見出し画像

駄洒落小説 『粒状の総料理長』 #毎週ショートショートnote【なえない編】

洋食屋を営む私は悩んでいた。

これまで自ら地方へ赴き、野菜の収穫や家畜の餌やりを手伝い、狩猟や屠殺を見学し、時には漁師と魚を釣り上げ、その場で捌いて調理したものを振る舞い、やっとの思いで新鮮な野菜や肉や魚の仕入先を確保していた。

しかし、畜農業や漁業を営む人々も年を老い廃業。さらに送料の値上がりの煽りを受け、食材にこだわるのも厳しくなってきた。

だが店の味は落とせない。
それならば…

「総料理長、よく焼けてますね」
「自分でもコック服を着る度に一人オセロのように感じているよ」

軽い冗談に若手コックは苦笑いする。仕方ないか、裏では粒状の総料理長と呼ばれているのだから。

私はふと思いついたのだ。自家採種することで上手くいけば野菜が収穫出来ることを。

南瓜カボチャは簡単そうで難しく、トマトは難しそうで比較的簡単だった。

魚類は妻に養殖について学ばせているところだ。臑齧りもそろそろいい頃合いだろう。


「総料理長!警察から電話が…」

…潰しにきたか。



 駄洒落小説を書く度に、ラッパー🎺な気分になる今日この頃。(特定の何かとは一切関係ないですよ~!)

 実はサブタイトルもダブルミーニングなのだけれど、気づいて頂けただろうか……
私はタグをつけ忘れていたことに気づきました😂よかったら、こちらもどうぞ💁


最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。よろしければ、サポートいただけますと大変うれしいです。いただいたサポートは今後の創作活動に使わせていただきます!