やっぱり観戦は最高だ!私なりに考えた東京オリンピックのレガシーー東京オリンピック観戦記・後編ー
「もっとたくさんの子どもたちが楽しめる東京オリンピックだったらよかったのに」切ない想いを抱きつつ、宮城スタジアムへ。
■意外とゆるかった手荷物検査
手荷物検査は思ったよりも簡素だった。想像していたのは、飛行機に搭乗する時の検査。実際は目視で金属探知機を通すのは人間の身体だけだった。サッカーW杯の手荷物検査はもっと厳しかったので意外だ。パソコンとiPadを持っていたのであまり厳しくなくて助かった。出し入れが大変だから。
ボランティアの方々はここでも優しい。そのホスピタリティに思わず「暑い中お疲れ様です」と声をかけると笑顔で「ありがとうございます」と返してくれた。
子どもたちが育てた朝顔が出迎えてくれたのも素敵。
会場に入ると選手紹介のアナウンスが聞こえていた。キックオフには間に合わなさそうなので、試合を横目にゆっくりとスタジアムを周りながら席へ向かう。
■ご自由に、と配られていたあのグッズ
コンコースのテーブルの上に何やら大量に置かれているものがあった。
正体はうちわと飴。「ご自由にお持ちください」とある。うちわはもっとたくさんの人が来る想定でたくさん作ったんだろう。ソメイティがデザインされている。かわいい。シャトルバスを降りて、少し歩いてスタジアムへ。陽が沈みかけていて風が吹くと涼しくはなってきたけど、まだ暑さを感じていた。うちわと飴はナイスなおもてなしアイテムだと思う。
■エンドレス感謝おじさん
今回私が名付けたエンドレス感謝おじさんこと、ちょんまげ隊長ツンさん。ほぼ無観客となった中、有観客になった宮城スタジアムで全力で世界への感謝を伝えていた。
メイン側からだと感謝の応援幕がよく見える。
宮城スタジアムで開催されたサッカーの試合は、7月21日、24日、27日、28日、30日、31日。合計6日間。
全てを貼って、しまってまた貼って。大変だったと思う。その功績は多くのメディアにも取り上げられていた。
東日本大震災から10年となる2021年に開かれた東京オリンピック。感謝の気持ちを全身全霊で現したツンさん。彼の感謝はこれからもきっと続くだろう。まさしく、エンドレス感謝おじさん!
■意外なところであの銀メダリストと出会う!
友人とハーフタイムから合流。手元を見るとあの銀メダリスト、五十嵐カノア選手の紙袋があった。ショップではこのサイズの袋しかないらしく、どんなに小さなものを買ってもこの袋に入れてくれるようだ。
私も欲しい。そう思ってショップへ並ぶ。結構行列ができていて、なかなかの人気だった。聞いていた通り、キャンディを買っても大きな袋に入れてくれた。
試合は延長、PK戦まであったが、ショップの営業は19時までだった。もし試合終了後も開いていたらいろんなアイテムを衝動買いしていたかもしれない。残念。
ちなみにスタジアムグルメのラインナップはこんな感じだった。観戦対策的にも飲食推奨ではないため、あまり魅力的でないラインナップになったのかもしれない。
■ハーフタイムの映像は幻の映像なのか?
ハーフタイムにソメイティのかわいい動画や開会式でも話題になったピクトグラムの映像が流れていた。
本来だったら各会場で流れていたであろう映像。流れている会場はおそらく宮城スタジアムだけだろう。私が見ていないだけで、中継や配信で流れているのかな?いいできなのでもう少し多くの人の目に触れて欲しいな、と思った。
■ベテラン選手に自分を重ねる
女子サッカー準々決勝。グループ2位になっていれば、なでしこJAPANが来ていたかもしれない試合。自国を応援できればそれ以上の喜びはないけれど、カナダ代表vsブラジル代表も大いに見どころがあった。
一番の見どころはベテラン選手の活躍。ブラジル代表のマルタ選手35歳。カナダ代表のシンクレア選手38歳。私と同年代だ。
連日活躍のニュースを聞くオリンピック代表選手は軒並み年下の選手ばかり。そんな中、数少ない同世代の活躍は嬉しい。年齢とともに落ちてくる体力・気力に抗いながら過酷な競争を勝ち抜いて代表の座を掴み取っている姿を見ると、「私も頑張ろう」という前向きな気持ちになる。
特にマルタ選手は、今大会で、史上初のオリンピック5大会連続得点を達成している。年齢制限がある男子はオーバーエイジ枠を考えてもおそらく無理だし、女子でもそんなに長く活躍してかつゴールを決めることを考えると今後この記録は破られることはないだろう。同じ記録を作る選手も現れる可能性は低い。
彼女は、FIFA最優秀選手賞も5回受賞している。日本のレジェンド澤選手は1回。男子もジダン選手とロナウド選手が3回が最高と考えるとその凄さがわかるだろう。
試合結果は、延長を通じてもスコアレスでPK戦でカナダが勝利した。ベテランシンクレア選手が最初に外しても、諦めなかったカナダ代表。
ベンチ外のスタンドにいた選手たちもピッチに降り立って、喜ぶ様子はハンパなかった。気持ちが爆発している感じ。
動画の走ってかけつける黒いユニフォームの選手たちがスタンドにいた選手たち。
試合後に歓喜にわくカナダ代表と対照的に長い時間円陣を組むブラジル代表も印象的だった。
マルタ選手が選手たちを鼓舞する姿も度々出てきた。きっとブラジル代表はこの悔しさを糧にもっと強くなるんだろう。そう思う瞬間だった。
■スタジアムで観戦の魅力と東京オリンピックのその後への想い
90分プラス延長、そしてPK戦まで。フルパッケージで楽しめたこの試合。選手たちの息遣い、声、芝の匂い、熱量。放送や配信では伝わってこないものを存分に感じることができた。
私はサッカーが好きだ。スタジアムで観るサッカーが特に好きだ。
他のスポーツを今回生で観ることができたら、別のスポーツにもハマっていたかもしれない。
テレビで魅力が伝わった競技もたくさんある。競技の存続、強化、盛り上げにはオリンピックが終わった後も重要だ。機会を見つけて観に行ける競技は直接観戦して観たいな、と思った。生でしか伝わってこないモノ・コトがきっとたくさんあるに違いない。
いやぁ、観戦って本当にいいもんですね〜(水野晴夫さん風に)
きっとこの一言が頭をよぎるだろう。
東京オリンピックは観戦の機会の多くが奪われる結果となってしまった。でも、その代わりに放送や配信を見る機会は多かったのではないか。
東京オリンピックが終わった後に、実際に会場に運ぶ機会・継続的な興味を持つことにつながれば、それは各競技にとって立派な東京オリンピックのレガシー(長期にわたる、特にポジティブな影響)になると思う。なって欲しい。
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