3月読んだもの観たもの

ほろびて『ぼうだあ』
演劇。onoffシアターだと、なぜかいつも思い込んでいる気がする。本名はoffoffシアター。
境界線で区切られていることと、その距離によって暴力が浮き上がってしまうことについて、だったのだとおもう。でも、毎回暴力を問題にする作品で、特に演劇で、難しいなぁっておもうのは、いきなり大声を上げる、とか、目の前で実際に暴力が振るわれる(ふりでも)という方法って、演劇だと目の前の出来事なのでショックが強いし効き目がありすぎる感じがしていて(箱の大きさにもよるけど)、これが暴力であるよ、現実にはこれが起きているのだよ、ということをありありと伝えるというのは確かに必要だが、この手法を取るべきかどうかっていうのは考えに考えた上で使われねばならない手法なのかなってちょっとおもう。ちょっとおもうけど、私が劇場で辛い思いしたく無いだけかな……って気もちょっとする。まだよくわからない。これからまた考える。

『ジョジョ・ラビット』
映画。みんないいよ〜〜って言ってたんだけど、わかる、いいね〜〜って思った。面白かった。わたしは、ジョジョが2通目のお手紙を書いたところが、一番ぐっときた。あと、スカヨハめっちゃよかったな。
友達が、これを観てイマジナリーフレンドとか、天使について考えてる、と言っていたので、なんとなくそれも頭の片隅に置いて見ていた。寄り添うものって思いがちだけど、彼の中で乗り越えられるべきもの、でもあったのかなぁって思いつつ、確かにイマジナリーフレンドの出てくる作品とかもうちょっと観たいな、と思った(おすすめあったら教えてください)。

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』第3章
えっ!これでおわり! のあっけなさが少々ある。でも、続きがきになるから読むのやめられない、って結構なったので、ずっと面白かった。なんでなんだかわからないけど、ずっと続きがきになるよね。古い海外文学とか、序盤なかなか入り込めないけど中盤くらいからずぶずぶはまる感覚があって、それに近い。良い読書感覚だった。

ゆうめい『弟兄』
演劇。アゴラにて。
台風で観られなかった『姿』を動画で観てから、次にやるときは観に行くぞ!!と思っていて、観られた。『姿』がこの作品とかの延長線上にあるのがよくわかったし、この作品自体もじわじわとくる良さがあり、それはそれとして別でnoteにしたためた

多和田葉子『エクソフォニー 母語の外へ出る度』
書籍。ずっと多和田葉子さんの存在は知っていたが、読んだことはなく、読んだらとても面白かったので、もっと読まねば!っと背筋が伸びた。

『他者と働く』
書籍。最近はやりのナラティブが出てくるけど、この本では「文脈」みたいな意味合いで使われていた。
バックオフィス系の人と同じフロアで働いていて、結構経理の人が社員の経理周りのちゃんとしてなさに文句を言っているんだけど(聴いててしんどくなるから始まったらイヤフォンする)、クライアントに向いて仕事をしてる方はクライアントに対して何をもたらすかを第一義にして働いてるし、経理は経理がメインのワークなので、お互いの正しさが違くて、この本に取り上げられるようなすれ違いを引き起こしてるんだよな〜、この本読んでその状態に気づいてよ〜と思った。思ったけど、この異なる立場の人の間に橋渡しをする作業は心に余裕がないとできないんだよな〜。まずは人の増員が必要だったりすると思う。

ゆうめい『俺』
演劇。始終ヒヤヒヤしていた。たまにものすごい心臓に悪い演劇あるけどこれだ〜〜〜〜って思いながら、観ていた。
ゆうめいの別作品の『姿』とか『兄弟』と緩やかにつながっている世界で、あ、あっちの作品ではああだったけど、こっちではこうだな、みたいな部分が面白かった。

スペースノットブランク『ウエア』
演劇。身体性だろうな、と思って見に行ったので、納得の身体、だったんだけど、やはり自分はストーリーに依存する部分まだ結構でかいので、色々ストーリーの像を結ぼうとしちゃう。いや別に、正しい鑑賞方法などないのはわかっていても気にしてしまうな!
でも、前説で話していた、役者は役として舞台に立つのではなく、メディウムとして、役者本人自身として舞台上にいるのです、役は漂います、というような話はまさに最近興味がある分野だから、インタビューとか色々読もうと思った。

しぶらく
橘屋文吾 五目講釈
柳家わさび 長屋の花見
橘家圓太郎 粗忽の釘
三遊亭粋歌 落語の仮面

観世榮夫『華より幽へ』
書籍。能のこと知りたいなとおもって、読んでみた。面白かった。けど読み終わった後になぜこれをチョイスしたのか全然思い出せなくて、能の入門書とかでは全然ないんだよなぁ……なんでかなぁ……ってなった。観世榮夫さんの自叙伝。
寺山修司とか唐十郎が活躍する少し前の、演劇界のこととかもいろいろ書かれていて、よかった。
まだ能を観に行ってないのに、ちょっと体験のお稽古とかしてみたいなって、なっている。

玉田企画『いまがオールタイムベスト』
演劇。人物描写がうまかった。ひりひりする。
初めましての人も含めて一緒に見た後に中華食べた。中華は、大皿からがしがしとるから、今はなかなか食べられないね……。
おしゃべりをしながら、森田真生という人の本が面白いよ、というのと、『思春期をめぐる冒険』という本が面白いよ、と聞いたので読むぞぉと思った。あと、好きな本を紹介するだけの会とかやろうね、と約束した。いつできるかわからないけどいつかしたいな。

ブルデュー『資本主義のハビトゥス』
書籍。面白かった! 最後の方ばばっと読んでしまったけれど、資本主義のどこに違和感を抱くのか、みたいなことを文章で納得して読めた。

『ハンガン』
映画。the hostの方がタイトルかっこいいなと思いつつ、面白かった。同じ映画を見て、その後リモートで感想おしゃべりするという試み。

『映像研には手を出すな』
アニメ。全部ちゃんと見た! おもしろかったな〜〜。漫画も好きだけど、アニメもアニメで最高だったので、3話くらいから前のめりになりながら見た。

『コタキ兄弟』
ドラマ。まだちょっと見てる途中ね〜〜。ぬるぬる見ている。

『スカーレット』
朝ドラ。前半の父親が生きている間はきみこのやることなすことが、家の貧しさや、女性であることを盾に、全部めちゃくちゃにされて、本当にしんどくて見ていられなかったんだけど、全部見てみたらめちゃめちゃ良かった……。
最後の方は朝ドラって深刻な病気を取り扱いながら、それを病気の物語ではなくて生活として描けるフォーマットとしての力があり、そしてそれを描ききるスカーレットという作品も素晴らしい……って惚れ惚れした。しっかり生きるぞ!!という作品だし、強かに生きる!と思うし、全部うまくいかなくったっていい!(離婚したって、いい!みたいな道の外れ方)って思える良いドラマだった〜〜。

あと最近はアップルミュージックで落語を延々と聴いています。好きな落語家さんいるひとはおすすめしてくだせぇ! (今のところ柳家喬太郎をいろいろ聴いています)。

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