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【読書日記】大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ 〜なんでもないようなことが本当の幸せ〜

結論。家族の苦悩から抜ける方法はありました。


どうもあなたのキャリアを失敗させないコンサルタントのタルイです。
週一でnote更新してます。


あなたは、他人なら我慢できるのに

「家族だから」という理由で

罵り、傷つけ、暴力をふるわれてしまったことありませんか?



また他人には見せないのに

「家族だから」という理由で

残酷さや支配欲や身勝手さをさらけ出してしまったことも...



今回読んだのは本では

この「家族だから」という

理不尽な理由によって苦しめられる「原因」を詳しく解説。


「家族を理解する方法」

そして

「家族ゆえの苦しみから抜ける方法」

この2本がテーマの書です。



著者はこちらの記事でも紹介した草薙龍瞬さんです。


本書に書かれている結論は以下の3つです。

▼まず苦しみの原因である自分の成り立ちを理解する

▼次に苦しみの原因を「理解」して「手放す」

▼最後に心をもう一度「作り直す」



では

これより詳しく感想を書いていきましょう!


◆ブッダは本当はどんな人?

と、本題の前に恒例のプロフィールチェックです。

画像はこちらからお借りしました。

著者である草薙龍瞬(クサナギリュウシュン)さんの

プロフィールは以前の記事で触れたので


今回はブッダこと

青年ゴータマ・シッダールタさん

について調べてみました。


●シャカ族という王家の一人息子に生まれる

●一族も父親も大喜びで「過保護」に育てる(贅を尽くした生活を過ごす)

しかし、ゴータマの良いところは

バカ息子にならなかったことです!


ゴータマ思う「オレ、ここで一体何をしているのだろう?」🤔


●16歳で見合い結婚して13年間宮廷ぐらし

ゴータマさらに憂鬱を深める😰


【転機】29歳で妻が妊娠、子供が生まれた直後に家族を捨てる...😱

しかもゴータマ

赤ん坊の名前をラーフラ(妨げ・邪魔の意味)

と命名してから家出してます(酷い😅)


ここまでを読むと

青年期のブッダは相当やばい人です。


しかし逆に考えると

ブッダは相当にやばい人だったからこそ

その後に修行と思索の果に

「苦しみを抜ける方法」を見出せたのかもしれません。


ブッダが悟った「苦しみを抜ける方法」とは

「人間が苦しむのは、心の性質・しくみを理解していないからだ。人は"求めて止まない心”によって苦しんでいる。だから正しい方法を実践して、その心を止めることができれば、苦しみから抜け出せる」

と、きわめて明快で合理的な方法を説きました。


ちなみに

ブッダ(悟りの人)になった後、

父親と妻と息子に会いに行き、和解してます。


ブッダはこの「苦しみから抜ける方法」

80歳でなくなるまで情熱的に伝え続けました。


かつて自分自身が誰よりも
苦しんだからかもしれません。

そして

今なお苦しんでいる人々への
慈悲の心があったのでしょう。


この本もブッダの「苦しみから抜ける方法」を用いて

いま家族のことで苦しみ、
格闘している人たちに向けて

書かれたものです。


▼ここで目次も紹介します。

序章 家族はもっとラクでいい
 親子であっても心は別モノ
 大丈夫、あのブッダも”家族”に悩んだ
第1章 “業の正体”を知る
 苦しみは“業”に始まる
 親の業を知れば、人生の謎が解ける
 “業の診断テスト”にチャレンジ
第2章 業はこうして“遺伝”する
 親の業は、こうして遺伝する
 子どもが「親とそっくり」になる本当の理由
 “業から自由になる準備”を始めよう
第3章 家族をいったん“休憩”する
 家族同士でムリしない
 家族の基本はニュートラル
 「離れていても平気」が基本
第4章 “罪悪感”を捨てる
 後ろめたさを卒業しよう
 4つのステップで罪悪感にさようなら
 刷り込まれた判断を抜く
 親不孝――それがどうした?
第5章 互いへの“執着”を手放してみる
 業から自由になるには執着を手放すこと
 親への妄想を捨てる
 親が自分の前を向く
第6章 “心の自由”を取り戻す
 傷んだ心は“作り直せる”
 “愛”の本当の意味を知る
最終章 業の果てに“希望”を見る
 業の果てに何があるか
 ひとりで生きることは怖くない
 業は超えられる

今回は全部解説はムリなので絞りましたが

すべての章が余すことなく面白いです。


特に第6章『“愛”の本当の意味を知る』

深い智慧(ちえ)を得られますが...


