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「スパイダーマン:スパイダーバース」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑮

「スパイダーマン:スパイダーバース」(映画/2018)

 スパイダーマンシリーズの後継となる作品なのかな?あんまりアメコミに親しみがない僕でも面白いと思える作品だし、規模感が僕の知っている作品とは異なっていることも驚きを含め鑑賞できた。フォーブス誌に言わせると、スパイダーマン史上最高傑作。

 ブルックリンに住む13歳のマイルス=モラレス。地元の中学ではなく優等生が集まる私立中学に進むが、その雰囲気に嫌悪感を抱く。そんな彼にとって、学校を抜け出し叔父のアーロンと落書きをする時間が彼にとっては幸せだった。その落書き中、モラレスは蜘蛛に噛まれる。その後スパイダーマンとして知られているピーター=パーカーが、異次元空間の装置を破壊するミッション中に死んだ。モラレスはピーターに代わり、異空間から来たスパイダーマン達と共に、そのタスクをスパイダーマンとして行っていく。

 映像が異次元に綺麗。そして何よりスパイダーマンが「コミックス」であることを度々思い出させてくれる。ニューヨークというものを前面に感じることが出来るし、アメリカに対する憧憬を感じざるを得ない作品だと思う。
 ストーリー展開自体は子どもでもみられる様に丁寧に説明がなされるし、勧善懲悪モノだから主人公に感情移入もしやすい。他のスパイダーマン作品を知っていればもっと楽しめるのかもしれないが、この作品だけでも十分楽しく鑑賞できると思う。
 SONY制作なもんで、SONY製品と日本人キャラクターが出てくるところも僕にとっては見やすいポイントのひとつなのかもしれない。

 社会的意義なんかはたぶんほとんどなくて、ミッキーマウスに変わるアメリカの象徴としてもてはやされるんだろうなと思う。もちろん、性差や人種にとらわれないヒーローを現代社会に求めるべきだという視点は重要であるとは思う。多様な世界の人々を現代社会に受け入れようというメタなのも理解できるし、表現されていたと思う。ただ斬新ではないと思ってしまう。
 「親愛なる隣人」(英語だと、『Your Friendly Neighborhood』らしい)が、アメリのヒーローとして確固たる地位を築いていることが分かった。

 電話というものは不思議。
 現代ではデバイスを用いれば、顔と顔を表示させあいながら会話することが出来るため、距離に関わらず疑似的に対面の状況を作り出すことも出来る。
 しかし電話の方が、聴覚しか用いないデバイスの方が、相対する人と向き合ってるかのような感覚を得てしまう。




 友人が右手にデバイスを持ち、右耳を傾げ僕と話をするのなら、僕は左に向かって話しかけたいと思う。


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