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「かわいい女の子が好き」の正体を探る――萌えか推しか、ロリコンかノーマルか、ジェンダーか本能か

こんばんは、飛び亀です。

今回は、まるで深い事柄を語るかのような記事名をつけましたが、なんのことはない飛び亀自身の「好き」のルーツを探るお話です。9割自分語りです。

ということで、私の性癖の話から始まり、いろいろと「生理的に受け付けない」、早い話が「キモい」文面を展開する可能性があります。もちろん18禁な話題を直接的には出しませんし、なにか差別的なことを言うつもりもありません。が、何らかの形で(いつも以上に)不快感を与える文章である可能性があります。その点、ご承知おきください。

ただ、その末に「かわいい女の子が好き」って実はそんな単純じゃない、ってことが分かってきました。そうした気付きは最終盤に記述してありますので、まとめだけ読みたい方は目次をご活用ください。

※トップ画像は十数年前の鷲宮の写真です。記事とはあまり関係ないです。


「僕はかわいい女の子が好きです」

私、飛び亀は「かわいい女の子」が好きです。
……あ、ちなみに、お前実は女だったのか!みたいな叙述トリックはないです。私は男です。(生物学的にも性自認も)

「そりゃ男ならそうでしょ」
と旧来のジェンダー的には言われてしまいがちなところですが、正直に申し上げますと、私のこの好みは実在の女性にも当てはまりますし、二次元の女の子にも当てはまります。

ここまで言うと(あるいは、ここまでバレると)、少なくともひと昔前は「ああ、オタクくんなんだね」という話になります。

ちなみに実在の女性について「かわいい女の子が好き」と言うのは、ひと昔前なら「当たり前やんけ」となりました。しかし現代は「あーあルッキズムだ」となりますね。私の言う「かわいい」が見た目のことなのか、言動や性格のことなのかといえば、まあうん……。もちろんルックスが一番大事というつもりはなくて、やっぱり「中身を伴ったかわいさ」ってありますよね。とはいえ、それでも私は十二分に外見に惑わされる生き物である、という自覚があります。

何しろ、二次元オタクというものとルッキズムの繋がりは残念ながら強いですよね。だから「飛び亀は二次元のかわいい女の子が好き」なんてことがバレるたびに、「飛び亀は二次元オタクのルッキズム野郎」だと思われていくわけです。何より、自分でもそうだと自認していました

さらに、私の言う「かわいい女の子」の具体的な例(つまり「好きなキャラ」)までバレた場合、たいていの場合は「二次元オタクのルッキズム野郎」を超えて、さらに蔑まれることになります。つまり……

「魔法陣グルグル」(衛藤ヒロユキ)のククリちゃんだったり…
「東方Project」のサニーミルクちゃんだったり
(画像は公認二次創作アプリ「東方LostWord」より)
「よつばと!」(あずまきよひこ)のこの子たちだったり

もう枚挙にいとまがないので、早めにやめておきますね。
とにかく私の好きなキャラが知られたときに何を言われるか(どう思われるか)というと……
「ああ、君はロリコンなんだね!」
となります。こいつは二次元オタクの中でも、あの悪名高いロリコンなのだ、となるのです。

実際のところ、飛び亀の好む「かわいい女の子」とはつまり、「ちっちゃくてかわいい子」のことです。うーん、こうやって言語化しちゃうと未だに受け入れがたいものもあるのですが、ほぼほぼ厳然たる事実です。もっと言えば、「ちっちゃくて丸い女の子」がかわいいです。

さて、ここまで来て皆さん、飛び亀の趣味をどう思います?
「いやほんと、飛び亀はロリコンだ」と同意される方もいるでしょうが、「そんなことはなくね? そうとは限らなくね?」と思ってくれる方もいるのではないでしょうか。いないって?
いやいや。というのも、近年のオタク界隈の一般化・多様化に伴って、ちょっとこの辺の感覚も変わってきたなと感じることが最近多いんです。

