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『草食系男子に教えられたこと』 #毎週ショートショートnote【思い出編】


「この花の蜜って甘いんだよ」

サルビアの花を教えてくれたのは幼稚園の頃の草花緑くさかみどり君だ。

同じように赤い彼岸花に手を伸ばそうとした私を「毒があるからダメ!」と止めてくれたことも

「ちょこっと触ってみて」
おじぎする姿が面白くて何度もつついてしおれさせたことも

小学校の帰り道に
「こうすると音が鳴るんだよ」
茎を細工したなずなを振って微かな音色に、二人で耳をすませたこともあった。


「あ!クローバー!」

中学校の草抜きで四つ葉を見つけて喜ぶ私に

「カタバミだから違うよ」

と後日本物のクローバーで作った栞をくれた。


中学卒業後、彼とは疎遠になっていたのに、まさかこんなところで出逢うとは…

みのりちゃんだよね?元気?」
「うん、緑君も元気そうだね」
「まあね。今ならこれがお勧めだよ」

居酒屋の店員になった彼が勧めるメニューは昔のまんまなのに、その左指にはまるリングに気づいた自分に空しくなった。


タラの芽の天ぷらがやたらと苦く感じたのはきっと、ビールのせいだ。


 幼少期の野生児だった私はそりゃあもう、ありとあらゆる草花を食い散らかしてきました。(これは草食系なのか…?)友達んちの花の蜜を友達とともに全て吸い尽くしたし、食べられるらしいと聞いた花は一通り食べてみたし、我が家の庭のおじぎ草をツンツクツンしすぎて萎れさせたのも実話です。(あの時のおじぎ草に、いつかパワハラで訴えられるかもしれない……)

 ここには書けなかったけど、シロツメクサで冠を作ったり、蓮華やつくし、菜の花を摘んだりしました。それこそ、どんぐりを噛ったこともあれば(激渋げきしぶ!)、稲穂からお米を何粒かこっそり頂き、皮を剥きながら帰って、他のお米と一緒に炊いてもらったこともあります。(ちゃんと精米してないから、バリかた!)

タラの芽の時期には少々早いけれど、きっと新しい春が来るよ!と前向きに捉えて頂けるとうれしいです。春来い!春恋!

(でも、私の脳内の勝手なイメージソングは宇多田ヒカルさんの『First Love』を和風に味つけた感じなんだよな~🤔)

 もう一作書いたのでお楽しみに~♪
(書けへん言うてたんどこのどいつや🇩🇪)

こいつや!


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