私がいまだにハードボイルド感を

引きずっているという理由だけでスルーします。



私が本書の重要なキーワードとして挙げたのは

「業」と「ニュートラル」です。

以上2点を順番に説明して

最後に本書の結論である

「家族の苦悩から抜ける方法」を解説します。



◆「親の業」と「子の業」〜業は遺伝する〜

まず「業(ごう)」とはなにか?

ひとことで言えば“心を駆り立てる力”で

「性格」「価値観」「過去へのこだわり」です。


ここではざっくりと「性格」とします。

そして

業というのは「現実の苦しみ」を作り出している

原因にも当たります。


つまり

「親の業」は現実を作っている「親の性格」のことで

「子の業」は現実を作っている「子供の性格」

いい言い換えることができます。

そして家族関係で最も大きな原因となるのが「親の業」です

なぜならば

「子の業」は「親の業」の影響を受けて育つからです。


例えば

家族で食事をしている時に

親が誰かの悪口を言うテレビタレントに文句を言う

こういった行動を子供は見て

真似して悪口を言うようになる。

これも業を受け継いでいることです。


そもそも

業というのは心が何かに反応した時に生まれます。


心が反応し、それが積み重なり

あなたの心に染み付いた時に

「業」は生まれます。


親の言葉というのは子供の心に残りやすいですし

一緒に暮らしていることで

何度も何度も同じことを言われることになります。


ではどうすれば「業」が生まれてしまう

苦しみから解放されるのでしょうか?


それにはあなたが

親の場合でも子供の場合でも

まず最初に考えなくてはならないのは

親の業を理解するということなんです。


●"親の業"のタイプは全部で7種類です。


本書には診断テストがありましたので引用いたします。

※あてはまるものを選んでください

※「どちらでもない」場合は「いいえ」です。

※いまも苦痛になっているものがあれば、
それは最大の業につながっている可能性ありです。


●TYPE1
□たくさん習い事をさせられた
□一方的に決められる(自分で選べない)ことがけっこうあった
□子どもを育てるための苦労話をよく聞かされた
□褒められた記憶が少ない・厳しく躾けられた・叱られた
□ 「親に~しろ」と求められることが多かった
●TYPE2
□悪いことをした覚えはないのに、よく叱られた
□親自身の人生への嘆き・不満・愚痴をよく聞かされた
□親が強かった・親の顔色をよくうかがっていた
□自己否定感(コンプレックス・挫折感など)の強い親だったと思う
□小さなことによく干渉・口出しされた
●TYPE3
□子どもがなにをするか、一方的に決めつけ・命令・指示されることが多かった
□失敗したり反抗したりすると、親は激しく怒った・動揺した
□近所の噂話や他の家庭の話をよく聞かされた
□「世間に笑われる」「このことは外には内緒だよ」とよくいわれた
□細かいことを気にする親だった(神経質・完璧主義・過干渉)
●TYPE4
□いつも見張られている・干渉・束縛されている気がした
□外の活動(外出・友人・進路等)に口を出されることが多かった
□私物(プライベートな持ち物)・部屋を探索されることがあった
□どちらかといえば、人を疑う・信用しないタイプの親だった
□いったことを忘れている・いうことが変わることが多かった
●TYPE5
□あまりかまってもらえなかった
□褒められた記憶が少ない
□勉強・友だちのことなどをあまり聞いてこなかった
□話をはぐらかされた・約束を守ってもらえないことが多かった
□親がどういう性格・人間だったか、いまでもよくわからない
●TYPE6
□「~しなさい」と一方的に命令されることが多かった
□他人の動向や学歴・性格などを話題にする(論評する)ことが多かった
□他人のことはネガティブ(否定的)にいうことが多かった
□ 家族が意見をいう・反対することを許さなかった(いうと激怒した)
□自分に落ち度があっても絶対認めなかった(開きなおる・逆ギレする・責任転嫁してくる)
●TYPE7
□言うこと・気分がころころ変わる親だった
□アルコール・ギャンブルなど嗜癖(しへき)に走る(ハマる・溺れる)ところがあった
□家事・子どものことは、放ったらかしだった
□感情に任せて怒鳴る・暴れる・罵倒することがあった
□親がなにを考えていたか・どんな人間だったか、いまもよくわからない


いかがでしたか?

