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柿の種

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毎朝6時に更新します。
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#子育て

ただの土に水をやる

2024年6月20日(木)朝の6:00になりました。 黒い大地の中に蒔かれた種子は、すでにして勝者だ。 どうも、高倉大希です。 撒いた種が芽を出すまでには、ある程度の時間が必要です。 撒いた途端に、芽が出ることはありません。 何も見えないただの土に水をやり。 次の日も、何も見えないただの土に水をやり。 明日こそは芽が出るはずだと、水をやり。 さすがにそろそろ芽が出るはずだと、水をやり。 もしかしたら、種なんて撒いていなかったんじゃないか。 そう疑いたくなっ

申し訳なさを更新する

2024年6月2日(日)朝の6:00になりました。 しかし君、恋は罪悪ですよ。解っていますか。 どうも、高倉大希です。 力不足で、申し訳ない。 小学校の学級担任を務めていたころは、毎年のようにこう思っていました。 べつに、何かがあったわけではありません。 子どもたちは健やかに、次の学年へと進級します。 それでも1年を終える度に、申し訳なさでいっぱいになります。 彼らのためを思うと、本当に自分なんかが担任でよかったのだろうか。 他の先生だったら、もっとうまくや

子どもをもつことは、死ぬ自由を失うこと

2024年5月13日(月)朝の6:00になりました。 子どもたちの声がなくなったら、この世がどんなに単調になるか考えたことある? どうも、高倉大希です。 結婚してよかったことは、結婚について他者から言及されなくなったことだ。 作家の西加奈子さんが、こんなことをおっしゃっていました。 結婚が、人生を豊かにする。 結婚は、人生の墓場だ。 結婚については、様々な人が語っています。 そんな中でも唯一腑に落ちたのが、はじめに紹介した西さんの言葉でした。 子どもをもつこ

満腹の子どもは飯を食わない

2024年5月3日(金)朝の6:00になりました。 この世のすべての食材に、感謝を込めていただきます。 どうも、高倉大希です。 満腹の子どもは、飯を食わない。 教育業界で仕事をする中で、学んだことのひとつです 知りたいと思っていない子どもに、いくら勉強を教えても一向に定着しません。 聞きたいと思っていない子どもに、いくら話をしても一向に伝わりません。 逆に言うと、優れた教育者は空腹にさせるのが上手です。 出す飯がうまいのではなく、子どもの腹を空かせるのがうまい

想定外を歓迎する

2024年4月12日(金)朝の6:00になりました。 もう誰の言うことでも予想つくくらい、長いあいだ悩んだんだもんね。 どうも、高倉大希です。 学校の先生は、トラブルを嫌います。 子どもの喧嘩がはじまれば、すぐに仲裁に入ります。 自分のクラスで喧嘩が多いと、指導力が足りていないと思われてしまうからです。 対応に時間を取られて、当初の予定が狂ってしまうこともよくあります。 先生からしてみれば、トラブルなんて起こらないに越したことはありません。 出てこようとしてい

よくわからないものはとりあえず載せる

2024年3月24日(日)朝の6:00になりました。 問う能力がないから、答えを持っている人もいる。 どうも、高倉大希です。 おもしろいものはもちろん載せるし、つまらないものはもちろん載せない。 そして、よくわからないものはとりあえず載せる。 とある漫画家さんが、編集長からこのように言われたそうです。 この判断がなければ、作品が世に出ることもなかったわけです。 わからないものをどう扱うか。 ここにその人の度量が、表れるのだろうなと思います。 わかるものと、わ

「自分がされて嫌なことは他人にもしない」は言うほど万能じゃないぞ

2024年3月20日(水)朝の6:00になりました。 みんなちがって、どうでもいい。 どうも、高倉大希です。 朝日を見て、新しい1日のはじまりを気持ちよく思う人がいます。 その一方で、朝日を見て新しい1日のはじまりを憂鬱だと思う人がいます。 ひとりでいることを、寂しいと思う人がいます。 その一方で、ひとりでいることを楽しいと思う人がいます。 罵声を浴びせられて、苦痛に思う人がいます。 その一方で、罵声を浴びせられて快感に思う人がいます。 自分がされて嫌なこと

