10月26日(木):黒田監督の「原理原則の徹底」
JリーグのFC町田ゼルビアがJ1初昇格を決めたに端を発して、高校サッカーの監督からJリーグの監督に転身して見事な結果を残した黒田監督のことに触れています。
黒田監督の記事などを見聞きした私の印象は論理が明確で、なおかつ話していることの解像度が高く、表現や例えが極めて的確だと思っていたので、昨日からは黒田監督の過去のインタビュー記事を振り返りながら、組織づくりの話などをしています。
さて、本日も「GOETHE」のweb版で今年の5月に連載されていた黒田監督のインタビュー記事からピックアップしたものをもう少しばかり。
昨日は「負けない組織のつくり方」として、コンセプトをチームに浸透させ、原理原則を通じて負ける因子を取り除き、実際に試合に負けた際にはコンセプトに立ち返って問題を掘り下げて改善を図るアプローチについて記しました。
そこでも出てきましたが、「負けない」「失点をしない」ためには、失点につながる要因、悪い習慣を排除することが不可欠で、そのためには原理原則を徹底する必要性が説かれています。
実際にJ2の第39節を終えた現時点での町田ゼルビアは失点数が34とリーグでは3番目に少ない数字になっており、昨シーズンの50失点からは大きく改善が進み、それがチームとして躍進できた要因のひとつだろうと思います。
そんな失点しない、負けないための原理原則について、記事では以下のように語られています。
「今やっていることがJ1で通用するかどうかは別の問題として、今のJ2では自分なりの分析で失点を振り返ることにより、プロ選手なのに高校生よりも周知されていない点、いわゆる基本的なプレー(原理原則)が徹底されていない点が多く見受けられました。もちろん、プロですから高校生より優れている点は多々あります。その指導の過程で高校生でもプロ選手でもマネジメントの方向性は同じだという私自身の気づきもありました。」
「失点の原因は『原理原則』を怠った悪い習慣にあり」
「分かりやすくいえばクルマの運転と同じです。免許取り立ての若葉マークの頃は基本に忠実に運転しますが、数年経つと、例えば安全確認を怠ったり、制限速度を守らなかったり、緊張感が欠落するものです。そうすると、大きな事故に繋がる可能性は高くなります。ディフェンスの原則も同じです。プロの選手でも何年か経つと、状況確認やリスク回避を怠ったり、また守備時にマークを外しても誰かが何とかしてくれるだろうと、少しずつ責任感が緩くなっていきます。それが失点の原因となり、改善不能な習慣として根付いていくのです。」
「初心者の頃に教習所で教わった『原理原則』を日々徹底していれば、通常の運転でも大きな事故を回避できますよね。まったく同じように、サッカーでも基本的なことを徹底したうえで、様々な応用を積み上げていくことが重要なのです。昨シーズンまでの失点は、高校生でもきっちり指導されているレベルの習慣が浸透されていないことが原因でした。」
「この類の失点を減らすため、選手たちに失点の原因を具体的に伝えて、改善するよう働きかけました。新しい選手が多数入ってきたこともあり、昨年のチームとは異なる状況にあるかもしれませんが、今季は失点を30以下に抑えることを目標に、さらなる改善に取り組んでいきます。」
失点数を30点以下に抑えることを目標にしていたところからすると、現状の34失点は監督のなかではまだまだ改善の途上なのだと思いますが、細部を徹底していく意図や必要性は先のコメントから十二分に伝わってきますね。
またチームづくりを進めるなかで監督が感じた「高校生でもプロ選手でもマネジメントの方向性は同じだ」という気づきもまた、私にとっては参考になりました。
レベルの如何を問わずにやるべきことは同じであって、どんなカテゴリーであっても原理原則を外して勝てるものはない、ということなのだと思います。
私たちは民間のフィットネスクラブを運営する企業なので、プロサッカークラブとは全くの畑違いですが、フィットネスクラブ運営における原理原則はあります。
昨今はフィットネス業界も多業態化しているものの、外してはいけないポイントはあって、そこでの原理原則に立ち返ることの必要性が再確認できた気がします。
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