チェックの多かったものが「親の業」です。


親の業は一種類とは限らず、

2つ3つさらにそれ以上を併せ持った

「業のハイブリッド・タイプ」もいるそうです。


各タイプの詳しい説明は本書にかかれていますが

ここではTYPEの名称だけ説明します。

●TYPE1. 『求めすぎ型』
期待・要求が過剰なタイプ

●TYPE2. 『怒り型』
なぜかいつも怒っているタイプ
●TYPE3. 『決めつけ・判断しすぎ型』
「すべき」「でなければならない」という規範・観念で他人をコントロールしたがるタイプ
●TYPE4. 『妄想型』
干渉・疑い・嫉妬・不信・溺愛など、頭のなかで相手を私物化しているタイプ
●TYPE5. 『関係希薄型』
愛情が乏しい・関わり方を知らない・関わることに興味がないタイプ
●TYPE6. 『傲慢・支配者型』
自分の要求は通って当たり前・自分が絶対正しいのだと思い込んでいるタイプ
●TYPE7. 『支離滅裂・身勝手型』
やりたい放題で、人の迷惑をまったく顧みないタイプ

いかがでしょうか?

著者いわく「親の業を知る」ことで人生は動き出すのです。


ひとつ注意点です。

これは「親を責める」ことが目的ではありません。

「自分の心のクセに気づいて繰り返さないようにする」

これが目的です。


なぜか「親とそっくり」な自分が見えてきて

悲しくなったかもしれません。


でも大丈夫です。

これは家族が抱えている悩みを

ここから解決するための「通過儀礼」だそうです。


著者のスタンスは

まず「正見」(ただしく理解する)です。

「正しい理解」の先には

必ずゴール(苦しみからの解放)が待っている」


相手を理解して初めて

あきらめなければいけないことはあきらめ

もう一度「関わりなおす」ことも可能になるのでした。



◆家族の基本は「ニュートラル」


家族の基本はニュートラルな状態でした。

「快」もなく「不快」もなく

互いに苦しめることのない穏やかな関係でよしとする


著者いわく

「こんな心の状態を保つことが、家族全員の最初のつとめ」

家族が悩みに襲われても
「この基本に帰ろう」と修正できます。


これが幸せの状態です。


それだけで十分なのに、

お互い求めすぎて、反応しすぎて

苦しんでしまうそうなのです。


それってつまり…

何でもないようなことが幸せ



一般的には快≒幸せと思いがちですが

快を求めようとすると

それもまた執着になり不幸になる。


ニュートラルな状態で幸せというのが

今回一番の勉強になりました。



著者によると

多くの人がやらかす

「家族の勘違い」というものがあります。


①家族だから口を出していいと思っている

②家族は一緒にいなければならないと思っている

③家族は仲の良い家族でいなければならないと思っている


これらはすべて勘違いでした。


についてはまずニュートラルな心に立って

むやみに口を出さず相手の心をよく見て、よく聞いて、よく確かめる。


についても

ほどほどに距離を置いてニュートラルな状態に立つ


についてもまずはニュートラルな心境に立てること

仲良くしなくちゃいけないという思い込みが

結果として家族の関係を苦しいものにしている可能性があります。



そうそう

それからニュートラルに関して

目からウロコが落ちることが書いてありました。


●悟りの境地とは「ニュートラルな状態」

人生の始まりはみんなニュートラルでした。

心とは①感覚⇒②感情⇒③判断(思考)の順で育っていきます。

ゆえに生まれたての赤ん坊には「業」は宿ってません。


①感覚

五感で外の世界をぼんやりと感じ取ってます。

②感情

おっぱいを飲んで満足(快)

おむつが濡れて気持ち悪い(不快) 

