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11月19日(日):書籍「体育が嫌い」から、「体育」を「フィットネス」の文脈に置き換える

このところは先月に出版された書籍「体育が嫌い」のことを取り上げていますが、本日もその続きをもう少しばかり。

同書では明確に「運動嫌い」と「体育嫌い」は違うと定義されており、体育嫌いになってしまう理由として以下のような要素が挙げられていました。

・強制的、規律的な側面
姿勢や態度などの規律的な面への過度な繰り返しの指導や、やるべき事柄を強制されることで息苦しさを感じる

・「公開処刑」による恥ずかしさ
一緒に授業を受ける皆の前で何かをしなければならず、失敗した際の嘲笑やできないことへの批難など、視線にさらされるなかでできないことをやらなければならない心理的負担

・体育教師像
「体育教師っぽさ」というフレーズで思い浮かぶような厳しさ、高圧的な体育教師の態度やイメージが苦手意識を助長する

・スポーツにまつわる勝ち負け
体育の中では球技をはじめとしたスポーツ種目に取り組む時間もあり、勝ち負けにこだわる小学生の直情的な言動によって虐げられる場面がある。そうしたなかでの優劣、比較による劣等感など。

私たちはフィットネスクラブを運営する民間企業なので、直接的に学校の体育の授業を行うわけではありません。

それでも本書を手に取ったきっかけのひとつは自社が運営するスクール制小型フィットネスクラブにいらっしゃるお客様もまた、必要性を感じてご入会・継続をされているものの、元来は決して運動が好きではない方々が多くを占めているので、そうした諸々への理解が深まればと思ってのことでした。

おそらく私たちのクラブへ通われているお客様のなかにも体育が嫌いだった方はいたでしょうし、そこから派生して運動嫌いになってしまった方もいるはずです。

加えて自社のクラブへ入会される方の半数近くは、以前に一般的なフィットネスクラブ(大型総合クラブ)へ入会したものの、そこでは長く続かずに退会をされた方々です。

そうしたお客様のなかにはフィットネスクラブで挫折をしたり、あまり好ましくない印象をお持ちの方もいるはずで、その引き金になっている要因は前述した「体育が嫌いになる理由」と重なる点が多分にあると思っています。

とりわけフィットネスクラブでの仕事に従事する人の多くは、もともとスポーツが好きだったり、得意だったケースが多くを占めます。

それだけに体育嫌い、運動嫌いになってしまう方の心理の理解が不十分になりがちだから、あえて先に挙げた要素を「体育」から「フィットネスクラブ」の文脈に置き換えて、お客様に対する指導やご案内に際して注意を払っていく必要があるでしょう。

トレーニングのご案内が強制的になっていないか、衆人環視のなかで公開処刑をしていないか、できないことへのまなざしが温かなものになっているか、上から目線で厳しいトレーナー像になっていないか、などなど。

必ずしもフィットネスクラブや運動を好きになってもらう必要はありませんが、クラブやトレーナーが「嫌」になってしまえば、運動を続ける意欲もわきません。

だからこそ「やってはいけないゾーン」に足を踏み入れないように気をつけることが大事だと思います。

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