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<なつみの本紹介>#2 青い孤島/森沢明夫

あらすじ

 「特徴がないことが特徴」という、まさに平凡な会社員の小島佑。広告・イベントの施策会社に勤めるも、何をやっても上手くいかず、社内で邪魔者あつかいされ、絶海の孤島に島流し(?)されてしまう。そんな佑が、昔からの島の悪しき風習をなんとかしようと、仲間たちと共に奮闘する物語である。

感想

 この本は島が舞台ということで、海好きの僕にとってはたまらない一冊でした。森沢先生の文章を読んでいると、本当にその場所にいて、海風を浴びたり、お日様に照らされたりしている感覚になります。というか、海にいきたくなる!!何度も言っていますが、自然の情景を書かせたら、森沢先生の隣に並ぶ人はいないと思います。(これはただ僕の意見です。)

 佑は、1人で見知らぬ島に来て生活を始めます。地元の居酒屋に行って地元の人たちと楽しく飲んだり、ベンチに座っているおばあちゃんと話したりします。もともと佑はコミュニケーション能力がそんなに高い方だとは思わないですが、島の人たちは佑に興味津々です。本土から来たから珍しがっているだけではなく、佑にも何か人を引きつける魅力はあったんだと思います。 知らない土地に行って、素敵な出会いに巡り会いたいものです。

 あとは何と言っても島の東・西の抗争です。ちょっとくだらないことで溝ができてしまった両者の、ちょっと笑える習慣だったりをぜひ読んでみて欲しいです。登場人物も魅力的です。イケメン、絶世の美女、島の石油王、ちょっと変わったITオタクなど、彼らが織りなす特殊な世界に、あなたも飛び込んでみませんか?

 最後になりますが、知らない土地に自分を放り込み、人間として豊かで、魅力的な人になりたいと強く願います。佑みたいな生活にちょっと憧れます。だからこの夏、車でいろんな知らないところに行きたいと思っています。車を買うために今は頑張ってお金を貯めています。このnoteもその一環です。アマゾンアソシエイトで少しでもその足しになればいいなと思っています。ですので、この記事に貼ってあるリンクからこの本を買っていただけると幸いです。なんか僕の話になってしまいましたね笑。詳しくは下の記事をお読みください。


グッとワード

自分が自分でいられる「居場所」がないことからくる不安と淋しさ。

 佑は上京してから、居心地の悪い会社で身を削って働き、うわべの友達が数人、ましてや恋人もいない生活を送ってきました。心を落ち着ける場所がどこにもないというのは辛いものです。僕は今まで居場所がないと思ったことはないです。小学校、中学校、高校と違う環境で生活してきました。それぞれで、居場所というものがあります。居場所というか、友人ですね。その人たちは本当にお世話になったし、これからもずっとつるんでいくと思います。
 でも大学ではちょっとうまくいきません。1年生の時は全てオンラインだったため、ほとんど学校に行けず、友達ができませんでした。サークルがはじまり友達ができたものの、なんかサークルってしょうもないなと思ってしまい、うまく関わっていけるか不安です。この不安を、佑はずっと抱えていたのです。今になって改めて、心の許せる友人・居場所の存在は大事だなと噛み締めています。


「感動って『心の食べ物』なんですよね。だから常に与え続けていないと、心が痩せ細って、しまいには病気になってしまうって、以前、椿姫様が教えてくれました。」

 「感動」って何なのでしょうか。この言葉を読んだ時、ふと考えました。僕はけっこういろんな小さなことで感動できる人だと思います。つい最近感動したことといえば、千葉の地元の田んぼ道を原付バイクで走った時です。よく晴れた日で、午前中でバイトが終わって探検をしました。生まれた時から住んでいる街ですが、知らないところもたくさんあります。

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 思わずバイクを止めて写真を撮ってしまいました。この景色を見て、僕は「感動」しました。僕の住んでいる街はこんなにも綺麗なのだと。「感動」は心を動かすという意味ですよね。確かに心が動きました。でも、心が動くってどんな状態か。僕は思います。「感動」は、ただ心が動くわけではなく、また見たい、守りたいと思うことなんじゃないか、と。この美しい空と、それを写す田んぼの水、うっすらと命の息吹を感じる緑の早苗。この景色をいつまでも守っていきたい。自分の子供ができたら見せてあげたいと思いました。これが僕の『心の食べ物』になって、これからの人生に潤いをもたらしてくれるのかなと思うと何だかワクワクしてきます。



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