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【探究学習編⑧】探究学習での評価方法

みなさん、こんにちは。
一般社団法人Foraの藤村です。

探究学習について解説してきたシリーズも、今回で最後です。

今回は探究学習の評価について考えていきたいと思います。評価というと、成績だけの印象がありますが、まず評価には最後にまとめて行う総括的評価と、カリキュラムの途中で現状把握を行い、改善していくための形成的評価とがあります。また、生徒自身による自己評価、教員側による評価など、能力面や意欲面と突き詰めようとすると広く深くなるテーマですが、要点に絞ってまとめたいと思います。

最終的な評価と途中段階での評価

冒頭でも書いたように、総合的な探究学習の成果や生徒の到達度を最終的な評価にまとめる総括的評価と、その途中段階で行い、生徒の現状を把握したうえでその後のカリキュラムに活かしてく形成的評価とがあります。

総括的評価
教育目標に照らして、生徒の到達度を評価するものです。

ポイント
・教育目標をより具現化
・どの観点で、どれぐらいの到達度に達したかを組み合わせる
=>ルーブリック評価などが有効

こちらの場合は、評価観点と段階を明示し、各教員間に伝え、公平性が重視して行います。

形成的評価
1年間のカリキュラムの中で、生徒の探究の現状把握をして、進度や内容を改善するために行います。

ポイント
生徒がどこまでできていて、どのように詰まっているのかを把握するそのためチェックポイントなどを用意し、何割ぐらいの生徒が、どこまで進んでいて、どの程度をクリアしているのかなどを把握します。

探究学習では、特に、途中段階での形成的評価を通して、生徒の現状を把握しながら、カリキュラムの進度を検討していくことも大切です。カリキュラムはこなせば良いものではなく、生徒の学びを高めるためのものなので、理想的には一定の区切りができたタイミングや生徒との面談後、少なくとも学期の区切りごとに評価して活かしていくことが大切です。

教員による評価と生徒による評価

教育評価の主体は、特に成績を付ける総括的評価を行うのは教員です。その一方で、探究学習は主体的な活動であり、これからも続けてほしいのだとすると、生徒自身が自分自身を自己評価することもまた大切です。生徒自身が自分の活動を振り返り、総括的に評価するリフレクションの機会を設けることや、発表活動を通して周囲からのフィードバックを得る過程で、自分自身の探究を自己評価するための機会を設けることが重要です。

また、形成的評価については、教員側が生徒との面談後に、それぞれの生徒の現状を評価してそれを共有しておくと、教員間でのばらつきを減らせたり、全体で説明すべき内容などを考慮していくことが可能になり、全体としての質を高めていくことに繋がります。合わせて、生徒たち自身が自分の探究の現状を評価できるようになると、自分の課題を自分自身で発見していくことに繋げられますし、さらには、生徒同士で評価を行い合い、学び合いや高め合いにつなげていくこともできます。

上記のように、教員による評価と生徒による評価の双方を行っていくことが理想的ですが、その際にポイントになるのは、評価基準がちゃんと伝わっていることです。教員研修や授業の機会で、評価基準や到達目標が明確に伝えられれば伝わるほど、その効果を高めることに繋がると思います。

能力面の評価と意欲面の評価

評価の対象は2つに分けて検討すると良いと思います。生徒の能力やコンピテンシーを対象とした能力面と、生徒の関心意欲態度を評価する意欲面です。1つ目のコンピテンシー評価については、ルーブリック評価などを行いながら、生徒の現状を把握し、生徒に必要なスキルを補強したり、伝えたり、実践機会を与えながら、生徒のスキルを高めていくことに繋げていくことが大切です。

もう一つ大切なのは意欲面の評価で、探究学習の意欲は、確かに探究学習への取り組み姿勢もありつつ、それ以上に、将来の進路や社会への意欲、読書時間等の増加などに好影響が現れるのだと思います。ここの意欲面の評価を行い、探究学習以外の指標とも合わせながら、探究学習の評価を行うことで、生徒の意欲をどの程度引き出すことができたのかを考えることに繋げられると思います。

上記の意欲面については、成績評価に一部加えつつも、むしろ学校の教育活動の内部評価としてカリキュラム改善などに繋げていくことが望ましいと考えています。

いかがでしたでしょうか。教育評価は、段階的には最後段階で行うものではありますが、検討としては教育目標やカリキュラム設定とセットで行うものでもあります。そのため、カリキュラムの検討と合わせて、探究評価を進めていきながら、より良い探究学習の実施に繋げて頂ければと思います。

以上で、探究学習に関する一通りの連載は終了となります。連載期間中も、感想など頂きまして、ありがたく読ませて頂いてました。テーマこそ変わりますが、引き続きnoteでの投稿は続けていきますので、これからもよろしくお願い致します。


これまでの連載はこちら

連載「生徒の学び続ける意欲と能力を育む探究学習を実施するには」
①2020年から始まる探究学習って実際どんなことするの?
https://note.com/fora/n/nc1e5e07074dc

②探究学習を導入する社会的背景とは(前編)
https://note.com/fora/n/ndd48708a0416

③探究学習を導入する社会的背景とは(後編)
https://note.com/fora/n/nba304e533165

④探究学習の通して、生徒にどんな資質・能力・態度を育んでほしいのか
https://note.com/fora/n/ncfb9d58bc7b7

⑤数年を見越した探究学習のカリキュラムについて 
https://note.com/fora/n/nd0818961ca46

⑥探究学習の教材や核となるコンテンツ 

⑦探究学習での教員の関わり方 ←今回

⑧探究学習の評価方法

ここまでご覧くださり、ありがとうございました。
以下、学校関係者の方へ、Foraのご紹介です
▼Foraの探究学習の支援パッケージの紹介ページです
https://fora.or.jp/school/inquiry-based-learning/

▼Foraのキャリア教育も含めた学校向けの支援パッケージの紹介ページです
https://fora.or.jp/school/


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このnoteは「場づくりで主体性を育む」をコンセプトに、教育現場での活動経験をもとに「場づくりのためのヒント」をお伝えしたいと始まりました。普段は、高校生向けにキャリア教育や探究学習の指導、大学生向けにファシリテーション講座を開講しています。http://fora.or.jp/

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