フォント強化月間④ ゴシック体
こんにちは!株式会社 form and craft です。
今回も、弊社内で実施している学びのプログラム「フォームアカデミー」について記録していきます。(アカデミーの目的や今までの活動についてはこちらをご覧ください)
先週に引き続き「フォント強化月間」として、毎週書体クイズを実施しております!
今週のお題は和文の本文書体(ゴシック体)です!
今回の出題は、料理スタイリスト・高橋みどりさんによる著書『ありがとう! 料理上手のともだちレシピ』からです。装丁は、前回と同じく有山達也さんです。
正解のフォントで打った文字がこちら↓
3チームの回答はこちら
Tチーム
見出し、本文:ゴシック-MII 新がなYチーム
見出し、本文:ゴシック-MII 新がな(Ro ゴシック新がな)Pチーム
見出し、本文:リョービゴシック新がな
今回も、フォントの名前だけはちょっと違いますね…!
気になる正解は…?
【 正解 】(弊社調べ)
見出し、本文:ゴシック-MII 新がな/リョービゴシック新がな
ということで、違う名前ですが、全てのチームが正解のフォントを調べることができました!
このフォント名の違いについては、以下の企業間事業譲渡が関連しているとみられます。
「2011年10月にリョービ株式会社ならびにリョービイマジクス株式会社からフォント事業の譲渡が行われました。その後、グループ間で協議を行い、旧リョービ全書体を2012年2月10日をもってグループ会社である株式会社タイプバンクへ移譲しました。今後、旧リョービ書体は株式会社タイプバンクがタイプバンクフォントとして提供します。」(モリサワより引用)
ゴシック-MII 新がなは癖が強いフォントです。
例えば 「ま」 の曲がる横画、「き」 の長さ異なる横画、あるいは 「レ」のほぼ同じ高さの始筆と終筆など、特徴的なところがあります。
各チームのみなさんも、これらのさまざまな特徴を考慮してフォント探しを行われていたようです。
ゴシック-MII 新がなは可読性と判別性に優れているため、見出しだけでなく本文にも使用されております。
縦組みでも横組みでも、リズムの良い版面になり、 ベーシックでシンプルなゴシック体とは違い、毛筆の柔らかい印象を残しつつ、シンプルさの中にエレガントな雰囲気をプラスしたフォントです。
ゴシック体の発展
最後はゴシック体の発展について、簡単にご紹介させていただきます。
1970年代、日本のグラフィックデザイン環境は大きく変わりました。もともと本文には明朝体が用いられていましたが、雑誌を中心にどんどん黒体が用いられるようになったそうです。
ゴシック体は明朝体などの発展に比べて、それほど複雑ではありません。
主にオールドスタイルとモダンスタイルに分かれています。
よく知られている筑紫ゴシックや遊ゴシックは、オールドスタイルのゴシックです。
オールドスタイルのゴシック体は、活字に由来するフォントです。
初期にゴシック体が作られたとき、日本語には漢字とカタカナがありましたが、ひらがなは明朝体しかなかったようです。ひらがなはもともと崩し文字であり、毛筆のような筆跡があるのでゴシック体にするのは難しいです。
試行錯誤を繰り返した結果、明治末期に完成度の高いゴシック体が登場し、大正末期から昭和初期にはゴシック体が一般的に使用されるようになりました。当時のゴシック体が復刻されてデジタルフォントとなり、特有の毛筆風の骨格が味わい深いですね。 (ゴシック体の歴史より参考・一部抜粋)
シンプルでクラシックに見えるゴシック体にも、開発時にはこんな苦労があったのです。 明朝体の筆跡を維持するよりも、徹底的にシンプルにするほうが難しいのだと感じました!
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フォームアカデミーで、たくさんのフォントの裏話や歴史を知ることができました。
フォントの歴史を知ると、フォントをもっと活用できるのではないかと思っております!
では、次回の投稿もお楽しみに!
text:G.O
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