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【価値の再構築】を避け続けるものたちへ。

この記事は当店のオンラインショップでお菓子を召し上がっていただいている方用に当店の今後を書いてみたものです。
当店のことを知らなかった方でも【一料理人が見る円安と物価高】に対しての見方を見ることができると思いますのでここに書いてみたいと思います。


以前僕は【物価高騰と価値】について書きました。


今回は飲食店や料理人が提供する価値についてこんな時だからこそ深く考えてみたいと思います。

申し訳なさそうに謝って【価格だけ】に変化をさせる社会

昨今の物価高騰。
消費者としても提供者としても【物の値上がり】は気になるテーマの1つですし、どちらの視点に立っても値上がりは仕方ないことなんだと捉えています。

でも僕が一番気に食わないのは【値段にだけ意識を割く社会性】です。

お菓子ひとつとっても値段が上がって量が減りました。
【価格が上がる】、これは仕方ないと思いますが、それ以外は何も変わっていないことに驚きます。

例えばポテトチップス。
値段も上がりました。ブランドによっては内容量も減っていますが、消費者に提示されるのはいつも【値段だけ】

もし値上げと同時に袋の中に【今日に運勢やラッキーアイテム】が書いてあったらどうでしょうか?

値段に変化があることだけを私たちは意識してしまいますが、それ以上に【今までのスタイルから変わること】があったら、新しい生活様式や楽しみが生まれます。

ポテトチップスにおいては袋の内側に単純な印刷をすることで面白さが倍増すると思います。

私たちはいつも平日に【価値】を考えます。

私たちができることはなんだろう。
私たちが提供できる価値は他に何があるだろう。

そうやって企業は【商品の価値】を追求し、私たちはそこに価値を感じお金を払います。

しかし有事(ここで言う物価上昇)の時は逆で、企業や個人店は急にアイディアが出てこなくなり、利益確保に勤しみます。

何も利益確保が悪いと思っているわけではありませんが、きっと消費者の感じている値上げへの不満は【お金を多く払っている】ことではないのだと思います。

値上げに対しての【本当の不満】

率直に言います。
私たちが【値上げ】に対して不満に感じているのは、
【値段が上がった】にではなく、【値段が上がっても何も新しいことが生まれない】にだと私は思っています。

つまり、今まで100円で100%満足していたお菓子に対して、30円の値上げがあったとします。
130円のお菓子を今まで通り買っても130%の満足にはなりません。

値上げとは今までの【当たり前の生活】を当たり前に続けることへのコストが上がる状況です。

100円のお菓子で100%の満足を変えていた人からすると、値上げ後の30円分はただ消えただけで何も生産していない。
せっかく30円多く払ったんだから【何かしらで30円分の楽しみを得たい】と私たちは思ってしまうのです。

でもこれは人間の単純なところで、一度イコールで結んでしまった関係性を簡単に分解することは難しく、【値上げ=その商品の"今までの"価値の上昇】と捉えてしまってそれが呪縛のように刻まれてしまっていることが1番の悪い点です。

先ほどの例で出しましたが、値上げしてもポテチの袋の中に今まで無かった占いが追加されていたら、それは【新しい価値の創出】になり

既存の【値段分の味や量】というイコール関係から目を逸らせるいいきっかけだと思います。

物価上昇時だからこそ、人は上に挙げたステレオタイプ的な【値段感】に目を光らせます。

実はその【意識自体】を別の全く違うものへのミスディレクション(視線誘導)させてあげれば消費者は納得します。
上に挙げた例で言えばたった30円なのですから。

なぜ今【おまかせ】なのか

僕はこれからオンラインショップで【おまかせ】をご紹介していく予定です。

今までは中に何が入っているかを知っていることでの価格に対しての安心感が一番いいと思っていました。
きっとその考え方は間違ってはいないけれど、物価上昇や円安が絡んできて物の値段が高くなってきた今だからこそ、そんな今までの行為は安心につながらないと思ってきました。
上にも書きましたが、私たちはお金を払った分のワクワクが欲しいのです。
それは身につけておしゃれを楽しむでも高価な食事を楽しむでもそうです。

お金の払った額が高ければ高いほどワクワクは増えるでしょうし、楽しいからこそお金を払います。

今世の中に必要なことは【そんなワクワク】です。

それを可能にするのは今まで多くの方々にいただいたレビューを土台の使った【おまかせ】なんだと思います。

・今までこうだったからあいつに任せてみようかな
・あいつならどんな面白いものを送ってくるのかな

と言った箱を開くドキドキ、どんなものが届くのかわからないワクワク
それらが新しい価値を作りますし、それを可能にするのが【今までの信用】です。

今までの皆様のご感想があったからできた内容です。
とても嬉しいので、僕は

有事の時こそ価値作りに舵を取ります。

有事の円買いみたいに【無難】なことをするのではなく、人が何を不満に思っているのかをよく考えてもの作りに向き合っていきます。

今回はそんなお話でした。

働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。