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【全文公開】仕事に殺されないアナザーパラダイスの見つけ方(潮凪洋介・著)


2015年5月刊

「社外」で輝き出すと、「会社」でも輝き出す

「会社の空気が、生理的に自分に合わない」
「会社で、デキない奴と思われている」
「会社でダメな自分を、休日まで引きずってしまう」
「今の仕事(会社)が、とにかく嫌いだ」

そのように思っている人が、とても多くいます。

一方で、

「会社で確実に結果を出している人」
「楽しそうに仕事をしている人」
「自分らしく生きている人」

がいます。

その違いは、いったい何なのでしょうか?

それは……、

今の会社や仕事が、「合っている」か、「合っていないか」だけ。
「デキる」「デキない」は、「向き(好き)」「不向き(嫌い)」で決まるからです。「デキる人」とは、たまたま自分に向いている仕事(会社)に出会った人、いわば、偶然の産物なのです。

だったら、転職したり、独立すればいいのか?

いえ、そんな大きなリスクを負う必要はありません。
まずは、【社外】に目を向ければいいのです。

社外に、自分が好きな世界、好きな舞台を見つけ、最も輝く、ワクワクする、絶好調な自分をつくりあげるわけです。あなたにとっての「アナザーパラダイス」をつくるのです。

「アナザーパラダイス」で輝き出すと、「置かれた場所(=会社)」でも輝き出します。

では、自分のアナザーパラダイスをどのように見つけ、どのようにつくっていけばいいのか?

その重要エッセンスをまとめたのが本書です。

のべ数万人のアナザーパラダイスづくりを指南してきたベストセラー作家が、アナザーパラダイスをつくるための

【働き方】【お金の使い方】【遊び方】
【異性関係】【夢】

をテーマに、眠っている自分の才能が開き、結果につながる40の思考法&実践法を伝授します。

あなたは、会社の部品なんかじゃない。会社が、人生の一部なのだ――。

本書で、あなたの「人生の主導権」を取り戻してください。

【主要目次】
第1章:あなたが輝く場所は必ずある
第2章:「遊び」が、人生の主導権を取り戻す
第3章:人生にパラダイスをつくる「お金」の使い方
第4章:自分らしい「働き方を見つける」というパラダイス
第5章:あなたが輝く「異性関係」のつくり方
第6章:人は「夢」を見ている瞬間、誰もが自由人になれる

【著者プロフィール】
潮凪洋介(しおなぎ・ようすけ)

株式会社ハートランド代表取締役。エッセイスト、講演家、イベントプロデューサー。
20代後半で脱サラ。逆境の中、妻子を抱え寸暇を惜しんで働き、イベントプロデューサー、コンテンツクリエイターとしての才能を開花させ、GIVENCHY、JTBなどを筆頭に、さまざまな大手企業、メディア、さらには行政団体との企画を実現させる。現在「愛と夢と自由の授業」をテーマに、新聞、雑誌、ラジオ、講演(中学校含む)などで活躍中。「人生・仕事・恋愛」という3つの視点から、悩みの解決や夢を叶えるための講演・執筆・アドバイスを行なっている。

