【超短編】 前日の夜にあなたを想う
明日はあなたに会える。
あれから一週間しか経っていないのにずっと焦がれていた。
その間に、世の中は静かに年を跨いだ。
けれども僕らの時間は年末のまま止まっている。
明日は一緒に年を越えよう。
また一年よろしくと伝えよう。
僕はそんな事を考える前日の夜が好きだ。
そもそも、何でも前日が一番楽しい質なのだ。
旅行やイベントなど、当日ももちろん楽しいのだが、前日の楽しみを越えて来ない。
やはり前日が大好きなのだ。
あなたに会う前日が人生で一番楽しいと言えるかもしれない。
だから僕は、毎日ドタキャンし、1日ずつ会う日をずらし続けて、もう3日になる。
これで毎日が前日だ。
3日目にもなるとあなたは相当ブチ切れていたね。
怖くなって来たから、明日はさすがに会おうかな。
サポートしてくれたらとても嬉しいです。