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出来るだけ他者に伝わるように書く感想文(2024)

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見た作品(映画・本・ラジオetc...)をネタバレなしで紹介してます。
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記事一覧

「かがみの孤城」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉗

「かがみの孤城」(映画/2022)  辻村深月さんの本屋大賞を受賞した同名小説のアニメ映画。豪華な声優陣と、子どもにも分かりやすい伏線の張り方をしているので、家族で見ると、あるいは異なった年齢で見ると違った感想が出てくる作品だと思う。  子どもの生きづらさをとても上手く表現してくださったと思う。それはいじめに気付いた貰えないこともそうだし、解決策が提示されればされるほど嫌になるあの感情もそう。そういった意味では僕ぐらいの年齢はちょうどどちらにも感情移入しづらいのかななんて

「BLUE GIANT」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉖

「BLUE GIANT」(映画/2023)  同名漫画を原作としたアニメ映画。世界一のジャズプレイヤーになる夢を持つ田舎者の秀才かつ天才少年が、大都会東京で気持ちを伝える物語。タイトル「BLUE GIANT」とは、高温で燃えすぎるあまり青色に見える巨星のこと。オリオン座のベルトのひとつにこんな星があった気がする…  とてもいい映画。熱くなれるし、感情移入できる。応援したくなるプロットが完成されているようにも感じるので、ぜひとも見て欲しい。  個人的に原作漫画を読もう読も

「視線は人を殺すか 小説論11講」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉕

「視線は人を殺すか 小説論11講」(論説/2007)  廣野由美子さんによる、小説を「視線」から考える論説。人間の視線がどのようなものであるのか、ということを名作と呼ばれる小説を各辺の題材に取り、小説内で視線がどのような役割を果たしているのかということを詳説していく。  題材が諸外国の名作から日本の作品まで取り扱われており、私はすべての作品を読んだことは無かった。しかしすべての作品のあらすじや登場人物の関係性が概説た後に、視線についての説明が加えられていくため前提知識はこの

「ブラタモリ『鹿児島・指宿〜指宿のわっぜぇ火山は歴史を動かす!?〜』」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉕

「ブラタモリ『鹿児島・指宿〜指宿のわっぜぇ火山は歴史を動かす!?〜』」(2024/NHK)  好きな番組が終わっちゃったので少しだけ。。  僕はいいとも世代ではないので、タモリさんに対する印象は少し上の世代と比べると大きく異なっているのかなと思う。僕らはヒルナンデス世代なのだから  ブラタモリが良いなと思うのは、ちょうどいいぐらいに行きたいと思わせてくれるところ。  昔の東京の地下鉄の回や、立山黒部の回なんかが象徴的だと思う。  ネット記者がこの番組のプロットを詳細に語

「100分de名著-forユース-シュリーマン『古代への情熱』」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉔

「100分de名著 -forユース- 1シュリーマン『古代への情熱』」(NHK/2024)  100分de名著シリーズの3月放送回は、forユースと題し、新卒者や入学生を対象にした本を各週で紹介するシリーズ。トリッキーな話ではなく、やる気や希望をテーマにした本を紹介していく流れになりそう。加えて、従来の放送は伊集院光さんとアナウンサーさんが聞き手、ある先生がその月の説明役となり番組は進行しているが、このシリーズでは加藤シゲアキさんが聞き手として担当し、先生役も毎週かわるイレ

「インシデンツ」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉓

「インシデンツ」(DMM TV/2022)  僕も良く聴かせてもらう、ANN0水曜日を担当されている佐久間宜行さんが企画総合プロデュース、バナナマンゴールドにも作家として加わるオークラさんが構成・脚本を担われたDMM TVのオリジナルコンテンツ。「地上波では放送できない過激なネタ満載のコント番組」をウリにするように、テレビ東京を退社された佐久間さんのやりたいことを詰めた作品で、いろんな方向にいろんな角度から責めた内容。  今回もネタバレはなしで。。  コロナ期間のエンタ

「魔改造の夜:第10回『キックスケーター25m綱渡り』」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉒

「魔改造の夜:第10回『キックスケーター25m綱渡り』」(NHK/2024)  NHK放送のちょっとイカれた番組シリーズの第10回は、25メートルの綱をキックスクーターで渡り切り、そのタイムで勝負をする。  今回の出場チームも第9回と同じ巨大電機メーカー・Pナソニック、金属加工プロ・下町工場のOスズ、そして理系トップレベルの精鋭T工大。前回と同じチームが出て、同じ日にロケしているということは、同時にプロジェクトを並行しているのかと思うと末恐ろしいスケジュールだと感じた。結果