はじめに

——「社外」で輝き出すと、「会社」でも輝き出す

「また怒られた……」
「なんでいつもこんなことで怒られなければいけないの?」
 このように仕事場で怒られ続けることで、セルフイメージがどんどん下がっていく。
 セルフイメージだけならまだいい。
「あいつはデキない奴」
「信頼できない奴」
 と思われている空気感。それが二次災害的に心を傷つける。
 さらには、給料の減額や左遷、リストラの恐怖などが三次的に襲ってくる。
 もう1つの災害。最大にして最悪のマイナス。
 それは、
社外でもダメな人間に違いない
 という思い込みを持ってしまうことだ。
 このような人々が、今の日本には数え切れないほど存在している。
 プライベートでの交遊も、恋も、趣味も、将来の夢、さらには人生全体が「ダメ」だと思い込んでしまう。
 たかが就職した会社の仕事1つで、「全人生否定」「全人格否定」をしてしまう。ひどいときには自殺にまで至る。
 そんな人が後を絶たない。自殺者は1年で3万人。戦争、紛争が起きているのと変わらない数字である。
 あなたも仕事の評価だけで、自分の人生全体の価値を決めてしまってはいないか?
 仕事がうまくいかない。会社で結果が出せない。
 それだけで、自分に「ダメ人間」のレッテルを貼ってはいないだろうか?
 しかし、はっきり言いたい。
「会社」でダメな人だからと言って、「社外」でもダメな人とは限らない。
 会社での評価は、会社内での成績を表すものでしかない。誰だって得意なスポーツ、不得意なスポーツがあるだろう。会社で評価されない。それは特定の不得意なスポーツで良いプレーができないことと同じこと。
 たかが、それだけのこと。
 それなのに、仕事ができないだけで、自分の価値、あるいは、人生の価値を低く見るような考え方は間違っている。
 まずは、何はともあれ、この間違った認識を捨てることから始めてほしい。
 会社ではダメダメでも、社外での活動では別人のように背筋が伸び、声にも張りを持ち、素敵な人々に囲まれ、ハツラツとイキイキと、リーダーシップをとる。そんな人生を歩む人々が大勢いる。
 彼らの人生は間違いなく、「幸せ」である。そして、会社での境遇がどうであれ、そこに悔いはない。
 彼らは、社外に自分の命を完全燃焼させるパラダイスをしっかりと築いている。恋を楽しみ、趣味を楽しみ、友情と家族愛に満ちた生活。夢を描き、それを追う人々である。
 悪いことは言わない。あなたにも、「会社外のパラダイスアナザーパラダイス)」をつくることを強くおすすめしたい。

「アナパラ」で輝き出すと、「会社」でも輝き出す

「アナザーパラダイス」とは、自分を押し殺すことなく、自由なあなたを表現する場所である。いわば、前向きな「現実逃避」である。
 会社を辞める必要はない。本当の輝く自分を出す場所をつくるだけでいい。
 アナザーパラダイスで輝き出すと、今、あなたが置かれた場所=会社でも輝き出すから不思議だ。
 私の周囲には、この25年間「アナザーパラダイス」を持つ人々に囲まれて過ごしている人々がいる。
 毎月自分が主宰する勉強会を開催する人、スポーツサークルの運営を楽しむ人、毎週さまざまなコミュニティや会合に、新しく参加する人、会社員ながら、週末だけ小さな店を運営する人、アクセサリー販売をインターネットで行なう人、合コンに年間50回行くことを目標にしている人、ゴルフサークルでコンペ合宿を行なう人、朝活を毎週主宰する人、美食パーティーを友人と開催する人など……。
 ここに書ききれないほどだ。
 彼らは皆、常に輝き、自信にあふれている。アナザーパラダイスをつくったことで、会社の仕事でも輝き始めている。埋もれていた自分の才能が開花し、最初は人生のサブだったはずのアナザーパラダイスが、次第に人生のメインになって、独立し、成功している人も多い。
 仕事場には、必ず「合う」「合わない」がある。どうがんばっても、変えられない境遇に身を浸らせてしまうこともある。悲しいことだが、なかば、それは運である。
 しかし、もしそうなってしまっても、社外に目を向ければ問題ない。
 社外で本当に自分が輝ける。ワクワクする。自分らしくいられる。努力することが楽しい。それらと出会い、没頭してみてほしいのだ。
 会社には、あなたの輝く場所はないのかもしれない。しかし、社外にはあなたの一度だけの命を輝かせ、一生を賭か ける対象が必ず存在する

