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改善を成功に導くカギ その壱の一

 昨日まで『改善が失敗する理由』として、5記事をアップさせていただきました。

 改善が失敗する理由 その壱

 改善が失敗する理由 その弐

 改善が失敗する理由 その参

 改善が失敗する理由 その肆

 改善が失敗する理由 その伍

 今日からは、その各記事に書かれた『失敗する理由』を避けて、改善を成功に導くカギをお伝えしたいと思います。

 本日は『改善が失敗する理由 その壱』のつまみ食い改善を防ぎ、成功に導くカギをご紹介しようと思います。


どうして『つまみ食い改善』をやってしまうのか?

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 『つまみ食い改善』の解決方法をご紹介する前に、まずは「なぜつまみ食い改善が起こるのか?」を考えたいと思います。

 なぜなら『つまみ食い改善』が起こるのは、必ず理由があるはずです。

 TOCでは【結果】には必ず【原因】がある。

 という自然科学の考え、因果関係を大切にします。

 万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンは、リンゴが落ちるという【結果】から、地球には引力があるという【原因】を発見しました。

 それと同じように、つまみ食い改善が起こるという【結果】には、その【原因】となるものが必ずあるはずです。

 それをまず見つけることから始めて行きたいと思います。


みんな納得(対立解消術) クラウド

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 『つまみ食い改善』をしてしまう原因を探る前に、「そんなの手を抜いているだけだ!」とか「ちゃんとやらないのが悪い」と言って、相手を批判・非難するのは簡単です。

 でもそれだと何の解決も導けないのではないでしょうか?

 100%ではなくても、皆が納得できる解決策を見つけ出す必要があるのではないでしょうか?

 こうした時、TOCでは【クラウド】というツールを使います。

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 各箱の中には書き入れる要素を記入してあります。

 クラウドのちょっとややこしいところは、Aから順番に書き入れるのではないという点です。

 ここでは、正しいクラウドの書き方をご紹介します。

 1.DとD'の対立する行動を書く
 2.Aの共通目標を書く
 3.Bの相手側の要望を書く
 4.Cの自分側の要望を書く

 この順序ではこの中を埋めていくのが、正しいクラウドの書き方です。

 では実際に『つまみ食い改善』を例に書いてみましょう。

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 まず順番1.として、箱Dに「『つまみ食い改善』をやってしまう」を、箱D'に「『つまみ食い改善』をしない」を書き入れました。

 次に順番2.として、箱Aに共通目標を書き入れます。

 この時、よくある対立の構図として「今をとるか」それとも「将来をとるか」というものが多いです。

 そこで以下の図のように「現在から将来にわたって○○を続ける」と、皆が納得できるように書きます。

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 今回は「現在から将来にわたって、改善活動を通じて事業に貢献し、利益を出し続ける」という共通目標を書き入れました。

 この共通目標を見つけるのは、同じ組織内にいれば、さほど難しいことではないと思います。

 次に箱Bに、相手側の前提を書き入れるのですが、この時はこちらの想像ではなく、必ず相手の意見を聞くことが大事です。

 相手は必ずそうしている理由(原因)があります。

 今回の例で言えば、つまみ食い改善をしている理由(原因)があるはずです。

 それを相手側と一緒に探してください。

 今回は、過去の事例からその原因を書き入れました。(下の画像)

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 相手側の前提として、「早く結果を出したいので、まずできるところから始める」というやり方をとっていたという原因が分かったのです。

 次は箱Cにこちら側の前提を書き入れます。

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 つまみ食い改善をしない側の要望として、

 確実に成果を出し続けたいので、取り組みの順番を守る。

 を書き入れました。

 ここまででクラウドの第一段階が完了したことになります。


クラウドの中に隠れている対立と両立

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 ここまで完成したクラウドですが、もう一度見ていただきたいと思います。

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 DとD'が対立しているのと同じように、BとD'、CとDが対立しているのもおわかりいただけると思います。

 でもこれでは、ただ単に対立している構図を書き表しただけで、何の解決も見いだせません。

 でも、本当にすべてが対立しているのでしょうか?

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 赤の点線で囲った中は確かに対立しています。

 ですが、緑の点線で囲った中は、成果を出したいという要望で一致しているのです。

 それが、早く成果を出したいか、確実に成果を出し続けたいかの違いなだけなのです。

 その視点で見ると、DとD'はやり方(方法論)の違いでしかないことが見えてきます。

 つまり対立しているのは方法論のみで、その前の段階である要望では、両者は現れ方は違うものの、同じ要望(成果を出したい)を求めていることが分かります。

 だとしたら、以下のような方法論を探ることはできないでしょうか?

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 BとCの両方の要望を両立させる方法を模索し、それを実行すれば、DとD'、BとD'、CとDの対立は解消し、全く違う方向へと事態を導くことができるのです。

 BとCの両方の要望をかなえる方法論を模索することは、決して簡単なことではないでしょう。

 でもその道を試行錯誤する方向にさえ進めば、現在問題になっている『つまみ食い改善』にストップをかけることができます。

 そして、もう一度目標である『現在から将来にわたって、改善活動を通じて事業に貢献し、利益を出し続ける』に向けての行動を開始できるのです。


 次は、今見つかった互いの要望を適える方法を探るやり方になりますが、少々長くなりましたので、本日はここまでにさせていただきます。

 明日以降に『改善を成功に導くカギ その壱の二』を発信させていただき、その中で次なる方法論の見つけ方をお伝えする予定です。

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