が、ひとまず最近のオタク界隈のことは置いておいて、先に「以前の私」の話をさせてください。


「僕はロリコンの二次元オタクです」

私自身、自分の好みが「ロリコンの二次元オタク」だということについて、時間をかけながら自認していきました。

小学生の頃

きっかけは小学校4,5年生くらいの頃に遡ります。
幼心にクラスメートへの恋心なども芽生え始めた一方、アニメ漫画等の女の子キャラクターが気になるということが出てきました。夢のクレヨン王国のシルバー王女に始まり、スーパードール・リカちゃん、デジモンのヒカリちゃん、ポケスペのイエローもめっちゃ好きでした。おジャ魔女どれみもハマるキャラこそいなかったですが、たまに見ていました。

一方この時期は男の子が男の子らしくあろうとする、ジェンダーをまとっていく波が突如大きくなる時期です。おジャ魔女見た?という会話など誰ともできず、デジモンの話をしても「ヒカリちゃんかわいいよね?w」などは言い出せませんでした。まあそのへん性格的に奥手なのもありますが、一方でクラスメートの好きな女の子は意外と友達に言いふらしてたんですよね。本人に言ったりは絶対しなかったけど。

とにかく、女の子のアニメを見てるとか人には言えない時期で、となるとそれを自分でも認められない時期でした。


アイデンティティ確立

それをやっと少しずつ認めていったのは、中学も終わる頃でした。
中学時代はDQM2でイルちゃんを選ぶものの、ルビサファでは男主人公を選ぶなど、相変わらず好みに従ったり抗ったり、行ったり来たりしていました。ところが、中3の頃に金色のガッシュ!!でティオ大好きになってしまったあたりから、そうした好みを自分にも人にも誤魔化せなくなっていきます。初めてテイルズオブシリーズに手を出し、プレセアを平然と操作キャラにしだしたあたりから、それは止まらなくなります。

ティオはハンカチタオルの左上の女の子
あと右上のピンクのステッカー

この時期には周りにも似たような仲間が多少いて、ついでに私の兄弟も同じような感じに染まっていて、そうした集団の中で「かわいい二次元の女の子」の話ができるようになりました。特に、この頃インターネットを始めたのが大きいでしょう。ネット上の友達はジャンルごとに分かれているので、その道については深い話がしやすいものでした。

今思えば中学生から高校生にかけてというのは、心理学的にもアイデンティティ獲得が始まる年代です。つまり私はこの時期、着実に「僕はロリコンの二次元オタクである」というアイデンティティを作り上げていたのです。

この「ロリコン」というのは悪い意味を含むところが大きく、表面上は常に否定していました。ただ否定したところで、好きなキャラはバレているので仲間にはロリコン呼ばわりされ続けます。
そうすると、自分でもそうなんだと思い込むものです。いや思い込みも何も、自分の好きなキャラは間違いなく自分の本心からのものでしたし、何より現実においても私は「子ども好き」でした。(それについては後述)

ともかくそういう形で、私のアイデンティティはこの時期に固まったと言っていいでしょう。高校生以降は、ポケモンで女主人公を選ぶことも増えました。だんだん正直に生きるのが平気になっていきました


顔の使い分け

とはいえ、基本的には顔を使い分けていて、オタク的な話が通じそうな相手とは二次元的なトークをし、そうでない人にはある程度は隠す生き方をしてきました。

また、自分の好みのキャラまで開けっぴろげにする相手は、オタク相手でもそう多くはいませんでした。なぜなら、「二次元オタク」だけならまだしも、「ロリコン」だと思われることは相応にリスキーだと思ったからです。ネット上ならある程度平気でしたが、少なくともリア友・知り合いに対しては、「軽い二次元オタク」程度に留めたいと思って生きてきました。

加えてもう一つ、この頃は「萌え」という言葉がひとしきり流行り、また流行り終わる時勢でした。ただ、私はあんまり使わなかったんですよね。いまいち意味合いがピンと来なかったのと、「萌え」を使ったら結局好きなキャラもバレますからね。

とはいえ、それでも特段生きづらさや物足りなさを感じることはありませんでした。世間的にもどんどんオタクがオープンになっていった時期だったので、ある程度オタクな会話をできる友人たちがたくさんいましたし、オープンに話すオタクたちのトークを聞いているだけで十分楽しかったのです。自分の好みについては、最悪ネットでさらけ出しておけばいいかと思っていました。