会社は自分の部品に過ぎない

 かつての私は、会社ではダメダメだった。不得意であった事務作業のミスが絶えなかった。会社では毎日怒られ、次第に上司から「粗大ゴミ」となじられたりもした。
 しかし、社外で運営していた社会人の交流クラブでは、その真逆。立ち上げの言い出しっぺであり、東京の南麻布にセカンドシェアハウス兼サロンを設け、その責任者として活動していた。誰よりも仕事をし、責任をとり、そして、会に貢献するスーパースタッフだった。圧倒的に、組織への貢献を果たしていた。
 その理由は、何よりこの活動が自分に向いていたからだ。会社の人数よりも多い事務局メンバーを盛り立て、参加者数百人を引っ張っていた。「粗大ゴミ」扱いされている会社での自分とは大違いである。
 会社の同僚や上司よりも、手強いメンバーを率い、メディアの取材や講演依頼なども受け、頭フル回転で、組織を引っ張っていたのである。
 当時の私にとって、会社は単なる「生活費を稼ぐためだけの場所」でしかなかった。
 会社でダメ人間であっても、自分を失う必要などない。私自身、会社員生活中に自信を失ったことなんて一度もなかった。

 あなたは、この話を聞いてどう思ったか?
 会社外にパラダイスをつくるだけで、心は折れにくくなり、逆に会社が「ついでの場所」、つまり、「サブの場所」となる。
「会社なんて、本当の自分を出しきれる場所じゃない!」
 もしそう思うなら、どうか価値観の大転換を行なってみてほしい。
自分は会社の一部じゃない。会社が自分の人生の一部に過ぎないのである」と。
 あなたの魂は、会社、社外のどちらに存在するか?
 会社がメインの場所であることが、果たして自分の人生において最高なのだろうか?
 そんなルールは、誰が決めたのか?
 自分を押し殺すことなく、もっとイキイキと輝く場所こそが、自分の人生においてのメインの場所だと感じる人生。それもまた、大正解なのである。
 まさに私も、その1人であった。会社員時代に社外のパラダイスを死に物狂いで構築し、その全力疾走の延長上に、「夢が叶った本当に自由な人生」を築き上げた。
 泣いても笑っても、人生はあと数十年だ。
 1回きりのあなたの人生である。自分が本当に輝ける舞台で、思いっきり人生を楽しまないと、もったいない。
 会社で輝けることは、すばらしいことだから、どんどん才能を活かして輝けばいい。
 しかし、たとえそうだとしても「会社が人生におけるメインの場所であるべきといった絶対的なルールは存在しない
 この先、会社で自分を押し殺す瞬間が訪れたなら、それは、人生において会社がサブの場所へと劣化し始めた証拠だ。
 会社外に自分が輝ける場所をつくるか、つくらないか?
 それだけで、あなたはもう自分をダメな人間と思うことはなくなる。社内でダメだからといって、あきらめてはいけない。

人生の主導権を取り戻す方法

 本書では、あなたの人生が本気で輝くためのアナザーパラダイスの見つけ方と活かし方をお伝えする。11ページからの目次を見て、自分の興味を持った項目から読み始めてもらっても、理解できるつくりになっている。
 第1章では、あなたが本気で輝く場所を見つけるために不可欠な思考回路を変えるエッセンスを盛り込んだ。
 第2章では、会社や仕事に侵された人生の主導権を取り戻すための思考法と実践法を提示した。
 第3章では、人生のパラダイスをつくるためのお金の使い方についてまとめた。
 第4章では、自分らしい働き方を見つけるための考え方とともに、どのように実行していけばいいのかについて、具体的な事例も交えながら解説している。
 第5章では、人生のパラダイスづくりに絶対欠かせない「異性関係」のつくり方について書いた。
 第6章では、「夢」を実現するための、夢の描き方、具体的実行法を提示している。

 社外のアナザーパラダイスを本気でつくり上げれば、あなたは必ずスーパーヒーローになれる。
 自主性から生まれた社外活動は、あなたの自信を大きく育て、強い芯となる。かつての私がそうであったように、あなたもまた、人生の大逆転を達成することができるのだ。
 さあ、次は、あなたの番である。

仕事に殺されないアナザーパラダイスの見つけ方 ◎目次

はじめに――「社外」で輝き出すと、「会社」でも輝き出す! 

