差で比較することをオススメします。触診によって棘上筋の収縮動態も確認してみましょう。
【感度・特異度】⁵⁾
感度:0.14~0.35
特異度:0.78~0.88

引用
5)工藤慎太郎:運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略.株式会社医学書院,2017.


 empty can test(エンプティカンテスト)

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