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「怒りは絶望に勝る」というターミネーター3の言葉の深い意味

フォレスト出版編集部の寺崎です。

「抵抗」
「抗(あらが)う」

この言葉を聞いて、あなたはどんな印象を持ちますか。

権力に抗う。
差別に抗う。
偏見に抗う。

これまで、われわれ人類には、時代の節目において「抵抗」してきた歴史があります。アメリカの独立戦争やフランス革命を民主主義の歴史的ルーツとして位置付けるならば、その実現理念として掲げられたのが、英・哲学者ジョン・ロックにより提唱された「抵抗権」であり「革命権」です。

【抵抗権】
抵抗権(ていこうけん、英: Right of Resistance)とは、人民により信託された政府による権力の不当な行使に対して人民が抵抗する権利。革命権(英: Right of Revolution)、反抗権(英: Right of Rebellion)とも言われる。

wikipediaより

そんな過去に「抗ってきた人々」の礎の上に私たちは生きています。

■■抵抗するなんてダサい■■
■■抗ってもムダという風潮■■

では、現代に生きる私たちははたして、この「抵抗権」「革命権」「反抗権」を行使できているでしょうか。

昨今の政治家の不祥事に対して。
社会のあらゆる局面における不条理に対して。

「どうせ、聞き入れてもらえない」
「言うだけムダ」
「そもそも反抗するなんてダサい」

そんな風にあきらめていないでしょうか。
怒ること、抗うことを忘れていないでしょうか。

一般的には「怒りはよくない」といわれます。

キリスト教の聖書でも「怒り」の感情は戒められるよう書かれています。

「怒ることがあっても罪を犯してはいけない。日が暮れるまで怒ったままでいてはいけない。悪魔にすきを与えてしまうから」

『新約聖書』エペソ人への手紙 第4章26節より

しかし、怒りを封印した先には「絶望」しかないという気がします。

イエス・キリストがなんと言おうと、怒りや悲しみをもって抗うことで、この世界は、今日よりも明日、よくなる。

そう信じることはできないでしょうか。

「怒りは絶望に勝る」

これは映画『ターミネーター3』で主人公のジョン・コナーが絶望しかけたとき、旧型ターミネーター役のアーノルド・シュワルツネッガーがジョン・コナーにかけた言葉。

そんな「抵抗することを忘れてしまった時代」に「抗って、自分らしく生きる道を探ろう」という強いメッセージが込められた新刊が出ました。

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■■22年前に下された死刑判決■■

1998年(平成10年)7月25日に起きた、そののち「和歌山カレー事件」として知られる事件をご存じでしょうか。

和歌山県和歌山市園部地区で開催された夏祭りの会場で、提供されたカレーを食べた67人が吐き気や腹痛を訴えて病院に搬送され、4人が死亡した事件です

当初は食中毒だと思われていたものの、そののちの調査で毒物のヒ素が混入されていたことが判明。

事件から数か月後の10月4日に、元保険外交員・主婦の林眞須美氏が夫の林健治氏とともに逮捕されました。保険金詐欺の犯歴を理由に逮捕され、その後、殺人及び殺人未遂容疑で再逮捕、起訴。

眞須美氏は一貫して容疑を否認していますが、2002年12月11日に死刑が言い渡されました。

■■いま、この瞬間も抗い続ける■■
■■あの人に話を聴きに行った。■■

ところが、この事件に関する裁判には大きな問題があることが、のちの検証により明らかとなってきました。

【疑念点1】
直接証拠がなく、状況証拠の積み重ねだけで有罪となっている点。

【疑念点2】
そもそも犯行動機が不明瞭。

つまり、冤罪の可能性がきわめて高く、死刑が確定した林眞須美氏はいまなお無罪を主張し続けています。

一方、林夫妻のもとに生まれた4人の子どもたちは、その後どうなったか。

児童養護施設で壮絶ないじめを受け、結果的に離散。長女は2021年6月9日に自死しました。

そんななか、事件当時11歳だった長男だけが、職場や友人に身分を隠しながら、無実を訴え続ける母親と面会を続けています。

そんな彼の「抗い続けるさま」を克明に描写すべく、彼の地元である和歌山でロングインタビューを決行することにしました。

「絶望」せずに「抗い続ける」。

本書の後半は、その貴重な記録です。

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