第1章 あなたが輝く場所は必ずある

1 置かれた場所で、自分の能力を発揮できる人、できない人 
2 いびつな「会社の枠」に、人生を押し込めている人が知らないこと 
3 「死ぬまでに、あと何回、楽しい夏を迎えることができるか?」を数えてみる
4 会社を人生の「パートタイム」にする方法
5 会社の洗脳を蹴っ飛ばすために、前向きな「現実逃避」をする
6 「アナパラ」づくりのための時間捻出術
7 嫌な仕事からのストレスを自分から引き剥がす方法 
8 会社を辞めずに、「アナパラ」をつくる

第2章「遊び」が、人生の主導権を取り戻す

9 つまらない会社生活に毒されないたった1つの方法
10 本気で遊ぶと、人生を変える原子細胞が動き出す 
11 会社主体ではなく、自分主体の人生に欠かせないもの 
12 1銭にもならないあのシーンの共有が、1億円にも勝る財産となる
13 あなたが今欲しいと思うものが、すべてココにある 
14 日常に、絶対的な「バカンス法」を制定する

第3章 人生にパラダイスをつくる「お金」の使い方

15 住む場所と部屋にお金を使う
16 ヤバいときほど、遊びに適度なお金を使う
17 なぜ「遊び」にお金を使った分だけ、「仕事」にお金が舞い込んでくるのか?
18 たった1つの服から、人生は変えられる
19 パーティーには、借金してでも行く 
20 「赤字パーティー」を主宰すると、なぜこんなに得られるものが多いのか?

第4章 自分らしい「働き方を見つける」というパラダイス

21 仕事するように遊び、遊ぶように仕事をする
22 「天職」に出会う賞味期限はいつか?
23 「自分探しの旅」で失敗する人が、やっていないこと
24 仕事のリアルを知るために、一番効果的な方法 
25 会社を辞めずに、大好きなことを仕事にする第一歩とは?
26 あなたらしい仕事は、あの人がすでに知っている
27 自分も相手も喜ぶ「ビジネスパラダイス」開拓法

第5章 あなたが輝く「異性関係」のつくり方

28 ゼロから始める「恋愛筋力」の鍛え方
29 異性友達を5人以上つくっておく
30 恋人ができても、結婚しても、魅力的な人がやっていること 
31  失恋の痛みを未来につなげる作法
32 恋愛と夢実現をリンクさせる
33 モテないのは、誰の責任か?
34  「合コン」を「人間力養成の場」と心得る

第6章 人は「夢」を見ている瞬間、誰もが自由人になれる

35 ワクワクしながら、ストレスを吹き飛ばす技術
36  「やりたいこと」「夢」が、芽生えてくる人、芽生えてこない人 
37 「稼ぐ夢」ではなく、「楽しい夢」を追う
38 夢を先送りしないためのメソッド「クリエイティブインキュベーション法」
39 他人の夢が実現するためのアイデアをプレゼントする
40 「夢」は、一度叶わなくても、こうして実現できる

