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改善が失敗する理由 その壱
世の中には様々な業務改善の手法があります。
ただ、そのどれもが『絶対に成功する』とは言えません。
一番基礎の改善手法ともいえる5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)ですら、成功している企業の方が少ないのです。
世の中には、こうした業務改善のテキスト本やノウハウ本が溢れていますし、私のようにインターネット上で発信している人もいます。
なのに成功例は少ないままです。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
つまみ食いするから上手く行かない
改善インストラクターとしてとある企業様を訪問した時のことです。
色々とお話を伺う中で「【5S】に取り組んだけれど上手く行かなかった」という話になりました。
そこで取り組んだ内容をうかがうと、上手く行かなかった理由がすぐに分かりました。
端的に言えば、取り組む時に守るべき順序を守らず、ある意味『つまみ食い』のような取り組みをされていたのです。
そこで「【5S】には取り組む順序があるんです。その通りにやらないとほぼ失敗しますね」と説明させていただきました。
すると、その席におられた工場長さんをはじめとする方たちが驚いておられました。
そして「取り組みに順序があるなんて知らなかった」「やり方が間違っていたのか」という意見が出てきました。
実際にこのような『つまみ食い型の取り組み』をされているところがほとんどで、だから成功しないと言えるのです。
考える機会を奪ってしまった
ここから先は蛇足なのですが・・・
今思うと、この時私は失敗していたのです。
「5Sには取り組む順序があるんです。その通りにやらないとほぼ失敗しますね」
と言ってしまいましたが、これって答えを先に言ってしまっているんですよね。
つまり、相手の方の「考える機会」を奪ってしまっているわけです。
これは改善インストラクターとしてはしてはいけない行為だったと、今は分かるのですが、その時は止まりませんでした。
その時の自分の未熟を、本当に反省しています。
一度振り返ってみてください
今までにやった改善の取り組みの中で、上手く行かなかったものを振り返ってみてください。
十中八九『つまみ食い型の改善』を行っているはずです。
事前の学習が足りなかったり、現場に丸投げしていたり、アフターフォローができていなかったりと、挙げればキリがない『つまみ食い』が出てくると思います。
改善を行う時、つまみ食いは絶対にダメですので、注意してください。
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