「売れない」Webサイトが抱える、7つの原因
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
「D2C」(Direct to Consumer)というビジネスモデルが本格化しています。ざっくり言うと、自社で企画・製造した商品・サービスを、ECサイトなどの自社チャネルで販売するモデルのこと。手数料をとられる大手販売プラットフォームに頼らず、自社サイトで販売するわけです。
D2Cの大きなメリットとしては、大手販売プラットフォームでは、なかなかできなかった 「顧客に自社のビジョンや思想をきちんと伝えられる」「顧客との関係構築」「顧客データの収集」といったものがあります。
つまり、自社商品・サービスを買っていただける顧客や見込み客のニーズがよりわかり、それに見合ったより良いサービスや商品提供ができるわけです。
ただ、売れるサイトと売れないサイトの差が生まれており、その差は拡大しているという現状があります。ある調査によれば、WEBサイトをつくった企業の60%は売上が上がらないという結果も出ているようです。
では、その原因や理由はどこにあるのでしょうか?
WEBデザイナー&ディレクターの野口哲平さんが、11月24日発売の著書『売れるWEBデザインマーケティングの法則』の中で、ご自身が今までクライアントにコンサルティングしてきた経験から導き出した、売れないWebサイトが抱える7つの原因・理由を挙げながら、それぞれ解説しています。
野口哲平(のぐち・てっぺい)
株式会社Open Field代表取締役社長。WEBデザイナー&ディレクター。
東京学芸大学教育学部卒業後、複数の企業を経て、アパレルネット通販会社入社。ネットショップの運営、商品仕入れ、キャンペーン企画を担当しながら顧客心理を掴む方法を研究、実践を重ねて、店長として年商1億円の会社を3年で2億円に成長させる。2008年10月に独立し、2012年(株) Open Field設立、現職。高額な広告費用をかけず、0円でコンバージョンを最大化し、ファンが殺到するオリジナルメソッド「顧客心理逆算式」デザインの法則を完全体系化。サザビーグループのブランド「NOJESS」、片岡物産のブランド「辻利」のサイト制作など、大手ブランドのホームページ制作案件を手がける一方、成果だけでなくセンスやこだわりを求められる企業のHP制作を数多く手がけ、10年間で、10倍売り上げるページを1万ページ以上を制作してきた圧倒的な実績を誇る。
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【売れない理由❶】ホームページが「あることに意義」を感じてしまっているから
このようなことを書くと、ほとんどの方が「そんなことはない!」と反論されるのではないかと思います。
では、お聞きします。御社では、どのくらいの頻度で自社のホームページを更新したり、コンテンツの内容を見直していますか?
つくったのはいいけれど、数年間まったく放置したまま……。
たまに、気になってニュースを更新してみたり、気持ちを新たにブログを書き始めてみたりしたけれど、結局数回の更新で終わってしまった……。
そんなこともあるのではないでしょうか?
それであれば、結局、サイトがあることに意義を感じ、満足してしまっていると言われても仕方ありません。
もし、そうでなければ、ちゃんとサイトを更新しようと努力するはずです。
つくっただけ、あるだけでは、ホームページの効果が発揮できるわけではありません。当然、売上も上がりません。
皆さんの会社はどうでしょうか?
ホームページが「あることに意義」を感じていませんか?
当たり前ですが、本書を手にとっていただいた方には、そんな質問自体が愚問でしたね。
おそらく、いろんな本を読んだり勉強したものの、なかなか結果が出ない……。「行き詰まっているので、なんとかしたい!」という思いで、本書を手にとっていただいたのですから。
この本では、よくあるマーケティングやS E O の話ではなく、本質をとらえた、本当に役に立つメソッドをたくさん紹介していきます。
それと同時に、決して一過性の対策ではなく、時代が変わっても活用できるノウハウが満載です。
ぜひ期待しこの先も読み進めてください。
【売れない理由❷】SEO対策やSNS・ブログからの集客だけに目がいっているから
皆さんは、SEO対策やSNS・ブログからの集客をしていますか?
集客しているとしたらその結果、どのくらいユーザーからのお問い合わせや購入に至っていますか?
結果がしっかり出ているという方も、中にはいらっしゃると思います。しかし、費用の割になかなか結果が出ないという方も多いのではないでしょうか?