おわりに

――「アナパラ」づくりのお手伝いをするという人生


第1章 あなたが輝く場所は必ずある

1 置かれた場所で、
自分の能力を発揮できる人、できない人

「雑誌やテレビ、あるいは女性たちの会話の中で、〝デキる男〞の話が出ると、疎外感を感じる」
「仕事がデキる男って何? そんなにそれがカッコいい? 今いち意味がわからない」
「世の中、仕事ができるだけがすべてじゃない!」
 そんなふうに思うことはないか?
「仕事で成果を出したことがない人」
「達成感を感じたり、昇進、あるいは大きな利益を得た経験がない人」
 そんな人が抱きがちな思考である。
「仕事が〝デキる〞〝デキない〞の評価がはっきりしない職場」
「毎日怒られたり、期待されなかったり、あるいは、〝デキる人〞と呼ばれる社内の人があまりにも人間的魅力に欠ける」
 といった境遇にいる人も陥りやすい思考だ。
 確かに、社内で「デキる男」の評価を得られないよりは、得られたほうがいいに決まっている。
 しかし、多くは、望んでも、なかなかこの「デキる人」の評価は得られない。
 なぜなら「デキる」「デキない向き」「不向きでほぼ決まるからだ。
 極端なことを言えば、「仕事との相性」である。
 努力をすれば必ず報われるとは限らない。
「努力だって関係あるじゃないか!」
 そういう気持ちもわかる。会社に入れば、7割以上の人が、生活のほとんどを賭けて、努力をしようとする。誰もが腹を決め、努力をするのである。
 しかし、その仕事が好きか、嫌いか?」「向いているか、向いていないか?のほうがもっと重要になる。
 その仕事が好きで向いていれば、成果が出るし、疲れも感じない。しかも、他より抜きん出るので、自尊心が高まり、ますます仕事に「没頭」する。ミスをしても、それほど落ち込まない。前向きな教訓として吸収できる。
デキる人などというのは、この延長上に生まれる偶然の産物である。
 なぜそんなことがわかるか?
 それは、何度も転職している人を数多く観察してきたことに加え、私自身も何度も転職しているからである。
 伸びた人は、間違いなく「良い相性の仕事」と出会った人である。それは、もはや運であると言っても過言ではない。
「合わない」「つまらない」と感じる仕事で、血のにじむような努力をして成功した人を私は見たことがない。いたとしても、10人に1人もいない。
 そもそもよっぽど運がいい人を除いて、会社で能力を完全に発揮し、デキる人になれる人も、10人に1人というレベルだろう。
 多くの人は、会社では能力を発揮しきれない。「最高のパフォーマンス」は、期待できないのである。
 だからこそ、社外で自分が本当に輝ける活動をして、自らの命に最高のパフォーマンスをさせる機会をつくることに意義がある。それが、本当に自分を大切にするということだ。
 それには、社外のパラダイスを大きく広げればいい。
 社外のビジネス、あるいは、非営利の組織活動、趣味、恋愛、スポーツなど……。
 お金が「稼げる」「稼げない」は関係ない。
 自分が「デキる人」「皆を引っ張る人」になれる没頭分野を見つける。もう1つの世界、もう1つの「パラダイス」を社外に堂々とつくるのである。
 そこに身を委ねるだけで、天国にいるような気分になれる——。
 そういう場所をつくるのだ。
 この「現実逃避」とも思える作業を、積極的に行なってみてほしい。それこそが自分を活かし、人生を活かす、幸せへの最短距離となる。
 合わない仕事に無理やり自分を押し込み、その中での評価に一喜一憂するのはもうやめにしよう
 社外に目を向け、好きな世界、好きな分野、好きな舞台で、最も絶好調な自分をつくりあげる。今くすぶっている場所での評価ではなく、あなたが好きな場所での評価こそがあなたの本当の評価であることに気づこう。
 あなたのイマジネーションがすべてを決める。やるか、やらないかは、あなた次第なのだから。
 私のまわりには、「会社内での可能性」を見切って、社外で活動をしたり、その後転職や独立をした人が大勢いる。あるいは、会社に通いながら、社外の活動で大成功している人もいる。
 皆、最初に就職した会社では実力を発揮できなかった人たちばかりである。同時に、彼らは「自分が最も能力を発揮する場所」に貪
欲な人たちばかりである。「能力を出しきれない場所」が大嫌いな〝はぐれものたち〞ばかりだ。
 1回きりの人生。もっと自分が輝く人生を生きたい——。そう思えば、おのずと選択肢は決まるはずだ。

2 いびつな「会社の枠」に、
人生を押し込めている人が知らないこと

「会社の空気が、生理的に自分に合わない」
「会社のこのセンスがすごく嫌い」
「この会社のルールに、どうも納得いかない」
 そんなふうに感じたことはないか?
 憂鬱な会社にも2種類ある。
 1つは「まあ、なんとか納得できる会社」、もう1つは「どうしても納得することができない会社」である。
 あなたが所属する会社はどうだろうか? そして、あなたは会社に対してどのような感情を抱いているだろうか?
「会社のルールだから」と、100歩譲って従う。しかしその瞬間、尋常ではない違和感や耐え難い憂鬱感に襲われてしまう。
 たとえば、そのせいで体調を崩したり、あるいは「人間性を失う」ような場合もある。
 それでも、「会社の枠に自分を無理やり押し込めると、どうなるか?
 あなたの心は、確実に死に至る。
 あなたが感じるのは、「達成感」ではない。自分を律することができた「克己心」でもない。
 そこにあるのは、「羽をもがれたような敗北感」と「息も止まるほどの不快感」だけである。

