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【商品販売】デジタル時代に効く、リピーター獲得の秘策

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
フォロワーを増やす。ファンを増やす。リピーターを増やす――。
 
これは、物販、サービス販売において、とても重要な課題です。マスで勝負しなくても、ある一定のファンやリピーターを確保すれば、十分にビジネスが成り立つのも、中小零細企業や個人事業者の強みでもあります。その際、大手のみならず中小零細も、リアルのみで勝負するのには限界があり、ネットを無視するわけにはいかないのは誰もが認めるところでしょう。
 
そんなデジタル時代のなか、同業他社との差別化を図るうえで、リピーター獲得のための秘策があります。
 
コロナ禍に関係なく着実に利益を出し続けている、超話題の人気商品本格ボロネーゼ専門メーカー「BIGOLI(ビゴリ)」のオーナーにして、事業創出・業務改革コンサルタントの石川潤治さんは、新刊『たった1つの商品で利益を上げる』の中で、自身が実施してきたリピーター獲得のための秘策を紹介しています。今回は、その該当箇所を一部編集して公開します。

 現在ではTwitterで2万人以上のフォロワーがいるBIGOLIですが、もちろん、最初からこれほどの数がいたわけではありません。
 第4章で「顧客リストをもとにメモを取り、お客様とコミュニケーションを取る」ということをお伝えしました。ここではそのコミュニケーションをもとに、フォロワーを増やしていく工夫の一部を紹介します。
 現在、BIGOLIでは、ボロネーゼをレトルトにしてAmazonと自社のサイトで販売していますが、基本的にこれらはすべてデジタル上で展開しています。購入が入った知らせが自分のパソコンに届いて、発送もクリック1つでできます。
 ただ、私はこのデジタルプロセスにBIGOLIらしい作り手の温もりを演出したいと考えました。
 そこでやり始めたのが、注文してくれたお客様に一筆箋をつける取り組みです。
 BIGOLIには「BIGOLI のママ」とみんなから呼ばれる女性スタッフがいます(第4章でお伝えしたBIGOLI のSNSの「中の人」も彼女です)。現在、通販を始めて約4年になりますが、最初の1年半はすべて品川の店から出荷をしていたため、発送品全部に彼女が手書きのひと言メッセージを添えていました。
 内容も少しずつアレンジして、例えば12月の注文だったら、「素敵なクリスマスをお過ごしください」や、リピートをしてもらったら「前回も注文をありがとうございます」的な、1対1の関係性を伝えられるメッセージをつけたのです(現在では発送する数も拠点も増えたので、この取り組みはギフトなどの一部の商品のみになっています)。
 すると何が起きたかと言うと、一筆箋の入った商品を受け取ったお客様が自分の名前の部分だけを隠してTwitterに画像をアップしてくれるようになったのです。このような投稿をきっかけに、着実にファンが増えていきました。
 デジタル化が進み、生産性アップや効率化が叫ばれる今の世の中ですが、そんな時代でも忘れてはいけないのは「人と人とのコミュニケーション」です。
「世の中と逆行している」と思われるかもしれませんが、私はそうは思いません。
 むしろ逆で、効率化の時代だからこそ人と人とのつながりが大事になると捉えています。むしろ「人と人がつながる時間を得るために、効率化をするのだ」とさえ考えています。
 効率化の目的は、利益を追求するだけではありません。あなた自身の時間に余裕を作ることになります。その浮いた時間を使ってよりお客様が満足することを考えたり、プレミアムリッチ商品に磨きをかけたり、人との触れ合いに時間を使ったり、ということに使える余力が生まれます。
 そうすることで、あなたの提供する商品・サービスにお客様がファンとなって根づき、応援してくれたり、拡散してくれたりする構図ができ上がります。
 人は何かしら心を動かされる出来事があると「相手のために何かをしたい」と思ってくれるものです。
 BIGOLIがまだ通販を行なっていなかった頃は、北海道や岡山などからわざわざ東京まで飛行機や新幹線で訪れ、しかもお土産や名産品を持って店に来てくれるファンもいました。
 こちらももちろんそれがうれしくなり、そのことを自社でツイートしたりします。すると、ファンの人たちはそれで満足感がさらに上がり、特別感のようなものを得られることになります。
 文字にすると作為的に映るかもしれませんが、第4章でも申し上げたようにSNSは接客ツール、あくまで人として素直な感謝の気持ちから自然と行なっている行為です。
 このようなアナログ的な「ありがとうの交換」をデジタル上でお客様と行なうことで、単なる商品取引を越えた根強い関係性を築くことができます。プレミアムリッチ商品は、お客様側も「自分こそがこの商品を探し当てた」という思い入れが強い商品のため、そこにちょっとした人肌コミュニケーションを加えると、さらにお客様の心を動かすことになるはずです。

【著者プロフィール】
石川潤治(いしかわ・じゅんじ)

株式会社ジェイ・イシカワ 代表取締役社長。事業創出・業務改革コンサルタント。
1970年大阪府大阪市生まれ。学生時代に30種のアルバイトを経験。当時より、起業の夢を抱く。大学時代から起業したり会社員になったりを繰り返し、1999年、PCCW JAPAN(香港・通信事業者)に入社。ブロードバンド事業の創出をする新規事業開発室長を務める。2001年、株式会社ジェイ・イシカワを創業。自身が持つ特許(2002-320045)リース・管理および、事業創出コンサルの道を歩み始める。2002年、ワーナー・ブラザース・ジャパン(米国・映画メジャー)入社。部門のDX化を軸に業務改革を推し進め、クリエイティブシニアマネージャーを務める。2011年、株式会社ワールド(国内・アパレル)入社。業務改革推進本部・物流統括部長を務める。2016年、長年に渡るコンサルティングで軸としてきた「一点突破による売れない時代の売れる戦略」を具現化すべく、ボロネーゼ専門店ブランド「ビゴリ」を立ち上げ。ボロネーゼという単一メニューだけのフランチャイズで30店舗もの加盟店を有し、各大手メディアでも取り上げられる。現在、「中途半端を捨て一点突破」「ファンダムに不況なし」などをモットーに、40社を超えるさまざまな業界のコンサルティングを行なう傍らで、個人の方々に独立や転職を有利に進める実践的手法の勉強会を定期的に開催。社業理念は「スピード、柔軟性、一点突破力を発揮し、小よく大を制す」。

いかがでしたか?
 
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