そういうわけで、Twitterの独り言垂れ流しが長年続いているのです(笑)


「僕はかわいいもの好きです」

さて、私の大過去語りはいったんストップして。

ジェンダー的な……

この「かわいいもの好きです」という表現、どう感じます?
少なくとも「ロリコンの二次元オタクです」とは全く違うものじゃないですか。そしてもちろん「かわいい女の子が好きです」とも違う。これらは基本的に「異性の好み」(性的指向)という意味を含んで捉えられるものです。
一方で、「かわいいもの好きです」は性的な要素を含まない、もっとピュアなものとして扱うのが一般的かと思います。

一番分かりやすいのは、旧来のジェンダー的な考え方に当てはめたとき。「かわいい女の子が好きです」は男の発言、「かわいいもの好きです」は女の発言。ほんの何年か前までは、こういう固定観念が当たり前でした。

今はそこまで断言する人こそ少ないですが、それでも前者(性的指向)と後者(かわいいもの好き)はルーツ(根本)から異なるものとして考えている人が多いのではないでしょうか。少なくとも私は、ずっとそう捉えてきました。

でも最近、そうでもないんじゃないかと思うようになってきたのです。
もちろん前者と後者の表現の指す意味合いは、ハッキリ言って全く異なります。しかし、人の好み嗜好、性的指向の全体像を考えたときに、「かわいい子が好き」と「かわいいもの好き」は混ざり合って存在している可能性もあるのではないか。

もちろん、これには個人差があります。人の好みですから。
しかし、少なくとも私の好みについては「かわいい子が好き」と「かわいいもの好き」が混ざり合っている自覚が今はあります。言い訳がましいですが、ただのロリコンではなかったのです!(なにそれ怖い)

それに気付いたのは、かなり最近でした。
というわけで、自分語りに戻らせていただきますね……


推し活がアイデンティティを侵食する

事の発端はごく最近。
職場にがっつりオタクの若い女性が入ってきました。若い子と話す機会が長らくなかった……というほどでもないのですが、リアルでがっつり二次元の話が通じたのは久々だったので、(個人的には)なかなか楽しく話させてもらっています。

今思えば、実は女性のオタクとリアルに話したことって、これまで滅多になかったんですよね。それもいわゆる男オタ寄りじゃなくて、現代の女オタ……推し活と称して二次元キャラのグッズやリアルライブに日々お金をかけているようなタイプのオタクとは、あまり接したことがなかったのです。

そうした話を聞いている中で、はじめは私もジェンダー的な、「男オタクと女オタクってなんか違うよね」という感覚でいました。何が違うかってなかなか言葉にできないんですが、いわゆる男オタクって言うとそこに「性的志向・嗜好」を含んでいるとか、あるいは異様に設定的なところに細かくてマニアックだとか、そういうイメージです。一方、女性の場合は「尽くす」というイメージですかね。勝手な話ですが、性的な面からは切り離されているという印象もありました。

「『萌え』は、その子に振り向いてほしい。しかし『推し』には、決してこちらを振り向かず、前を向いていてほしい」

このような言葉をTwitterで見かけたことがあります。「推し」側から書かれた文面なので、「萌え」について正しいかどうかは微妙です。しかし、旧来の男オタク女オタクというジェンダーは、いわゆるここに当てはまるイメージなのではないでしょうか。男が前者(萌え)女が後者(推し)です。

しかし、私は職場の女オタと話し込んでいるうちに気付きました。ああ、これがジェンダー、何という色眼鏡だったのかと。

何を隠そう、私はおおよそ後者だったのです。全てとは言いませんが、「推し」の方が多いなと、そう気付いたのです。前の項でも書いたように、私はいまいち「萌え」の感覚がピンと来ませんでした。だから、Twitterで先の文面を見たときに、本当にビビッと来たのです。

自分が感じていたのは「萌え」じゃなくて「推し」だったのだと。

例えば、最初に画像をあげたグルグルのククリちゃんって、旧2ちゃんねるで行われた「最萌トーナメント」(漫画版)で優勝したらしいんですよね。で、確かに私は、いや当時の僕はククリちゃんに恋していたんです。けれども、少なくとも現代の私は、ククリちゃんが自分に振り向いてほしいとは露ほども思わないんですね。彼女には、とにかくニケくんと一緒にいてほしい。そういう話を読みたい。(いや、これは当時もか? アラハビカで心を痛めたのは、そういうことだよな?)

