一人色
青の向こうに見える世界。
茜色のファントムが
今日の終わりを告げる。
見えていた風景と
見えなかった言葉が
余韻を残して漂う。
わかったのは
一人であるという事。
灰色の日常が
続いているという事。
悲しいとは少し違う。
寂しいとも少し違う。
ケトルのように
冷たい水をただ温めて
一日が終わっていくような感覚。
何かが足りない。
もしかしたら
全てが足りないのかもしれない。
部屋の片隅で
ケトルからお湯を注ぎ
コーヒーを入れる。
香りに包まれる
この瞬間は幸せだ。
そうして眠りに就く。
夜は静かに
色褪せていった。
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