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テレビ番組のリサーチ領域⑧テレビCM/ウェブCMなどの広告の掲載許諾代行リサーチ編

フォーミュレーションnote編集部です。
今回はテレビ番組のリサーチ領域⑧として
「テレビCM/ウェブCMなどの広告の掲載許可代行リサーチ」
について書いていきます。

通常のテレビCMなどの広告は、制作サイドがキャスティングした出演者がスタジオのセットやロケ場所で撮影された素材で構成されています。
しかし、近年は広告用に撮影された素材以外にも実際に世の中に出ている
ウェブ記事、一般の方が撮影した写真や動画、
お店の写真や店名などを広告内で使用することが多くなっています。

個人的な意見としては、スマホが生活の一部になり、自ずと広告内でもスマホを操作しているシーンが増え、スマホ画面を映した際によりリアリティを出すために実際のウェブ記事、写真や動画を使用する機会が増えているのかもしれません。

そこで発生する業務が今回、お話しする「掲載許可代行」になります。

■掲載許可代行とは?

テレビ番組のリサーチがメイン業務ではありますが
近年は、広告でのリサーチ業務が増えています。
その中で依頼が多い業務が「掲載許可代行」。

「掲載許可代行」とは、簡単に言うと広告内で映り込むウェブ記事や写真、動画、お店や施設の名称の権利を持っている会社や個人に連絡をして、
掲載許可をもらう業務
になります。

■どんな種類の広告で掲載許可代行をしているのか?

今までに依頼を受けた掲載許可代行の広告の種類は以下になります。

・テレビCM
・ウェブCM(YouTube、SNS、バナー広告)
・雑誌
・デジタルサイネージ
※日本語で言うところの電子看板。駅や空港内などにディスプレイが設置され、その中で動画が流れる広告。

■どんなモノの掲載許可を取るのか?

一概にこれだけですとは言えませんが
今までに依頼を受けた掲載許可のジャンルは以下になります。

・ウェブ記事
・新聞社などのメディア、一般の方が撮影した写真や動画
・お店や施設の写真
・店舗や施設の名前

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ここで重要なのが写真や動画を撮影した権利元に許可を取ればいいというわけではありません!

▼動画や写真に写っているお店の看板や人物にも掲載許可!
例えば、ウェブ記事の場合、記事内の写真に写っている人物や施設、記事内に文章の中に出てくる個人名、作品名、施設名も別で許可作業を進めないといけません。
広告内で使用する際に著作権、肖像権など発生する人や施設、モノに関しては全て許確認をしないといけないのです!
1件のウェブ記事、写真などの素材に対して、問い合わせを1件すればいいのではなく、1件の素材に対して、いくつも問い合わせが発生することがあるんです!

また、写真の背景に写っているお店の看板があれば、看板のお店にも掲載許可をもらいます。
動画に一般の方が写っている場合はご本人の連絡先を探して、掲載許可をもらいます。

そのため、写真や動画内に映っている人物などの連絡先が特定できず、掲載許可をいただくことができず、諦めることも度々あります。

▼キャンプグッズのメーカーを写真から特定して、許可をもらう!
今まで一番苦労した掲載許可代行がキャンプしている写真。

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写真内にいくつものキャンプグッズが写り込んでいたので目視でどのメーカーの商品なのかを推測して、商品すべてのメーカー問い合わせをし、掲載許可をもらいました。
ブランド名が写真内に写り込んでいればいいのですが写り込んでいない場合は似たような商品を画像検索でひたすら探して特定しました。
その他にも個人が撮影した結婚式の動画は、参列者が多く、映り込んでいた人には撮影者を通して、それぞれから掲載許可をいただきました。

■実際の掲載許可代行はどうやっているのか?

ウェブ記事、写真や動画の権利元の会社や一般の方への問い合わせから掲載許可までの簡単な流れは以下のようになります。

①問い合わせ(電話、メール、SNSのDMでファーストコンタクト)
②企画書及び広告使用許可書を渡す
③広告使用許可書に署名をもらう
④権利元への最終的な掲載有無の報告
⑤掲載する写真や動画の元素材のデータをもらう

権利元や会社や個人に関わらず上記のような流れで
掲載許可の業務を進められています。
ただし、上記はスムーズに会社や一般の方から掲載許可をいただいた場合で
「①問い合わせ」の段階で断られてしまったり、
「②企画書及び広告使用許可書を渡す」の後に
企画の詳細を権利元が確認した上で断られることがあります。

▼問い合わせする主なアプローチ方法
・電話
・メール
・問い合わせフォーム
・SNSからダイレクトメッセージ
※個人経営のお店で電話、メール、FAXがなく、住所は分かっているので飛び込みでお店に伺って店主に直接、掲載許可の交渉をすることもありました。

掲載許可の問い合わせで一番重要なのがファーストコンタクトです。
どんなに丁寧な説明をしたとしても問い合わせ先の方からしたら
かなり怪しい電話やメール。相手の立場になれば、その通り!
広告やCMというキーワードを出した時点で
営業電話やメールだと勘違いし、断られるケースが多いです。
また、電話での問い合わせが特に怪しまれることが多く迅速に弊社の説明、
お願いしたいことを端的に伝えないと切られてしまうのです。

■まとめ

掲載許可代行は、色々なお店、会社、一般の方々のご協力の元、成り立っている業務になります。
そのため、迅速かつ丁寧に問い合わせ先の方には電話やメールでご連絡をし、最終的な掲載の有無までをしっかりと報告する必要があります。
マニュアルではなく、問い合わせ先の状況などに合わせて、
臨機応変に対応するため業務になります。

色々と大変な部分はありますがテレビCM、ウェブCMなどの広告に関する掲載の許可確認でお困りごとがあればいつでもご相談ください!


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