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【読書セラピー】 きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 | お金の奴隷にならないための授業| 総理の『政治』は誰のため!?

本書の結論は

お金は「誰かを思って」使うことで、
自分や社会にとって価値のあるものになる


どうも、読書セラピストのタルイです。


突然ですが

去る2023年11月2日に
政府は新たな経済対策として

「国民1人当たり4万円の定額減税」
を決めましたよね。

あなたは
この政府の減税案ってどう思いますか?




私が不思議でしょうがないのは

なんで

消費税の減税」ではなくて

所得税の減税」なんでしょうね?


どう考えても
使わないと効果が得られない
消費税を減税したほうが
経済効果があると思うのにです。

あなたもそう思いませんか?


今回はそんなモヤモヤした気持ちが
読むことで少しはラクになる本を
紹介したいと思います。


プロローグ 社会も愛も知らない子どもたち
第1章 お金の謎1:お金自体には価値がない
第2章 お金の謎2:お金で解決できる問題はない
第3章 お金の謎3:みんなでお金を貯めても意味がない
第4章 格差の謎:退治する悪党は存在しない
第5章 社会の謎:未来には贈与しかできない
最終章 最後の謎:ぼくたちはひとりじゃない
エピローグ 6年後に届いた愛

本書は
主人公の中学2年生の佐久間優斗

お金の正体と社会のしくみを

中学2年生の主人公・優斗

投資銀行勤務の七海

謎めいた大富豪・ボスから
学んでいく物語です。

優斗は学校の進路相談で
将来の仕事について

「年収の高い仕事がいいです」

と、うかつな発言をしたために
担任から長い説教をされた帰り道

近所で錬金術師が住んでいると
噂される大きな屋敷の前で


七海に偶然声をかけられたのが
きっかけで
一緒に屋敷に招かれます。


屋敷の中には小動物のような
初老の男性で

「お金の向こう側研究所」の
所長であるボスが待ち構えていて一言。

「僕が話すのは、お金自体の話や」

そういうと足元の紙袋から
一億の札束を取り出し
テーブルの上に積み上げました

ボス:「しょせん10キロの紙切れや」

「多くの人がお金のために働き、お金に感謝する。年収が高ければえらいと思い、貯金が多ければ幸せやと感じる。生活を支えるのはお金やと勘違いして、いつしかお金の奴隷に成り下がるんだ」


そして、
この建物の本当の価値がわかる人に
屋敷を譲ると言い、
お金の謎を3つ提示します。

─お金自体には価値がない。

─お金で解決できる問題はない。

─みんなでお金を貯めても意味がない。


凄い展開ですね。

私が主人公だったら怪し過ぎて
この館からダッシュで逃げます🤔


本書を読むことで

現代社会で生きる私たちに
必要不可欠な道具であるお金に縛られて

人生の選択がお金中心になってしまう人

に、お金という縛りから解放され
自分の意思にしたがって
道具として使えるようになります。


特に私は「税金」についての
仕組みや疑問がクリアになりました。

本書は特に政府関係者の方にも
読んでもらいたいです。


また本書はお金や
社会に関する知識だけでなく、
人生や愛に関する教訓も含んでいます。



以下はあらすじとネタバレを含みます。


◆お金の謎1:お金自体には価値がない

お金はあくまでも
物やサービスの交換手段です。

お金そのものに価値が
あるわけではないのです。

例えば、1万円札には、
紙とインクの価値しかありません。

しかし、
1万円札をお店に持っていけば
食べ物や飲み物、衣服など、

さまざまな物やサービスを
手に入れることができます。

つまり、
1万円札は物やサービスの価値を
表現する符号として価値を持つのです。




では、
お金が価値を持つのはどうしてか?


