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発達障がいの息子が不登校から登校できるまでの話 ~その3~

小3の2学期から不登校になりましたが、その時の校長先生は、"他の生徒に会うのが怖いなら、給食室の横の休憩室に行ってみてはどうか?" ということを提案されましたが、そこの部屋は小部屋で誰もいません。生徒がいる教室からは少し離れていたので生徒たちの声は聞こえなく静かでした。校長先生は「何かあったら室内の電話は職員室と繋がっているから先生と話せるよ」と言われましたが、大人が一人でその部屋で半日過ごすのも孤独を感じそうな部屋だったので、10歳の子供が過ごせるわけもないし、行きたがらないのは当然でした。しかし、知り合いの方から学校側に補助員をつけていただけないか交渉してみてはとアドバイスをいただき、ダメ元でお願いしてみました。学校側は"教育委員会に申請しても簡単に1名配置してくれるわけではない”、"なかなか難しい”と言っていましたが、そこをなんとかと諦めずにお願いをして、翌年に補助員さんが学校に1名配置されることになったのでした。息子のためだけに配置ではなく、校内を巡回して子供たちの困りごとを補助するという形で申請してくださったようでした。
翌年度は校長先生も代わり、先生は「校長室の隣の小会議室が空いているから、カーテンを閉めて登校時間をずらして来てみようよ。」と言ってくださいました。登校しやすい環境が大事だと強くおっしゃっていました。
「カーテンを閉めているから、他の生徒からは見えないけど、外の声は聞こえるからひとりぼっちという感じがしないし、扉を開けたら校長先生はいるから安心していいよ。」と。そして登校できたらそこの部屋で補助員の先生が勉強をみてくださるようにしてくださいました。登校できそうな時は、今から行きますと学校に電話を掛け、正門まで連れて行くと補助員の先生が出迎えてくださり、また帰りは正門まで見送ってくださったので、息子も段々緊張していた心がほぐれていったようでした。

しかし、毎日心の状態が安定していたわけではありません。とても暴力的になった期間もありました。(9年ほど前の話なので、私もこの期間が登校できるようになっていた頃だったのか、その前だったのかはハッキリ覚えていません…すみません)自傷がひどい時期で、拳で自分の胸のあたりをゴンゴン叩いたり、自分の手の甲と噛んだりしていました。その度に「おれの心の中に和歌山県出身の〇〇君と△△君がいて、その子たちがやれ!って言うんだ!」と言うのです。静止させようと息子の手を掴むのですが、かなり強い力でその度に私も疲れました。そこで叩く行為をいい方向に持って行ってストレスを発散させてみようと考え「母さんの肩が凝りまくっているから、肩たたきしてよ〜」と提案してみたのです。ところが!最初のうちは良いのですが、だんだん力が強くなり、叩くというより殴るに近くなっていったので、私も肩叩きをさせる度に息を止めるように耐える始末で、これでは私の身も心も持たないとなってしまいました。
結局、頼ったのはずっと発達障がいの診察で通っていた先生で、少し状態を落ち着かせる頓服薬でしのいだのでした。

そんな恐怖の別人格時期が過ぎて、別室登校して学校で過ごす時間も少しずつ長くなっていき、小5の秋頃になんとか自分のクラスに入れるようになりました。
緊張もあるだろうから、教室で過ごす時間と別室で過ごす時間を決め、徐々にクラス内の時間を増やしていきました。やっとここまで来た!と思っていたのですが….

1学年2クラスしかなかったので、同じ学年の生徒みんなは息子が不登校なのは知っていました。約2年ぶりにクラスに入るので最初は気を使って話しかけてくれてとても助かりました。そのおかげで、息子は学校に毎日行けて過ごせるようになっていました。ところが、2年間の不登校という時間がネックになりました。息子の頭の中では2年前の友達感覚で時間が止まっていたようです。子供は2年の間にグッと成長していきます。だから子供同士の会話も当然2年前とは違います。だんだん2年間のギャップが出てきて、息子は孤独を感じ始め再び不登校になってしまいました。
勉強の遅れも気になり始めていたので、クラスの生徒も何人か通っている学区内の小さな塾に通わせ始めたのですが、最初はその子たちも「やったぁ〜!同じ塾だね!」と喜んでくれていたのですが、ここでADHDの特性の"落ち着きのなさ”という行動で、席に着いていてもゴソゴソして周りの生徒から迷惑がられ、塾の休憩時間にちょっとした喧嘩になったりしたようで、塾の先生から電話で知らされる度に息子に注意をしていましたが、そのうち塾に行きたがらなくなって塾は辞めました。特性だから仕方ないとはいえ注意してもなかなか治らないし、勉強するために来ている他の子供に迷惑をかけてしまうし仕方ないなと思いましたが、一方で自分が焦ってしまったのがいけなかったのかもしれないと気づきました。まぁ、そう思っても1年ちょっとで中学生と思うとやはり焦ってしまうのも仕方ないことですが….


読んでくださりどうも有難うございました。

明日へ続く…..


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