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【会話分析】アドバイスがほしいんじゃないんです。

質問です。

これは、来年から社会人になるAさんが、社会人の先輩Bさんとの会話です。
この会話の後に、Aさんは不満を感じています。
何がトラブルの原因になったのでしょうか?

A「(不満げに)今度、内定の出た会社、最初の一年は研修で(引っ越しが必要な)〇〇県まで、いかないといけないんですよ〜。」
B「すぐ慣れるよ。私も、一人暮らしも転勤も経験したけど、楽しかったよ」
A「・・・」

会話の研究をしたいので、そんなことくらいで怒るなよとかいうのはここではやめます。
会話の後にモヤモヤするには必ず理由があるという仮説を立てて考えていきます。

気になる方は、続きをチェックしてみてください。

Aさんがストレスを感じた理由

あくまでも私の見解ですが、Aさんが不満を感じる前のセリフが気になります。

B「すぐ慣れるよ。私も、一人暮らしも転勤も経験したけど、楽しかったよ」

環境の変化がいい悪いは別にして、内容自体には、特に問題は見られないと思います。特に間違ったことを言っているわけでもないです。

では、Aさんが不満を感じた理由はなんだったのでしょう?
そこで、考えたいのは、Aさんは、どんな答えが欲しかったのか?ということです。

環境の変化や、未知の経験に対して不安を話すAさんが、欲しかったのは、共感である気がします。

それに対して、Bさんは、共感ではなく、アドバイスを送っています。

おそらくBさんは良かれと思って言ったことだと思いますが、表面的な言葉では、問題なくても、言葉の裏にある感情が、Aさんと、Bさんでずれています。
これが、トラブルを生んだ原因ではないでしょうか?

共感を求めている相手に、アドバイスを先にしてしまうことは、どんな良いアドバイスでも的を得ていないものとなります。これは、危険なことだと思います。

どうすればよかったのか?

では、どうすればトラブルを回避できたのかを考えてみます。

ポイント①〜共感の言葉を入れる〜
Aさんが欲しかったのは、環境の変化や、未知の経験に対して不安に対する共感なので、それを共感する言葉を入れてみます。

A「内定の出た会社、最初の一年は研修で(引っ越しが必要な)〇〇県まで、いかないといけないんです。」
B「う〜ん、それは大変だね。」

これで新しい環境への不安が消えるわけではありませんが、話を聞いてもらえたという安心感が生まれたのではないかと思います。

ポイント②〜自分の意見は自分の意見としていう〜
最初にAさんへの共感を入れましたが、だからといって、自分の意見を変えるのは、違う気がします。ですから、その意見はそのまま伝えます。

A「内定の出た会社、最初の一年は研修で(引っ越しが必要な)〇〇県まで、いかないといけないんです。」
B「う〜ん、それは大変だね。でも、私も最初は、不安だったけれど、すぐ慣れるよ。私も、一人暮らしも転勤も経験したけど、楽しかったよ」

それじゃさっきと同じじゃないか?と、思われるかもしれませんが、その前に、共感して、話を聞いてもらえる安心感が生まれたAさんは、最初の会話に比べると、話を聞ける気持ちになっていると思います。

もちろん、これで、新しい環境への不安が消えるわけではないですし、不安が大きければ、どんなアドバイスも聞き入れてもらえないかもしれません。
Bさんがそうだったからといって、Aさんも同じように思うかは分かりません。
余計なことを言わない方が、いい場合もあると思います。

ポイントは、Aさんが言葉を発した時に求めていることへの対応をすることだと思います。アドバイスを求めていない相手に、アドバイスをしてしまうことは、どんな良いアドバイスでも的を得ていない危険性があります。

アドバイスの前に、言葉の裏にある目的に対する答えをする。
自分の意見を言う事も大事ですが、まずは、相手が何を求めているのか?をキャッチすることが、楽しい会話につながると思います。
これは、普段意識していない方にとっては、とても難しいことかもしれませんが、ちょっとした工夫で、お互いハッピーになるならとても良いことだと思います。

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