 声を大にして言いたいことがある。
 それは、「世の中には、自分の人生のポリシーを失わなくてもできる仕事がある」という真実である。
 個性を思いっきり、出して出して出し切って、それでもまだ足りないくらい「個性の発揮」「センスの発揮」が望まれる。
 そんなあなたにぴったりの仕事が、この世のどこかに必ずある。
 あなたは、それにまだ出会っていないだけ。あるいは、あなたがそんなものはないと思い込んでいるだけだ。
 私も会社員時代、そんな仕事とは一生出会えないと思い込んだことがある。
 それは、あなたの「見ている世界が狭いからである。見たことがないものは信じられない。それが人間である。
 あなたは個性を思いっきり、出して、出して、出し切って、それでもまだ足りないくらいの「個性の発揮」「センスの発揮」が望まれる。そんな仕事を見たことがない。
 だから、信じられないのだ。
 これまで、あなたは、
「楽しい仕事など、この世には存在しない」
 と思い込んで、「服従」の人生を歩んできた。
 会社のいびつな「枠」に自分自身を全部押し込め、それこそ人生ごと押し込み、自殺行為を日々繰り返してきた。
 その悲劇を、もうそろそろ終わりにしようではないか。
 それが、私からの提案である。
 あなたは今、会社に自分を押し込めている。
 社会的役割を全うし、報酬を得て、キャリアを積み重ね、ニートになることを避けるために。
 会社外の世界を一切見なくなったせいで、もう外の世界を見るのが怖くなっている
 外の世界で通用しない自分、居場所がない自分。
 そういう自分と直面するのが、怖いからだ。
 会社内で虐げられ、限界点を指摘された「仮のセルフイメージ」のまま、会社外の世界も見ようとする。見ようとして震え上がり、再び会社内だけに目を向ける。
 なんとも恐ろしい現象だ。
 会社の洗脳とは、そういうものだ。そのままでは、あなたの人生は、確実に枯れ果てる。
 楽しいものは何なのか? それを感じる心すら蒸発してなくなる。今こそ、会社の洗脳を解かなければならない。
 社外を見よ! 小さな自分を思い知る恐怖に打ち勝て!
 あなたの会社など、街の風景の中に無数に存在するコンクリートの小さな箱の塊の1つにすぎない。それは、景色の中に埋もれ、どこにあるかすらわからない。
 あなたが身を捧げ、支配され、崇め奉るその聖なる箱。それは、しょせんその程度のものなのだ。あなたを失っても、一瞬小さく混乱するだろうが、またすぐに、何事もなかったように回り始める。あなたがそこにいたことすら忘れて。
 会社を辞めろと言っているのではない。
 会社を辞めずに、会社外で自分が本当に輝ける、自分の体で、ハラワタで息を吸っていると感じられる「遊び」「ボランティア」「サークル活動」「スポーツ仲間」「イベント」「勉強会」「ライフワーク」をまず見いだそうと言っているのだ。
 会社外のアナザーパラダイスにおける楽しい活動との出会い。
 その一見、ただの現実逃避に思えるあがきが、あなたの未来をガラリと変える一筋の光となる。心のエスケープゾーンになる。あなたが、ただのもの言わぬ憂鬱な仕事道具になることから救い出す。
 さあ、心を避難させるのだ。今ならまだ間に合う。
 あなたの母は、あなたをこの世に産み落としたときに、幸せを願ったはずだ。先祖だって同じ、激動の時代に必死に命をつないできた。
 彼らが「死に体」で生きるあなたを見たら、どう思うか?
 もっと必死に生きよう。もらった命を、自分のために、最善の形で完全燃焼させよう。自分のために必死に生きることが、両親や先祖、そして、まわりにいる人も幸せにするのだから。

3 「死ぬまでに、あと何回、楽しい夏を
迎えることができるか?」を数えてみる

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