【生涯学習の旅】 トロント: AGO美術館で、新しい「アートセラピー」 と 「ダイバーシティ」(D&I)を学ぶ (Art Gallery of Ontario)無料!カナダ
AGO美術館について
カナダ、トロントにある AGO(Art Gallery of Ontario、エージーオーと読みます)は、北米トップ美術館の1つで、入館者規模は年間10万人以上。
現代のコンテンポラリーアートからヨーロッパのクラシック、そしてカナダのインディジネス(先住民族)のアートなど幅広いコレクションを、斬新なキュレーターたちによって新しい視線で展示しています。
ただ作品として展示するのではなく、
アートを「人類のコミュニケーションの方法」として提供し、日常いつもの暮らしにおける話題に関連させて、「発見」や「学び」の場をつくっています。
毎週水曜🌙 6-9 PM、🈚無料で入館できます。並ばなくて良いように、事前に無料の入館チケット🎟️を公式ウェブサイトで取っておけます。(チケットの取り方は、記事の最後へ)
AGOウェブサイト
アクセス便利な場所
トロント・ダウンタウンの真ん中にあり、アクセス便利!
ダンダス・ストリート x ユニバーシティ・アベニューの角あたり
317 Dundas Street WestToronto, OntarioM5T 1G4
ダイバーシティを体感する
トロントのモットーにもなっている「ダイバーシティ」(Diversity Our Strength (*1)) が、AGOにとっても同じく非常に大事なところで、入口からまっすぐ歩いて奥の広間に入ると、高い天井と優しい木目の螺旋階段が特徴の広間に、先住民族が使うドラムの皮を土台にしたパステルカラーの丸いデコレーションが壁の上部を飾っています。
人と人が初めて出会うところ「広間」を開放的なデザインにし、過去も今も、先住民族に属すべく大地に私たちが今日集まっていることを改めて認識するため、先住民族がウェルカムするときのドラム🥁で囲んでいます。
モダンと先住民族のアイディアが自由自在に融合するトロントならではの作品が印象深いです。
今日のツアーを率いたグレッグ・シールさんは、美術館とは別に個人的にもアートコレクターであり、芸術の奥にある人間の意識についての学術に精通していて、どんな内容の質問にでも、深い返事がありました😃
そして、アートの根本にある原動力⛲、作者のエネルギーの源⛲、つまり作者がどんなメッセージを伝えようとしているのかを理解するには、アートだけ勉強するのではなく、ソーシャルジャスティス(社会問題、公平と平等、人権、歴史、世界の力関係)の勉強が必要なことを改めて感じるツアーでした。
👩🎨クリスティ・ベルコートは、繊細な強弱のドット(点)で描く美しいネイティブ植物の柄で有名です。彼女は、アートを介したソーシャル・チェンジのリーダーでもあります。
👨🎨ケント・モンクマンは、非常に有名な先住民族のコンテンポラリー・アーティストです。世界中に溢れている白人視線の「北米におけるフロンティア精神(開拓者精神)やフロンティアストーリー」に、原住民からの目線と芸術家精神でクエスチョンマーク❓を投じます。
そもそも、こういった絵を見るまで、白人のナレーション📣だけで歴史を理解してきた一般の人たちには、「フロンティア精神(開拓者精神)」とは何のことを言っているのか❓、という点に深く意識が向くことは、なかったかもしれません😲
しかし、芸術作品をきっかけに、深く意識を向けてみると、自分たちがリーダーの立場になった時、(たとえば、会社で部下ができるとき、独立・起業して会社の顔になるとき、NPO・NGOの代表としてコミュニティを築き上げる活動中のとき等)、フロンティア精神・リーダーシップ・コラボレーションについて、自分で意識していなかった自分の言動傾向にも意識が向き、発見😲があります。
北米の歴史の「フロンティア精神」の概念は、現代社会における身近な人間同士の力関係🤝、そして国際的な国同士の力関係🤝について理解するのに、知っておくべきトピックです。
私たちの、当たり前だと思い込んでいた「前提」の部分を、大きく揺り動かすことを美しい芸術を使ってなしとげているのが、このアーティストの社会的使命なのです。喧嘩ではなく、美とクリエイティビティを使って、社会的リーダーになる。私が所属しているFlowwa(フラワ)💓も、同じミッションを持ってソーシャルチェンジ活動をしています。
近づいてよく見ると、主人公(モンクマンの自画像)は、ほかの全てのキャラクターが原住民衣装を着ているのに対して、クリスチャン・ルブタンのヒール👠に、クリスチャン・ディオールのオートクチュールのドレス👗を着ていますが、そのドレスの柄が、上述のクリスティ・ベルコートの柄です。岩の手前にある植物と花も、クリスティ・ベルコートのデザインを意識して描かれています。こうして、先住民アーティスト同士、🎨絵を介して、ピアサポート(讃えあい、支え合っていること)もわかります。
ちなみに、ここ数年で、美術館の説明書き全てを、従来の2言語(公用語である英語・フランス語)表示から、3言語表示(先住民言語・英語・フランス語)に変えています。
言語能力は、社会参画📣の大きな要素です。
「だれでも母国語で伝えられるからこそ、社会的インパクトのある発言ができる」という理念のもと、先住民言語や海外の多国籍言語が、この街では大きく受け入れられています。「言語能力の差」イコール「社会格差」にならないようなダイバーシティ(D&I)の試みです。
新しいアートセラピーについて
何気なく、いつもふらっと訪れるAGO美術館なのですが、とある展示の部屋に入ると、真正面に向かう作品を見ながら、勝手に涙が出てきそうになりました。芸術💓に触れたり、自然💓に触れたりしたとき、そんな体験をしたことはありますか?
