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フォント強化月間③ 明朝体

こんにちは!株式会社 form and craft です。
今回も、弊社内で実施している学びのプログラム「フォームアカデミー」について記録していきます。(アカデミーの目的や今までの活動についてはこちらをご覧ください)


先週に引き続き「フォント強化月間」として、毎週書体クイズを実施しております!

今週のお題は和文の本文書体(明朝体)です!
中国・北京出身の料理研究家、ウー・ウェンさんによる著書「料理の意味とその手立て」から見出しと本文が出題されました。

著作権の関係で実際のページを載せることができないのが残念ですが、正解のフォントで打った文字がこちら↓

見出し
本文(料理の意味とその手立てより引用)

3チームの回答はこちら

  • Tチーム
    見出し:秀英初号明朝
    本文:秀英明朝 M

  • Yチーム
    見出し:秀英初号明朝
    本文:秀英明朝 M

  • Pチーム
    見出し:秀英初号明朝
    本文:秀英明朝 L

ウェイト以外は同じ回答となりました!


気になる正解は…?

【 正解 】(弊社調べ)
見出し:秀英初号明朝 H
本文:秀英明朝 M

ということで、全てのチームが正解のフォントを調べることができました!

今回、お題をパッとみたときに癖があり古い印象を感じたため、
古い書体ではないか…?と見当をつけたメンバーが多くいました。
また私のチームでは筑紫に近いかも…?という声があったので、Font worksというフォントメーカーの書体見本から調べ、秀英初号明朝に行き着いています。

実際に秀英体は、大日本印刷株式会社が、その前身である秀英舎の活字書体を100 年以上にわたって引継ぎ、開発を行ってきた書体のようです。
書体を見た時の印象はこれによって感じられたものなのですね!

ウェイト(フォントの太さ)についてはチーム内でMediumかLightで意見が割れたため、実際に印刷して見比べ、Mediumと回答を出しました。
印刷をしても少し迷ったので、なかなかウェイトを調べるのは至難の業であると感じています。


明朝体の発展

クイズの後は「明朝体の発展」について弊社のアートディレクターより説明を受けました。

みなさんは明朝体の二大潮流の系譜をご存知ですか?(私は初めて知りました。)


二大潮流の一つ、今回のお題でもあった秀英明朝は、近代化が急速に進展した明治初期に、秀英舎活版印刷に力を注ぎ自社で活字の開発に取り組んだことが起源のようです。完成した秀英体は「和文活字の二大潮流」と評され、現在のフォントデザインに大きな影響を与えています。(秀英体の歴史より参考・一部抜粋)


みなさんが読まれている本では、どちらの系譜の明朝体が使われていることが多いでしょうか。
系譜を意識すると、その書籍の内容に合う書体が使用されているのだなとまた違った視点で本を読むことができそうだなと感じました。


「号」って何を意味するの…?

今回のお題の見出しに使用されていた「秀英初号明朝」。
名前についている初号は何を意味しているのでしょう。

号数制活字の体系 EKRITSータイポグラフィより

「号」とは文字サイズのことで、初号がついている場合はサイズが大きいため、見出しで使われることが多いようです。
上記の画像内にある築地体前期五号仮名の説明にもあるように、五号はおよそ10.5pt・15Qに相当し、本文での使用を想定されて作られたものが多いようですね。

号数がついている場合には、見出しや本文など使用される箇所を想定して作られているのかがすぐにわかるため、書体を選ぶ上で一つの基準になるのですね!今後参考にしたいと思います。

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明朝体についていかがだったでしょうか。
奥が深く、私は今回も学ぶことがたくさんありました!

次回もお楽しみに!

text:N.M

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