これは今ずっとハマっていて記事を書き続けているプロセカでも同じで、鳳えむちゃんにはずっと司くんを応援していてほしいし、離れてほしくない。(あーー、最近のストーリーしんどい!)

プロセカ ワンダショ箱イベ「夢の途中、輝く星たちへ」より

これって、いわゆる少女漫画的な感覚なのかもしれません。先述のとおり、私は小学生時分は男らしくしなきゃと色々隠していましたし、その後は「自分は二次元オタクだ」というアイデンティティのもと、美少女コンテンツに関心を向けていました。だから、少女漫画は読んでいないんですよね。読んだらハマるかなぁ。
(ああ、でも学園アリスのアニメとふたご姫は見た。学園アリスのアニメはぶっちゃけ少女漫画パート薄いしふたご姫は幼女向けだけども、ふたご姫はファインシェイド推しだから飛び亀の好みはやっぱり少女漫画傾向ある)

それと以前、久々に私の部屋に入った弟に言われたのが「いつの間にか女の子の部屋になったの?」という言葉。自分では男々した二次元オタク全開の部屋だとずっと思っていたのですが、皆さんから見てどうでしょうか。恥ずかしながら公開いたします!

めっちゃ恥ずかしいんですが、しかしどうなんでしょうね。
「いや女の子の部屋ではないだろ」と思うのですが、
キャラそのものよりもグッズ種の問題でしょうか。並べ方?は雑だし…
アクリルがダントツで多いんですが、好きなんですよ、フィギュアよりも。
そこだけは「男」っぽくない自覚がある。
(……ちび丸ちゃんのせいかしら、これは貰い物なんだよね)

さて、具体例が過ぎました。
とにかく、私は好きなキャラに対しての「推し活傾向」が強い。それも最近ではなく、元来の自分のオタク的関心がそれだった、と気付かされたのでした。

生物学的にも性自認もである私がそうなんだから、つまり「萌えは男文化、推し活は女文化」というのが古いジェンダーに過ぎないということですね。かくして、私のアイデンティティは塗り替えられました。

「ロリの推し活してる二次元オタク」に。


それがアイデンティティの欠片だった

しかし、そう考えてみると私は昔から、(旧ジェンダーで言う)女の子寄りの趣味趣向を持っていたなぁと気付きます。

幼少期こそ怪獣の人形やトミカで遊んでいましたが、小学校に入ったあとはぬいぐるみやポケモンの人形で遊ぶ方が多かった。先述のとおり、一部の女児向けアニメ(クレヨン王国とか)も見ていました。好きなポケモンもかわいい系が上位に来ますし、そういやハム太郎とかも見てた。そう、本質的には子どもの頃から「かわいいもの」がとにかく好きだったんですよね。

性格的にも人と争うことは避けたがりましたし、面倒見はいい方でしたし、子ども好きでしたし、文系でしたし、もう本当にジェンダーの極みですが「どっちかと言うと女子に多いと言われる方」の二択が当てはまりがちな人間でした。

つまり飛び亀は生物学的にも性自認も男だし、性的指向も異性愛なんですけど、性格面や趣味趣向はあんまり「男らしく」なかった。思い返せばずっとその自覚はあったけれども、でもそのズレがなんとなく嫌だった。だから、ジェンダーで自分を染めたり、流行りだした「オタク」という文化にアイデンティティを当てはめたりした。そうして自分を「ロリコン二次元オタク」と卑下しつつも、そうすることで自分を男と認めていたのです。だってロリコン二次元オタクなんて、男でしかありえないと、そう思っていたから。

(いや当てはめる男像がひどい)

今や女性でもロリコン二次元オタクは存在するわけですが、それと同様に「かわいいもの好き推し活おじさん」も存在するわけです、こうして。そんなことに、ようやっと気付いた。