それは人々がお金と引き換えに
商品やサービスを提供したり
受け取ったりするという
約束信用があるからです。


つまり、
お金は人間の関係性や
社会のルールによって
価値が決まるものです。


ここでちょっと税金のことを
考えてみたいと思います。


税金の導入によって、
お金(貨幣)が必要になる

税金とは、
国家が国民や企業から
徴収するお金のことです。

税金は、
国家が発行したお金でしか
支払えないと定められています。

つまり国民や企業は、
税金を支払うために、
国家が発行したお金を
手に入れなければなりません。

このように、
税金の導入によって、
国家が発行したお金に対する
需要が生まれます。

お金に需要があるということは、
お金に価値があるということです。


お金に価値があるということは、
お金が貨幣として
機能するということです。

したがって、

税金の導入によって、
お金(貨幣)が必要になる


ということが言えます。

集めた税金を政府が使うことによって、お金が循環する

政府は、
私たちから集めた税金を使って
さまざまな公共サービスを提供します。

学校や病院を運営したり
道路や公園を整備したりします。


政府がお金を使うと、
それを受け取る人々や企業に
お金が行きます。

例えば、
教師や医者に給料が支払われ
学校や病院に必要なものが
購入されます。

これによって、
お金は社会の中を動きます。

お金を受け取った人々や企業は、
それを使って買い物をし、
投資を行います。

このお金の使い方によって、
お金は次々と人々や企業の間を
行き来して経済が活性化します。

税金を使うことで、
社会全体でお金が循環して
私たちの生活や経済が
支えられているのです。



お金の謎2:お金で解決できる問題はない

お金で解決できる問題は、
あくまでも表面的な問題だけです。

根本的な問題を解決するには、
お金以外の方法が必要なのです。


お金で高級な食事や服や車などを
買うことはできますが

それらはあくまで
一時的な快楽や
満足感を与えるものであり

人間の心の空虚さや
孤独さや不安などを
埋めることはできません。


貧困はお金で解決できる問題
のように思われます。

しかし、
貧困の根本的な原因は、
教育や医療、雇用などの問題です。

これらの問題を解決するには、
お金だけでなく

社会の仕組みや人々の意識を
変える必要があります。


また、
お金で医療や教育などの
サービスを受けることはできますが

それらはあくまで
人間の健康や知識や能力を
維持や向上させるための手段であり

人間の幸せや目的や価値観などを
決めることはできません。

さらに、
お金で政治や経済や社会などの
システムを変えることはできますが

それらはあくまで
人間の行動や関係性や文化などを
規定するためのルールであり

人間の思想や信念や感情などを
変えることはできません。

ということは…

問題を解決しているのは
お金自体ではなく
「お金を受け取る人々」です。



お金を受け取る人々は、
自分の知識や技能や努力を使って
問題に対処します。


お金の力は選ぶ力です。

お金を持っている人は、
問題を解決してくれる人を
選ぶことしかできません。


お金を持っていない人は、
問題を解決してくれる人を選べません。


お金は問題を解決する能力を
与えるものではなく

問題を解決する機会
与えるものなのです。


お金の謎3:みんなでお金を貯めても意味がない

みんなでお金を貯めることは
将来の備えにならない。

なぜならばお金は有限だからです。

みんなでお金を貯めてもその分だけ
他の誰かがお金を失うことに
なるのです。

例えば、
みんなで1万円ずつ貯金をして
10万円を貯めるとしましょう。

しかし、
その10万円は、
誰かが働いて稼いだお金です。

つまり、
みんなでお金を貯めるということは、
誰かが働いた分のお金を、
みんなで奪うということなのです。


お金は社会の中で流通すること
価値を持つものです。


個人がお金を貯める
と、
消費や投資が減って経済が停滞したり
物価が下落してデフレに陥ったりします。

企業がお金を貯めると、
賃金や配当が上がらずに
所得格差が拡大したり
イノベーションや競争力が
低下したりすることがあります。


国がお金を貯める
と、
国際収支のバランスが崩れて
通貨危機や貿易戦争などの
リスクが高まったり、

他国との協力や貢献が減って
国際社会から
孤立したりすることがあります。


お金の価値が下がる
経済が停滞する
格差が拡大する


まとめると
みんなでお金を貯めようとすると
問題が生じるのです。


このように、
みんなでお金を貯めても意味がない
ということを理解することで

お金は自分の利益だけではなく
社会の利益にもなるように
使うことができます。




格差の謎 退治する悪党は存在しない

格差は経済の自然な現象です。

格差を退治しようとすれば
経済が破綻してしまうのです。

例えば、政府が格差を減らすために、
高所得者への課税を強化するとしましょう。

しかし、それによって、
高所得者が働く意欲が低下し
経済が停滞してしまう可能性があります。

「社会の格差」は、
悪い人がわざと作ったものではなく、
社会の仕組みが自然に作ったものです。

本書の指摘によると
実は、格差は昔よりも
小さくなっています。

世界の極度の貧困層(1日1.9ドル以下で暮らす人々)の割合は、1990年には36%だったのが、2015年には10%に減少した。

世界の所得格差を表すジニ係数は、1980年には0.46だったのが、2015年には0.39に低下した。

格差が広がる原因の一つとして、
グローバル化による
国際競争が挙げられるが、

その一方で、