本書では、結果が出ていない人はもちろん、結果が出ている人がさらに結果を出すための大切な要素についてお話ししていきます。
大前提として、SEO対策などを行ない、たくさんユーザーを集めることは決して悪いことではありません。
しかし、集めたユーザーが、きちんとお問い合わせや購入してくれないなら集めていないのと同じです。
繰り返しますが、SEOが悪いわけではありません。上位に表示されれば、それだけ多くの人が見に来るので。
しかし、それだけに目がいってしまっては、本当に大切なことを忘れてしまうのです。
大切なこと。それは、「きちんとお問い合わせや購入という行動につながっているか」。
そして、「その行動をするのは、まぎれもなくお客様であることを意識する」ことです。
つまり、お客様のこと、もっと言えば、お客様の気持ち、心理、その心理からくる行動を把握しておかなければ、せっかくお金をかけてSEO対策をしても、ムダになってしまうのです。
その意識がないまま、SEO対策をはじめとした集客方法ばかりに目が行き、売上が上がらないサイトは数多く存在します。
【売れない理由❸】更新頻度の低い「動きのないホームページ」になっているから
ホームページをつくったことに満足してしまい、更新を怠ってしまう……。
これは、よくありがちなことだと思います。
せっかくブログやニュースを書くためにいろいろと準備したのに、結局、長い間放置してしまっている。
担当者が替わってから、まったくニュースも更新していない。サービス内容が変わったのに、昔の情報のままになっている。
そんな動きのないホームページになっていませんか?
動きのないホームページは、営業しているかどうかすらわからない、薄暗いお店のようなものです。そんな営業しているかどうかもわからないお店にはあまり入る気はしませんよね。
それはホームページも同じです。
動きのないホームページでは、売上を上げることは難しいと思ってください。
お店と同じで動きがないだけで、逆にユーザーの不信感を買ってしまい、売上を自ら遠ざけてしまっているのです。
【売れない理由❹】解説過多で、心理的な圧迫感が強いから
今度は、先ほどの更新頻度の低さとは逆パターンです。事あるごとに更新しているにもかかわらず、売上が上がらないというケースです。
サービスが増えるごとに、きちんと更新して、説明も丁寧に書いているし、サイトの中にたくさん情報を掲載しても、なかなか売上が上がらない……。
このケースは、ひと言で言うと、「押しが強すぎる」点に問題があります。
これも、実際のお店で考えるとよくわかります。
あなたが、お店に入った途端、
「この商品はいいですよ!」
「今がお買い得ですよ!」
「最後のチャンスですよ!」
「この商品には●△という特徴がありまして……」
とグイグイ押されたらどうでしょうか?
心理的な圧が強すぎて、ちょっと引きませんか?
「わかったから、まずはゆっくり選ばせてよ!」なんて気持ちになるはずです。
商品の解説や情報をいくら丁寧に書いていても売上が上がらない場合、ほとんどがこのように押しが強すぎたり、「押すタイミング」を間違っています。
いくら情報を丁寧に書く必要があっても、解説のタイミングとボリュームを間違ってしまい売上が上がらない場合も多くあります。
【売れない理由❺】ペルソナ設計、レスポンシブデザイン etc……言葉だけ知っていて、満足していない?
ペルソナ設計、レスポンシブデザイン……。
最近、サイト制作を専門にされていなくても、このようなサイトをつくる上での専門用語を耳にすることが多いのではないでしょうか?
当然ながら、言葉を知っていること自体は、まったく悪いことでなく、むしろ良いことでしょう。
しかし、ありがちなのは、言葉だけを知っていて、その言葉の意味や本質を知らないということ。
そして、一番の問題は、本質を知らないのに、言葉だけを知っていることで満足し、結果に結びついていない点です。
打ち合わせで伺った際に、やたらとこのような専門用語を使う方がいます。そのような方に限って、言葉を知っていることで、専門家である私たちに負けないぞというアピールをしているように感じます。
サイト制作は、そのような優位性を競うものではありません。何よりも協力体制が重要なのです。
言葉を知らなくても売上は上げられますし、売上を上げるサイトになるのであれば、言葉なんて知らなくてもまったく問題ないのです。
ペルソナ設計、レスポンシブデザインも、知っている言葉の数ではなく 「それを自社サイトにどのように活かすのか?」 が何よりも重要なのです。
言葉だけを知っている、だけど売上が上がらないという場合は、その言葉のもつ本質を、もう一度見直す必要があると言えます。
【売れない理由❻】9割の会社は、流入しても心にフックをかけられない
「心にフックをかける」とは、どういうことでしょうか?