それでこの記事を書いています。

……あ、いやこれ、「私は『かわいいもの好き推し活おじさん』であって、決してロリコンではありません、二次元萌えではありません!」と弁明したいわけではないんですよ。先述のとおり、私は「ロリの推し活してる二次元オタク」です。

先程は、まるで「ロリコン二次元オタク飛び亀は自らが作り上げた虚像であった!」みたいに誇張して書いてしまいましたが、実はそれも(残念ながら)間違ってはいない。間違ってはいないけど、重要なことが欠けていた。その欠片が「シンプルにかわいいもの好きという趣味趣向」なのです。

かわいいもの好き&推しロリ萌え性欲=3:3:4

くらいかな!(うーん)


まとめ

この記事で何を言いたかったかといえば、(冒頭に書いたとおり)9割くらいは自分語り、自分の好きなもの語りでした。
ただ、残りの1割で「『オタク=◯◯』はすべて決めつけだ、偏見だ!」ということを語らせてください。
それを通して、「かわいい女の子のが好き」という言葉が多様な意味を含むことが伝わればと思います。


✕オタクの多様化 ◯オタクの多様性

男性オタクにしろ女性オタクにしろ、「男オタはこういうもの」「女オタはこういうもの」という偏見に飲み込まれがちです。これは先程から書いているとおり、いわゆるジェンダーです。飛び亀が証拠。

男オタにだって推し活に走る人はごまんといるし、女オタにだって性欲にまみれた愛情を二次元キャラに注ぐ人がたくさんいるでしょう。こと男性オタクが気味悪がられるのは、性欲との結びつけがあるためではないでしょうか。

もちろん否定はしません。否定するどころか、おおよそ男性オタクなんて99%くらい性欲で二次元の女の子を見ていると言ってもいいでしょう。でも残りの1%は違うのです。

そしてこの「1%」は、「100人に1人」という意味だけではありません。1人のオタクの中にも「99%の性欲と1%の愛情」が……おほん。

つまり気付いてほしいのは、人間は「純度100%」の思いを抱けるわけではないということ。愛する人に向ける思いも、二次元キャラに向ける思いも、「性欲だけ」ということはなく、「無垢の愛情だけ」ということもない。先述のとおり、飛び亀のかわいい女の子への思いは「ロリ萌え! なでたい!!!」だけでなく「かぁいい! ずっと眺めていたい!!!」が混ざってできています。

そう、思いは混ぜものなのです。

だから、熱い思いをもつオタクという存在は、もともと多様性の塊でした。それぞれが個性的な愛の形をもっていて、それは性欲だけでもなく、無垢の愛だけでもない。七色の感情が混ざりあったような愛を注いでいるのです。そのバランスが様々なので、性欲強めのオタクは存在しますし、実際本当に不快に見えるでしょう。逆に「純粋な愛だけなんだ!」と言い張るオタクだっていますが、それはそれで信じがたい存在に見えます(信じなくて正解だと思います)。でも、「嘘つけ性欲まみれだろ」と言うのも違うのです。本能にまみれていない人だってたくさんいる。

今でこそオタクは一般化し、そのために多様化したように見えます。推し活女オタなんて昔は本当に目立たなくて、「オタク=男」みたいなジェンダーだった時代もあった。それが、今や本当に色んなタイプのオタクがいる。

でも、古来は1種類のオタクだったものが大衆に浸透してバリエーションが増えたってわけではないと思います。オタクは、オタク的な愛情は、もともと多様だったのです。それが見える化した。見せてよくなった。

これが2020年代の世界なのです。


アーニャ、オタクを見える化する

最後に、この1~2年で流星のように現れ、世間を侵食し、なおかつオタクの多様性をはっきり示していったキャラクターを紹介しましょう。

はい、先の私の部屋写真にもいらっしゃいましたが!

SPY×FAMILY(スパイファミリー)より、
アーニャ・フォージャーさんです!!