「映像の世紀 バタフライエフェクト『マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪』」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文㉑

「映像の世紀 バタフライエフェクト マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪」(NHK/2024)  このNHK制作の「映像の世紀 バタフライエフェクト」シリーズを、僕は予てよりかなり面白いと思っている。映像の世紀は90年代にNHKスペシャルで放送されたシリーズで、本シリーズはそれの後継となる番組だそう。  常々私が思っている、NHKが日本最強の映像会社であるということをまざまざと見せつける内容。これまでの歴史的映像を有し、各国の公共放送とも協力できる信頼関係はなにもの

「あと1センチの恋」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑳

「あと1センチの恋(原題:Love, Rosie)」(映画/2014)  6歳からの幼馴染が、学生生活から社会人へと紆余曲折を経ながら成長する物語。何でも話せる幼馴染。初めてのデートも、キスも、セックスも、全て知っているbest friend。その関係性を失いたくない、違う関係に成りたくない、だから言葉にも行動にも出来ない。隣にいるって一番遠い。。  泣くことは出来なかったけど、ちょっと見るのにはいい恋愛。違う性別の幼馴染がいない人も、痛いほど気持ちが分かるはず。  最近

「キングスマン ゴールデンサークル」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑭

「キングスマン ゴールデンサークル」(映画/2018)  キングスマンシリーズの第2弾。ガラハッドのコードネームをハリーから受け継いだエグジーは、前作で救ったスウェーデン王の娘と共にハリーの家で暮らす。そんなおりキングスマンになり損ねたチャーリーがエグジーを襲う。現在チャーリーは世界最大の麻薬密売組織ゴールデン・サークルの一員であった。エグジーとマーリンは2人でゴールデン・サークルの解体に挑むが、それに協力したアメリカの組織には彼がいた。。  面白いですね。ほんとに。。

「スパイダーマン:スパイダーバース」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑮

「スパイダーマン:スパイダーバース」(映画/2018)  スパイダーマンシリーズの後継となる作品なのかな?あんまりアメコミに親しみがない僕でも面白いと思える作品だし、規模感が僕の知っている作品とは異なっていることも驚きを含め鑑賞できた。フォーブス誌に言わせると、スパイダーマン史上最高傑作。  ブルックリンに住む13歳のマイルス=モラレス。地元の中学ではなく優等生が集まる私立中学に進むが、その雰囲気に嫌悪感を抱く。そんな彼にとって、学校を抜け出し叔父のアーロンと落書きをする

「Silent Love」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑯

「Silent Love」(映画/2024)  友人の紹介で今年初の映画観で見た邦画となった本作品。期待の閾値を下げに下げた状態で鑑賞することとになったため、ただしい評価を出来ているとは言い難い状態なのが悔やまれるところ。  目の見えない状態の音大生と、声が出せない状態にある清掃員。育ちが違い、交わることの無かった二人関係は、手の平へのシグナルを通じて強まっていく。  オリジナル原作による映画だと聞いた。それにしては浅いなと思った。テーマが格差なのか、共生なのか僕自身が見

「ミュウツーの逆襲」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑰

「ミュウツーの逆襲」(映画/1998)  ポケモン映画好きに言わせれば、本作が史上最高だとされる。  人間により、最強のポケモン「ミュウ」と人間の叡智を合体させ、万能神として造られたミュウツーは、自分自身の存在について考え、その結果人間に対し牙を剝く。そのためポケモンマスターを孤島に招待し、ミュウツーはポケモンマスターの持つポケモンのコピーを作り、コピーとオリジナルの無残な戦いを繰り広げさせる。そこに現れたミュウツーのオリジナルのミュウとミュウツーの間でも激しいバトルが繰り広

「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑱

「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」(イベント/18.Feb.2024)  オードリーが行ったラジオイベント。さっき見たネット記事では、会場が5万3千人、映画館等でのライブビューイングが約5万人、配信視聴が約5万人だったそう。前回は2019年に武道館で行われた約5年前の10周年記念ツアーライブ。今回は東京ドームを会場に、約3時間半のライブを行った。  ネタバレ禁止みたいな告知がされていなかった。だからここで好き勝手に記述しても問題はないとは思う。だけど「聴か