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すべては何かの一部です


2023年6月17日(土)朝の6:00になりました。

夜行バスに乗って、神戸に弾丸帰省中です。

どうも、高倉大希です。




あなたの目の前にいる人が見せるその姿は、その人の人生のほんの一部です。

あなたが読むその本に書かれていることは、その人の表現のほんの一部です。

毎日やってくる朝の6:00は、その日のほんの一部です。


この世界のすべてを、知ることなんてできません。

すべては、何かの一部です。


どんな言語であれ外界を切り分けるときは、現実においてー似通ったものをひとまとめにする必要がある。

ガイ・ドイッチャー(2022)「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」早川書房


だからこそわたしたちは、一部からすべてを想像するしかありません。

統計学で言うところの「標本調査」です。

テレビの視聴率や、選挙の出口調査とおなじです。


ただし、標本調査には必ず誤差が生じます。

調査に利用した「一部」が特異なものかもしれないという懸念を、拭い切ることができないからです。


だからこそ、標本調査を行うにしても、できるだけたくさんの「一部」を集めます。

ひとつだけで判断することは、絶対にありません。


人間は、誰かとの関係の中で、その人のための分人を常に生み出している。お互いにです。相手の中には、あなたのための分人が生じる。一対のセットとして、言葉や感情のやりとりをしている。個性というのは、だから、唯一普遍の核のようなものじゃないんです。

平野啓一郎(2015)『空白を満たしなさい(下)』講談社


それにも関わらず、わたしたちは人間に「本性」があると信じています。

芸能人のゴシップを耳にして、「これがこの人の本性か」と、思い込んでしまうのです。

記者たちも、まるで首を獲ったかのように、その「一部」を「本性」として晒します。


くり返しになりますが、すべては何かの一部です。

一部が全部になることは、ありません。


全豹一斑(ぜんぴょういっぱん)
物の見方が狭量であること。物事のある一部分だけを見て、全体を批評すること。豹の体にある一つの斑点で豹全体を言うという意味。

goo 辞書」2023.6.17 5:13



「全豹一斑」という四字熟語があります。

意味は、上記のとおりです。


もし目の前のものごとが「全体」に見えたのなら、あなたの視野が狭いだけかもしれません。


今日のこの記事だって、全体のほんの一部です。

この記事だけを読んで、柄の判断はできません。


だからこそ、過去の記事も読みましょう。

そして、明日以降の新着記事も読みましょう。


これが、今日言いたかったことのすべてです。





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