③判断

食べ方、トイレの仕方、何をすれば褒められ、叱られるか


つまり

心の最初の状態は「判断」ではなく

快/不快という「感情」でもなく

肉体の「感覚」でした。


そして

感覚だけの状態に一番近いのは

幼い子供がきょとんとしている姿だそうです。


心はとにかくいろいろなことに反応しがち

思い出したり、不安や心配などマイナスに想像したりとせわしなく動く。


そこでマインドフルネスなどで

「反応しない練習」が必要。


悟りの境地は人間だけでなく
すべての生き物の基本スタイル

身近な動物を観察してみると

彼らは獲物を追いかけるときや
敵と戦うでもない状態のときは

“きょとん”として佇んで(安らいで)ます。


このアメリカンショートヘアーは、いま悟りの境地です。


このモルモットは「アルジャーノン」ではありませんが、きっとなにか悟ってます。


この娘の名前はきっと「さとり」ちゃんです。


ゆえに

「悟りの境地」とは

感情」も「思考」もなく

「ニュートラルな感覚」だけに

留まることでした。



◆傷んだ心は感覚⇒感情⇒思考の順に作り直せる


ではここまでの流れを振り返りつつ

結論をまとめてみたいと思います。


▼まず【基礎編】4つのキーワードを理解しましょう。


▼次に【準備編】で業から自由になるステップは4つです。

●【ステップ1】親の業を理解する

前述しましたが

「親を責める」ことが目的ではありません。

「自分の心のクセに気づいて繰り返さないようにする」

これが目的です。

●【ステップ2】自分の心の癖を自覚する

親の業を理解する以外にも

誰かと会って話した時に何を考えたのか?

その時あなたの心はどう反応していたのか?

こういった反応を注意して観察していくと

自分にはどういった業があるのかということが

少しずつわかってきます。

●【ステップ3】記憶の影響に気づく

例えば母親が嫌いな人は、過去に沢山の嫌な記憶がありますが

そのせいで母親の声を聞くだけでも

記憶に対して心が反応してしまっているだけであり

怒りの業を作ってしまう原因になっています

「記憶」と「現実の相手」は別物である

と認識し記憶をリセットしてゼロから向き合ってみましょう

●【ステップ4】新しい心の使い方を学習する

自分の業とは正反対の善き、美しき、心穏やかになるような

心の使い方を意識して実践することです。


▼最後は実践編です。ニュートラルに戻る3つのレッスンです。

●【レッスン①】とにかく独りの時間を作る

1日15分でもいいから「独りになる」と意識して

時間と場所を作る


●【レッスン②】感覚を意識する時間を作る

独りの時間、スポーツや趣味で身体を動かすときに

意識して身体の感覚を感じるようにする


●【レッスン③】寝る前にサティする(気づきの時間を作る)

しばらく目を閉じて、自分の内側に見える暗がりをじっと見つめ

その状態で浮かんでくる言葉や映像は全部「これは妄想」であると気づく

そして呼吸の感覚やお腹のふくらみ・ちぢみ、

布団にふれている身体の感覚に意識を向ける


この状態に留まることで心が浄化される。

まさに「悟りの時間」ですね。



◆タルイ感想〜観念(思い込み)が正しく理解できない理由だった〜


私は本書を読むまでなんとなく

▼理想の家族の姿をこのようなものだと思い描いてました。


これは観念という「固定概念」に縛られていたのです。


家族で様々な困難や葛藤を

一致団結し乗り越えて懸命に生きる

だから家族の絆は大事にしなくてはならないとか

最後に頼れるのはやっぱり家族だとか


もちろん

そうなることができれば素晴らしいが

理想と現実は違います。

仲睦まじく生活している家族がある一方で

こういった観念と現実のギャップに

苦しんでいる家族もいるんです。



家族はこうあるべきであるとか

親はこうあるべきであるか

子供にはこうあってほしいという

思い込みに縛られることが

逆に悩みを増やしてしまっていました。


「どうして親は私の気持ちをわかってくれないんだろう」

と思うこともありますし

「どうして娘は私の気持ちをわかってくれないんだろう」

と思うこともありますよね。


しかし

相手も一人の人間なんです。


親だからあなたの気持ちが

分かるわけではありませんし

子供だから親の気持ちを汲むことが

できるわけでもありません。


家族は「反応し合うのが当たり前」という観念で

生活にどっぷり浸かっているから

互いに苦しめ合うのでした。


著者は本書に結びに

道に立つことが本当のはじまり

道に立つ時に希望が生まれると

説きます。


その関係に執着することが苦しさしか生まないのなら

その関係を手放すこと関係を断つことも

必要になってくるかもしれません。


あなた自身の決断は

きっとあなたの人生において最善の選択です。


「業」を理解する。「執着」を手放す。

そうして、心の自由を取り戻す。

著者はこれを明確な一本の道と説きました。


最後に著者からのメッセージを引用して

この記事を終わらせたいと思います。

あなたはもっと、幸せになっていい。幸せに近づける生き方を、自分の”道”として生きていきなさい。


ここまでお読み頂きありがとうございました。


この記事は

「いつも心のギアをニュートラルに」と

私に本書をまとめる機会をくれたchiyoさんに捧げます。




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