創業計画書作成の"前前前"
はじめに。これは知識ゼロおやじが独立するにあたって実際に困ったこと、改めて知ったことなどを赤裸々に書いている独立日記です。
独立の準備は【創業計画書作成】よりも前から沢山あった。
僕の【自分の店を出す】という長年の夢に対しての初めての一歩は、思っていたよりもずっとフライングしていました。
全くの無知から始めた僕は元々副業としてECサイトにてお菓子を販売していたのでそれなりに【焼き菓子のビジネスモデル】は持っていました。
多くの独立を心がける人が事業計画書を作る時点で考える売り上げの時間帯別、内容別割合を私は独立前から実績とともに一部持っていたことになります。
それから来る奢りなのか、それ以外はまず【お金を借りてから】の行動。
つまり独立を目指す時点で行う一番最初のことは【事業計画書を書いてお金を借りる】ということだと思っていました。
しかしながら日本政策金融公庫から事業計画書(創業計画書テンプレート)をダウンロードしてわかったことは
事業計画書の作成は独立を目指した瞬間から自店舗のオープンまでのラインの中でちょうど真ん中に位置していることがわかり、はっきりと頬を殴られたのです。
今回ここでご紹介するのは大きく分けて三つのカテゴリー(創業の動機)(ターゲットの選定)(どこでやるかの詳細)です。
詳しいことは僕もやりながらの判断ですので書けませんが、そこに至るまでの頭の中を書いていきます。
(創業の動機を考える)
シンプルです。
なぜ店をやりたいのか。
ここは僕も考えてはいました。
長いこと飲食業界で働いてきたから変えたい理不尽な労働環境や、家族を持った時から大きく変わる休日に対しての意識。
きっと人それぞれで【腕試し】の方も多いのではないかと思います。
でもそれは【僕はこうしたい!】という熱意のある良い発言のように見えて、結局は自分勝手なベクトルを持ったワガママとも言い換えれました。
というのも事業計画書を書くにあたっては僕がその事業をどう思っているかではなく、
融資してくれる人(日本政策金融公庫さん)がそれを見てどう思えるかが重要です。
フランス料理を長くやってきて多くの人にフランス料理を届けたい。
厳選食材で最高のアイスクリームを作る店を作りたい。
などは一見するとやる気に満ち溢れた素晴らしいプロジェクトに見えますが、審査する側からすると【あーまたこれね】と受け取られかねません。
創業動機には
【過去の実績や経験】を絡めて書くことで、やりたいことへの裏付けという奥行きを持たせて相手の気を引く
といういやらしさが必要だと思いました。
(ターゲットの選定と
それを支えるビジョン)
誰をターゲットにするかというのはビジネス上とても大切だと思います。
ですがそこよりも大切なのはそのターゲット層の好みをより詳しく把握しておくこと。
女性はこうゆうの好きだよね、といった漠然としたものではなく、
どんな時間帯に動くのか、どんな人柄に惹かれるのか、どういったタイミングで好きになるのか
などです。
またオープンを考えているエリアでは自分が行いたいジャンルを既にビジネスにしている人はいるのか、などの下調べも必要です。
多くの料理人が【自分の腕に自信を持ててきたから】という理由で独立を考えると思います。
それはある種の個展のようなもので、その次に本来考えなければいけないのが【どこで見せるか】だと思います。
料理人が自信から始める独立ですが、実際には外部環境(お客様や住んでいる人たち)など自分ではどうしようもない点も多いため一度冷静になって【技術とビジネス】を分けて考えないといけません。
またそれに沿ったビジョンを明確にしておかなければいけないと思います。
多くの人が独立を目指す際、最終的にはオーナーという形を取りたいと思うはずです。
難しいのかもしれませんが平たくいうと【最後は現場を離れ働きたくない】という思いです。
そのためにはビジョンに沿った仕組みが必要で、店舗が一つよりかは何店舗かの出店でそのビジョンや世界観を構築した方が実現しやすいです。
いずれにせよターゲットを絞るためにはビジョンが必要。
ビジョンを設定する為には将来どんなふうになりたいかの自分のイメージ像が必要です。
自分の作る料理を人に食べてもらいたという純粋な思いでは店は作れないと私は出鼻を挫かれました。
取引業者や場所の選定
本来は決定していなくてもいいものなのかもしれません。
この記事を書いている現段階では不確定ですが、ここではあくまで政策公庫さんの立場になって書いてみます。
取引業者については自身で市場に行って買い物をされたり近所のスーパーで用を終える人も多いかと思います。
この場合無理に取引業者を増やす必要はないのですが、創業計画書にこの欄がある理由は【信用】です。
どれだけの他企業があなたの店を信用しているかの判断が政策公庫さんの信用点数の一部になると考えられます。
取引者数が多ければ多いほど、周りから信用されているということになります。
また写真右側の資金調達では、どの程度真剣に考えているかを測られているように思います。
どのくらいの敷地面積でどのような内装を既に考えているのか、見積もりをとっているのかを事前に説明しておくと融資もおりやすいです。
信用されるために
結局のところこの紙は【お金を借りるため】の手段です。
信用が多い人にお金を貸した方が政策公庫としては利益にも繋がります。
あくまで一つの会社が見知らぬ個人に融資するかどうかの判断材料ですので内容は必要以上に濃く深く書いたほうが賢明です。
僕をはじめ多くの料理人は在職中に料理の技術を磨くと独立しやすいと勘違いしています。
厳密にいうと勘違いするのではなく、自ら面倒なことを考えたくないから技術にのめり込んでいっているようにも思えます。
独立は今までみたいに技術を上げれば解決するような単純なものではありません。
繋がりや【理解】がものを言います。
これを見て僕よりも早くから行動できる人が増えれば嬉しいです。
誰も詳しく書いてくれない独立で、これ以上もがく人が増えないことを祈ります。
働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。