この部屋は、そういったヘビーなレスポンスが想定できるので、大きなソファ🛋を設置しています。美術館のアートという概念は、作品の並び方だけではなく、それに応対する人間の動作・行動も念入りに考えることも含みます。キュレーターの仕事の一部です。
この絵の右側の人物が、誰だかわかる人?🙋♀️
アメリカ大陸🇺🇸にやってきて、先住民族の人生を変えたコロンブスですね。
真ん中に先住民のリーダーが挟まれていて、左には、胸に十字架をつけた、キリスト教を押し付ける悪魔がいますが、表には出て来ず、すりガラスの奥に沈んだ裏側に潜んでいます。表に出ているのは、悪魔の手だけ。
赤ちゃんの遺体が棺桶のような箱にしまってあります。
この絵は、カナダの「レジデンシャル・スクール」を描いたものです😟
レジデンシャル・スクール(寄宿制宗教学校)とは、1830年代から始まった、先住民族の子供たちを欧州文化・キリスト教文化に同化する教育プログラムでしたが、先住民言語や伝統を禁じ、精神的、肉体的、性的暴行が行われていました。2021年に子供の遺体が大量に発見されたニュースで、カナダ国内で、過去の過ちを認め、今、私たちの住む社会を、自分たちの手で平等にしていこうというグラスルーツ(草の根)・社会活動・アドボカシーが、さらに大きな動きになっています💪
その他、東・西・南・北と、キャンバスの上下左右に記されている点、インチ表示の定規、下の段の剥製は、どんな意味があるでしょうか❓
芸術作品を鑑賞して、自分がどう感じているのか、そして、そう感じている理由や考えが沸き起こる源の泉 ⛲は、過去の自分のどんな体験なのか・・・❓
こういうことを、人間同士で話しながら、自己発見していきます。答えは、人それぞれ、自分の体験の歴史によって異なります。こういう芸術鑑賞のアクティビティで、自分自身の考えのリミットを突破することができたり、恐怖・ためらい・先入観・後伸ばしにしたくなる気持ち(プロクラスティネーション)をリセットする体験が可能になります。
これが、Art Viewing (アート・ビューイング)というタイプのセラピーの入り口🚪です。
アートセラピーについては、自ら能動的に「アートを作る活動」(Art Making)🎨 がよく注目されていますね。
しかし、これ以外に、アートを鑑賞する行為 (Art Viewing) 🤓でも、セラピー効果が出せることを、ご存知でしたか?
絵を鑑賞して、自然に涙がでたり、鳥肌が立ったり(怖いものだけではなく、美しいものを見てもそうです)、息をのんだり、自分自身のレスポンス(反応)を、そーっと優しく観察する中で、自己発見💖をしていきます。
❓どうして私たちは、なんどでも、なんどでも、自己探求をしたくなるのでしょう?
自分のことを知れば知るほど、自己表現、言いたいことが言える、自信を持って発信するのが楽になっていきます💕
しかし、自分とあまりに合わない環境にいる間は、自分を知るのが難しくなります。物事をスムーズにしたいがために、周りに合わせている間は、自分自身をなぞる輪郭がボヤけていきます。本来の自分は対人能力🏆、コミュニケーション能力🏆、EQ(エモーショナル・インテリジェンス🏆)に長けていても、その能力を発揮する環境がなければ、自分はそういうことが苦手なんだと勘違いしてしまい、シャイになったりします。これを「状況的シャイ」、「状況的鬱」といって、違う環境に足を踏み入れることで、💖「Authentic Self」本来の自分💖を再発見できたりします💕
絵画鑑賞をしながら、ふらりと別世界に入り込み、イマジネーションを使って、現実のしがらみや不安を離れ、自由な自己探求の旅🗽に出ます。
☝️トラウマ解消のためのアートセラピーは、アートに携わっている間に過去のトラウマが再発して悪化しないように、(1)スキルの高い経験豊富なセラピストやファシリテーターと行うこと、そして、(2)安全が確保されている場所で行うことが肝心です。参加する前に、チェックしましょう。
☝️Art Viewing のセラピーは、単独でもできますが、このツアーのようなグループで行うと、ピアサポートの要素があります。
☝️単独とグループ、どちらが良いかはケースバイケースなので、その都度、決めるのが良いです。
👆【参考記事】
ウォール・ストリート・ジャーナル 2022年1月5日発行
”Is Looking at Art a Path to Mental Well-Being?”