グローバル化は世界の貧困層の所得を
向上させる効果もあります。


でも、それを感じられないのは、
社会の仕組みが変わって
格差の見え方が変わったからです。

格差が広がると感じるのは、
自分と比べる対象
変わったからなんです。

昔は近所の人や同僚など、
身近な人と比べていたが、

今はSNSなどで
世界中の人と比べてしまう

格差は、社会の歪みによって生じます。


お金の謎5
「社会の謎」未来には贈与しかできない

こちらは次回ご紹介します。


未来のことは誰にもわからない。

未来のことは、
誰かに贈与するしかないのです。

例えば、
将来の年金や医療費のことは、
正直誰にもわかりません。


これらのことは、
将来の世代に、
贈与するしかないのです。

ボスは、
私たちは未来の世代に対して
何も要求することはできず、

ただ与えることしか
できないことを説明します。

また、
私たちは未来の世代に対して
責任や感謝や愛情を持ち、

自分勝手な要求ではなく
自分の意志に従って
与えるべきだと言います。


例えば、
教育や医療、環境保護などの分野に
お金や時間を贈与することで、

未来の社会を
よりよくすることができます。


お金の謎6
最後の謎 「僕たちはひとりじゃない」


人は、一人では生きられない。

誰かに支えられ、
誰かを支えながら、
生きていくのです。

病気や事故で働けなくなったとき、
誰かに助けてもらう必要があります。

また、子育てや介護をしていると、
誰かに助けてもらう必要があります。

ボスは、
私たちはひとりじゃないと言います。

なぜなら私たちは
過去や未来の世代や
他の人々や
生き物とつながっているからです。

私たちは自分や他者や社会に対して
尊敬や責任や愛を持つべきだ。

働くとはお金を稼ぐことではなく
誰かの役に立つことだ。

お金によって社会は広がったが
“私たち”と感じられる範囲は
せまくなった。

目的を共有すれば
“私たち”の範囲は広がる。

いちばん広げられるのは
未来を共有することだ。

そして、人を愛することだ。


つまり、
お金の奴隷にならない方法とは、

お金を使うことや
貯めることや
稼ぐことに、

自分や他者や社会への
気持ちを忘れないことです。


そうすると、
お金は、お金ではなく、
感謝や尊敬や愛などの贈与になります。

お金は贈与になると、
自分の生活や幸せを
作るものになります。


いかがでしたか?

ざっとあらすじは説明しましたが


肝心のストーリーは?
屋敷は誰の手に渡るのか?
三人のラストはどうなるのか?

本書にご興味が湧きましたら

ぜひ本書をお手に取ってください。


では最後に私の本書から感じたことを書きます。

◆[私の雑感] 総理の政治は誰のため?

「増税メガネ」を外す岸田総理


本書のなかにも登場しますが
中国の古典に経世済民
《けいせいさいみん》
という四字熟語があります。

世をおさめて民をすくう

という意味です。

または、
そうした政治を指す言葉です。

経済は経世済民の略語だそうです。


これはつまり
岸田総理が所信表明で
おっしゃっていたように

国民の苦しみを救うには
経済政策が一番重要ということです。


いま私たち国民はが苦しんでいるのは
コストプッシュインフレです。

コストプッシュインフレとは、
原材料費などの
生産コストの上昇が原因で
物価が上昇する現象です。

ここで冒頭の問いかけに戻ります。

消費税の減税とは、
消費者が商品やサービスを購入する際に
支払う税金の率を下げることです。

所得税減税とは、
個人が収入から支払う税金の率を下げることです。

コストプッシュインフレで苦しんでいる
国民にとっては、
消費税減税が望ましい政策であると言えます。

なぜならば、

物価を直接的に下げるので
インフレの影響を
緩和することができます。


消費者の負担を軽減することで、
消費活動を活発化できます。

その結果、

消費に結びつくことで需要を増やし
経済成長に寄与するからです。



一方で、
所得税減税は
間違った政策であると言えます。

なぜならば

高額所得者にしか
恩恵が及ばないことが多く

低所得者には
ほとんど効果がないからです。


所得減税分の一部は
貯蓄に回ることから、
消費に結びつかない可能性もあります。

消費者の購買意欲を高める効果が小さく、
GDP押上効果も限定的になるでしょう。


第一生命経済研究所の
永濱利廣さんは
内閣府の短期日本経済マクロ計量モデル
(2022年版)を用いて、

所得減税と消費減税の
それぞれ5兆円規模の政策シミュレーションを行いました。


その結果、
消費減税の方が1年目に2.3倍、
2年目に2.4倍も

GDP押上効果が
大きいことが分かりました。


コストプッシュインフレで
苦しんでいる日本国民にとっては、

消費者の負担を
直接的かつ効果的に軽減し、

経済活動を促進する消費税減税が
望ましい政策であるとも主張しています。


でもこんなことは
私が指摘しなくても

政府関係者の方は
本当はわかっていると思います。


おそらく岸田総理も
わかっているはずです…

本当はわかっているはずなのに
どうしてできないのか?

おそらく岸田総理は

財務省の
名前の呼んではいけないあの人

「増税メガネ」をかけされられて

魔法で操られているのです。


だから政府関係者の方々に
お願いがあります。


岸田総理から一刻もはやく
「増税メガネ」を外してください。

そして元のイケメン総理に
戻してください。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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