※※注釈は読み飛ばしてください※※

SPY×FAMILY公式サイト 配布ツイッターアイコンより
アーニャは本当にかわいい。
流行りだした当初から気になっていたキャラだった。
しかし実は、先の女オタに勧められるまで、ほとんどアニメも見ずマンガも読まなかった。
なぜならハマると分かっていたからだ。自分をロリコンだと思い知らされるからだ。
それほどまでに、キャラデザと設定が激烈に刺さった。
あまり知られていないが「イフリート~断罪の炎人」というマンガ(サンデー)がある。
そこに出てくる唯ちゃん(光の姫君)という幼女が、そこはかとなくアーニャに似ている。
……今見たら全然似ていなかったけれど、似ていることにして話を進める。
私は唯ちゃんが結構好きだった。当時中~高校生である。
SPY×FAMILY公式サイト 配布ツイッターアイコンより
この頭の二本のツノみたいなもの。あるいは猫耳もどき。
シルエットにするとデカいリボンのようにも見えなくはない。見えないか。
唯ちゃんも頭からデカい何かが飛び出ていて、リボンに見える(見えない)シルエットだった。
人体実験を受けたという設定も同じだ。唯ちゃんは心は読めないがIQが飛躍的に上昇した。
猫耳もどきのように頭になにか2つ付いているのは、エヴァ発祥だろうか?
ただ私にどストライクなのは、幼女にツノが付いているパターンだ。
この点を私は唯ちゃんで認識し、ぽてまよで確信し、アーニャで覚醒した。
でもぽてまよは猫耳まんま過ぎてちょっと違う。変な突起の方がいい。
とにかく、アーニャは存在がどストライクだった。
だけど、勧められて仕方なくスパイファミリーを追ったら、この思いの正体が分かった。
そして安堵した。
この熱い思いは、ロリ萌えとは違う、違うのだ。

かわいすぎる。
そして笑える。

アーニャはつまり、ちびまる子ちゃんをもうちょっと現代ナイズ……現代アニメ風のキャラデザにした存在だと思っています。変なこと言うと怒られそう。

彼女の流行りっぷり(スパイファミリーの流行りっぷり)は目を見張るものがあります。お子さまからリア充、そして陰も陽も含んだオタクまで誰もがアーニャを知っています。そして好かれています。

※※注釈は読み飛ばしてください※※

SPY×FAMILY公式サイト 配布ツイッターアイコンより
美少女ヅラからアホ面まで全てを難なくこなすアーニャ。
言っちゃなんだが、声もヤバい。
そんな彼女を追っていくことで分かった。
ああ、この思いは、この感情は。
そうだ、私の中に昔からある「かわいいもの好き」から生まれたんだ。
ぬいぐるみのように、ペンギンのように、ピカチュウのようにかわいい。
アーニャはかわいい。
……でも正直、アーニャの美少女ヅラが萌え感情を呼び起こすことがある。
アニメよりもウエハースとかで一枚絵になったときに、萌えが強い。
あとベッキー×アーニャはマジで推せる。
初めて行った駿河屋でベキアニャの中古アクスタを衝動買いしたくらい。
アーニャに対しては、色んな意味の「かわいい」が混ざっている。
そう、「思いが混ざっている」。
アーニャからこのクソ長い記事は生まれたのである。

お子さまカレーのコーナーに並び、ハロウィンの渋谷に出没し、ウエハース付きカードや一番くじでオタクからも集金する。これだけの守備範囲を誇るキャラはそうそういません。ついでに12球団グッズも去年出してたな……

ここにオタクの多様性、もっと言えばオタク的愛情の多様性が見えませんか?

子ども向けキャラでありつつ、しっかりガッツリとオタクにも刺さっているキャラなのは間違いないのです。一番くじなんかは推し活オタクの権化みたいなシロモノなので分かりやすい。一方、アーニャはおっさんの巣窟である5ch実況板でも流行り倒していました。ところが、ロリ萌え的な人気とはまた違う様子だったのです。

そう、アーニャを見るだけで、「オタクって危ない変態でしょ」という古い偏見も「推し活なんて女子だけでしょ」なんていうジェンダーも全て吹き飛ぶ。

アーニャが、オタクの正体を見える化します。

本当に様々な人が、本当に様々な思いを抱いて、アーニャオタクになっているのです。大人も子どももおねえさんも。

みんながアーニャをすきになる。

プランB、だいせいこう!!


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