「芸術鑑賞は、メンタル・ウェルビーイングに辿り着く手段になるか?」
概要:芸術鑑賞はメンタルヘルスの向上に役立つとされており、アメリカの医者は、美術館へのチケットを患者に処方することができます。どのようにして、芸術は幸せの鍵となるのでしょう?
日本語での解説は、こちらからリクエスト💌
(この他にも、アートセラピーについてのニュース記事や文献をお探しの方、お手伝いしますので、リクエストください。)
👆【募集中】
アートセラピーを受けたことがある方、または、受けたい方、簡単なインタビュー(Zoomで30分以内)をさせてください!
詳細案内をお送りするので、こちらからお問い合わせください💌
Life-long Learning Journey(生涯学習の旅)について
マインドフルネス💗のパワーを使って、観察力・洞察力を高め、旅行先での発見の密度を高めるツアーがあります。
定番の観光地でセルフィー🤳を撮るだけで終わりではなく、その場で、マインドフルネスのアクティビティをして、落ち着いて研ぎ澄まされた感性を呼び起こし、訪れた場所それぞれの歴史、作者の意図、見る人に与えるインパクト、そして取り巻く環境との繋がりについて、深く読み解くことで、より一層思い出に残る貴重な旅になります。そして、そうした深い体験をしている自分の感性の成長も実感できるステキな体験です💕
私はもともと個性的で、クリエイティブ🎨な仕事に従事しているのですが、こうやって旅行先で強く感激する体験を積み重ねると、発見や感激をシェアしたくてたまらなくなり、自己表現力もアップして、より活発で自主的な人生が送れるように、変わってくる気がします。同感する人はぜひ、メッセージください💌!繋がりましょう!💪コラボしてクリエイティブな活動をしましょう😲
マインドフルネスの旅に一緒に参加したい方、旅を企画するのに携わりたい方、両方、メッセージください💌!
旅先でいろんなことを体感することが、一番楽しい生涯学習🎓の方法だと思っています。何歳になっても、一生涯、好奇心💗とマインドフルネス💗をもって、自己成長💗していきたいです。
🎟AGO 無料チケットの取り方
先述の通り、水曜夜の6-9PMの3時間は、AGOに無料で入館できます。
下のリンク(AGO公式HP)から、予めチケットをGETしておくと、並ぶことなくスムーズに入館できます。
【チケット取得の詳細とコツ】
上記リンクの「Book your free tickets」をクリック。
次の画面で、入館したい日(その週の水曜日)をクリック。
自分の情報(Emailを含め)を記入したら、Emailで電子チケットが届く。
毎週月曜、その週の水曜日(つまり2日後)の無料入館券の配布が開始します
チケットの総数に限りがあるので、できるだけ早く取った方が良いです
(私は、火曜の夜に取りましたが、二人分、問題なく取れました)
一度に取れるのは、最大四人分まで
チケットを取った週の水曜日にしか使えない
(例えば、6月5日(月)に取得したチケットは、6月7日(水)に入館できるが、6月14日(水)には無効)
入館には並ばないが、入った後、クローク(任意の荷物一時預かり所)では列ができる可能性があるので、何も預けないで済むよう、軽いバッグで来ることをお勧めします
注:
☝️(*1) Diversity Our Strength:
トロントのダイバーシティ、インクルージョン、平等さは、偶然ではありません。それをモットーとして明確に掲げ、戦略を立て、関わる全ての人の努力があって実現しています。今後、その戦略について記事にしようと思います!
☝️ダイバーシティは、人種、性別、ジェネレーション、経済力、身体能力、宗教や考え方など、いろんな分野で必要とされていますが、今回は、記事をシンプルにするため、人種(特に先住民の人権とエンパワメント)について書きました。(ケント・モンクトンが女性のファッションを身につけていることもジェンダーダイバーシティのメッセージです)
Flowwaの ✈️ マインドフルネス旅行 ・ 🚃 社会人の教養の旅 ・ 🛳 リーダーシップを磨く旅 ・ 🚠 生涯学習の旅 ✈️
この記事についてご不明な点や、さらに詳しく知りたい点、その他なんでも、マインドフルネス旅行・社会人の教養の旅・リーダーシップを磨く旅・生涯学習の旅でお手伝い🙋♀️できることがあれば、このリンクから、お気軽にお問い合わせください🙌 話題のリクエストも、ぜひどうぞ 💌
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#現代の社会問題を解くための歴史発見の旅 #大人のための社会見学ツアー
📝 わたしの【生涯学習の旅】について、別の記事の紹介
私の Life-long Learning Journey(生涯学習の旅)について、📖マガジンにしようと思っています。
【カナダ・トロント】 この街の「アイコン」的存在のシティーホール(トロント市庁舎)のてっぺんに登って、美しい市街を展望する(無料!)
☝️【募集中】
(1)アートセラピーを受けたことがある方、または、受けたい方、簡単なインタビュー(Zoomで30分以内)をさせてください!
(2)和訳(英語➡️日本語のみ)、(通訳🔊・翻訳📖、片方だけでも🆗)ボランティアを複数募集中です!
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