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企業アニメのコンテ制作~ターニングポイントを作る~


個人で映像制作をされている方は、デザインや編集だけでなく、シナリオ制作やコンテ制作まで幅広く対応される方が多いのではないでしょうか。

今回は、シナリオ作りで役に立つ「ターニングポイント」についてお話しできればと思います。

ターニングポイントとは、ストーリーの分岐点に当たる部分です。
考え方や物事の見方が大きく変わり、目の前の景色が劇的に変わる瞬間。映像では、キャラクターの有無に限らず、ターニングポイントを作ることで、視聴者に疑似体験をしてもらうことが出来ます。

疑似体験によって、あたかも自分が経験したかのように、記憶に留めてもらう事ができます。


例えば、ダイエットが続かない女性がいて、諦めかけた時に、ハイテクマシンがウリのスポーツジムが出来ます。
それをきっかけに、自分との戦いに勝利し、ダイエットに成功。女性はかつての自信を取り戻し、生き生きとする。

ここでのターニングポイントは、ハイテクマシンジムを発見したときです。

このようなストーリーを視聴者に見てもらうことで、自分も「変わった」という疑似体験をしてもらい、「変われるかも」という感情や考えをが芽生えます。

では、もし映像にターニングポイントがなければどうでしょう。

元からスレンダーな女性→ハイテクスポーツジムができた→そこに入会してダイエットをこれまで通り続けた。というストーリーにします。

このように、ターニングポイントがないということは、キャラクターの感情の変化も描けないばかりではなく、視聴者何を見ていいのか分からないまま淡々と終わらせてしまうことになります。

ここでもう一つ重要なのは、「ターニングポイントをきっかけに、何が変わったのか」を描くことです。

ターニングポイントをきっかけに心情や環境の変化が現れ、最終的には世界が明るく見えたり、主人公の表情や印象が変わったり、あるいは行動そのものが変わったり…。

変化がなければターニングポイントはそもそも必要ありません。

これはキャラクターが出てこないような映像でも、同じことが言えます。
例えば、音楽の印象が変わったり、色の印象が変わったり。

シナリオを作る上では、
「ターニングポイントはどこか」
「それをきっかけに何がどのように変化したのか」
を頭に入れておくことで、伝えるべきメッセージが明快になります。

そもそも、ストーリーは他者に伝えたくなる変化があってこそ、語られるものです。

英雄の旅(ヒーローズジャーニー)

神話学者のジョーゼフ・キャンベルによって提唱された英雄の旅があります。

古今の英雄神話において、
(1)主人公は別の非日常世界への旅に出、
(2)イニシエーションを経て、
(3)元の世界に帰還する、という共通の構造を持っている(単一神話論)

スター・ウォーズ、ロード・オブ・ザ・リング、マトリックスなどの多くの大作映画が、この「Heroes and the monomyth」の流れをくんでいる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョーゼフ・キャンベル

企業アニメーションでは2時間の映画を作るわけではないので、全てのここにあるような展開を全て組み込むことはできませんが、視聴者の心を動かすストーリーの型は、とうの昔に確立されています。

この型は、短い動画にも有効な考え方です。

1.ターニングポイントを作ること。
2.変化を描くこと。

最後に

商品・サービス紹介や企業紹介といったビジネス動画では、クライアントが伝えたい情報を伝えることで報酬をいただきますが、視聴者の感情や行動を変えるシナリオを作ることができれば、視聴者はより鮮明に伝わるのではないかと思います。

皆さんの制作において、何かのヒントになれれば嬉しいです!

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