いろんな考えがあるかと思いますが、ここでは、その中の1つをご紹介しようと思います。
それは、フックをしっかりかけることができれば、ユーザーは自ら再びあなたのサイトを訪問しようと自然に思う、ということです。
つまり、心にフックをかけるとは、もう一度訪問しようと、ユーザーに思ってもらうための策を施すことです。
それができなければ、ユーザーは他社に流れ、結果的に価格が安いほう、ポイント還元率が高いほうに流れてしまい、せっかくのあなたの商品の良さを理解してくれません。
心にフックをかける方法に正解はありません。
しかし、あなたのサイトに訪れるユーザーは、「どのようにすれば、一度サイトを離れたあとも、再び訪問してくれるか」を考えれば自ずと答えが見えてきます。
ところで、このような話をすると、「メールアドレスを登録してもらい、そのメールアドレスに、メルマガを送ればいいんですよね?」と質問されるケースがよくあります。
当然それも大切ですが、テクニックや仕組みに走ってはいけません。
もう一度訪問したいと思わなければ、いくらメルマガを送ってもムダでしかないからです。
テクニックは一度置いおいて、ユーザーになりきって、どうすればもう一度訪問したくなるのかを考えてみてください。きっとその答えは、難しいテクニックではなく、とてもシンプルなものだと思います。このあたりは重要な部分ですので、のちほど詳しく説明します。
【売れない理由❼】流行りのデザインに流されて、路頭に迷っている
よく「サイトデザインには、流行り廃りがある」と言われます。
しかし、それは、何もサイトデザインに限った話ではないですよね?
洋服でもなんでも、流行りは存在します。
では、ここで2つ質問です。
①流行りは誰がつくったのでしょうか?
②流行りのデザインにすれば、売上は上がるのでしょうか?
では、まず①から。
流行りの原点は、誰かがそれをつくり、それに対して大勢が良いと思い、利用したりすることから生まれるものだと思います。
はじめにつくられたものが純粋に良いのであればいいのですが、その流行りが作為的につくられたものだとしたらどうでしょうか?
世の中の流行りがすべて作為的につくられたものではありませんが、まったく吟味もすることなく、「流行っているから」という理由で取り入れるのは、問題だと思いませんか?
もし、あなたのサイトがそのような理由でデザインをされているとしたら、本当にそれでいいのか、もう一度考えてみる必要があるかもしれません。
そのように言い切れる理由は②に隠されています。
ちなみに②の答えは、ほぼNOです。
「ほぼ」と申し上げたのは、流行り出したら売上が一時的に上がったり、たまたまユーザーの趣向とマッチして売上が上がるということもあり得るからです。
ただ、それはあくまでも「 たまたま」であって、本質的には間違っています。
「流行りのデザインにすること」が重要なのではなく、「使う側であるユーザーの趣向やあなたのサイトのサービスがマッチしていること」が重要なのです。
ですので、流行りのデザインを取り入れる必要はまったくありません。あくまで、流行りは誰かがつくり出したもので、一過性であることが多いのですから。
流行りを追うよりは、ユーザーの心情をより深く考え、それをデザインに反映するほうが何倍も大切な要素なのです。
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11月24日発売の新刊『売れるWEBデザインマーケティングの法則』(野口哲平・著)では、今回ご紹介した「売れない理由」に対する解決方法はもちろん、野口さんがWebデザイナー&ディレクターとして長年の経験と知恵から見いだした、ユーザー心理から逆算した法則「顧客心理逆算式デザインの法則」を完全公開しています。
【顧客心理逆算式デザインの法則】(一部)
◎今までのペルソナに命を吹き込む――ペルソナ設計新メソッド「ピョン吉」の法則
◎心理トリック口コミの効果を最大限にする――「印象コントロール」の法則
◎「よくある質問」の有効活用――「安心感増大」の法則
◎見る人によって、欲しい情報とタイミングが違う――「味噌汁はアツアツ」の法則
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◎過度な親切心は逆効果を生む――「ツンデレ」の法則
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このように、デザイン知識ゼロからでOK、セオリー無視。デザイナーはもちろん、デザイナーではない人も絶対に知っておきたい「売れる」サイトづくりの法則に基づいた思考法、実践法を解説しています。興味のある方はチェックしてみてください。
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