見出し画像

大抵のことはできません


2023年4月23日(日)朝の6:00になりました。

上手は下手の手本であり 下手は上手の手本である。

どうも、高倉大希です。




「できない」が「できるかも」になっている状態は、とても豊かだなと思います。

「できる」が豊かなわけではありません。

「できる」が増えると、さらにその先の「できるかも」が見えるようになるから、より豊かになるのです。


そう考えると、目の前に「できない」があるという事実は、案外しあわせなことなのかもしれません。

その「できない」に「今は」という枕詞をつけることさえできれば、未来はほんのすこしだけ明るくなります。


あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
古賀史健(2013)「嫌われる勇気」ダイヤモンド社


一方で、「できている」という感覚は非常に危険です。

みんなから褒められはじめたら、要注意です。

その先につづく「できるかも」の豊かさを捨てて、その場に安住することを望むようになるからです。


もしかすると、そこにじっとしていれば楽なのかもしれません。

しかし、いざ拠りどころとしていた「できている」が通用しない場面にでくわすと、大きな挫折を味わうことになります。


10代や20代なのであれば、思い切り砕け散ってみればよいのかもしれません。

ところが30代以上になると、おそろしいことに、思い切り砕け散ることすらできなくなってしまいます。


ぼく自身の仕事のうえでは、「自分はこういう方向で行くんだ」というように決めつけるとあぶない、という気がしています。
吉本隆明、糸井重里(2004)「悪人正機」新潮社


「できない」に頭を悩ませている人と出会うと、「どうしてそもそもできると思っていたのだろう」と考えてしまいます。

「できる」が前提にあると、そりゃあ「できない」との差分が生まれて当然です。


前述のとおり、この差分が大きな挫折に繋がります。

きっと、過去に積み上げてきたものを否定することが嫌なのでしょう。

「できる」が「できない」に変わったと思い込んでいるのです。


この考え方は、大きく間違っています。

これまでの積み上げが無駄になったわけではありません。

これまでの積み上げがあったからこそ、新たな「できない」に出会うことができているのです。


あとは、そこに「今は」という枕詞をつけるだけです。


多くの人が気付いていることを僕だけが知らないということがよくある。(中略)「生まれ方も死に方も選べないけど、生き方は選べる」ということに僕が気付いたのは最近のことだけど、それもみんな当然のことだと知っていたのだろうか。
又吉直樹(2023)「月と散文」KADOKAWA


大抵のことはできません。


そして、大抵のことはできるようになります。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。