褒めて生まれる勘違い

2024年3月15日(金)朝の6:00になりました。 褒める者が一人いれば、十人の敵がいると思いなさい。 どうも、高倉大希です。 「桃鉄に枚方市を追加してください」 桃鉄ゲーム監督の前でガチプレゼン 大阪・枚方市小倉小学校の6年生 先日、こんなタイトルのニュースを見かけました。 小学生がゲーム監督に向かって、枚方市の魅力を一生懸命に伝えたそうです。 そんな小学生に対して、ゲーム監督はこう答えます。 「無理です」 なかなかに痺れる回答です。 ごもっともすぎて

学校の先生は大人の一例でしかない

2024年2月3日(土)朝の6:00になりました。 その前半は黒板を前にして坐した、その後半は黒板を後にして立った。 どうも、高倉大希です。 学校の先生は、子どもたちの模範でなければならない。 そんな思い込みが、妙な人間関係を生み出しているような気がします。 学校の先生は、人間です。 所詮は、大人の一例でしかありません。 たまたま出会った先生を、ロールモデルにする必要なんてありません。 そもそも、クラス全員にとっての模範になんてなれるわけがないのです。 学校

理想は「いなくなってもいい」なんだろうな

2024年2月2日(金)朝の6:00になりました。 自分はいま幸福かと自分に問うてみれば、とたんに幸福ではなくなってしまう。 どうも、高倉大希です。 理想は「いなくなってもいい」なんだろうな。 子どもたちと過ごしていると、いつもこう思います。 「この人がいなければできない」では、あまりにも不安定です。 「いなくてもできる」を、目指さなければなりません。 だからこそ、通過点として機能する必要があります。 いつまでも一緒にいるなんて、生物である限り不可能です。

過去の自分を救い出す

2024年1月25日(木)朝の6:00になりました。 おとなは、だれもがはじめは、こどもだった。 どうも、高倉大希です。 1万円をつかって、大食いをしてみたり。 好きなゲームを買って、好きなだけプレイしてみたり。 子どもの頃にやりたかったことを、企画にしている YouTuber をよく見かけます。 時間も財力もある大人だからこそ、実現できる企画です。 子どものころに抑制されていればいるほど、大人になったときに爆発する。 そんな話も、よく耳にします。 自分がい

教えたがり

2024年1月19日(金)朝の6:00になりました。 かつての我々とは、違ったものになるがゆえに自由なのである。 どうも、高倉大希です。 誰かの役に立ちたい。 誰かに必要とされたい。 わたしたちは、このような願望を抱いています。 なぜなら、そこに自分の存在意義を見出すことができるからです。 何かを与えているようで、実は与えてもらっています。 ここにいてもよいのだと、承認してほしいのです。 だから、質問をする後輩は先輩に好かれます。 頼りにされているという実

わかりやすさは思考を奪う

2023年12月17日(日)朝の6:00になりました。 わかることが増えると、わからないことも増える。 どうも、高倉大希です。 学校の先生になりたてだったころ、必死になってわかりやすい授業をつくろうと頑張っていました。 あの手この手で、ひたすらにわかりやすさを追求しました。 この授業の黒板は、こんなふうに書き進めてみよう。 この授業の解説は、プリントで補足してみよう。 自分の説明で子どもたちが「わかった!」と言ってくれることが、とてもうれしかったのです。 子ど

感情は期待と現実の間に生まれる

2023年12月14日(木)朝の6:00になりました。 ひと粒の木の実は、いくつもの森を生む。 どうも、高倉大希です。 はやく大人になりたい。 子どものころは、ずっとそう思っていました。 どれだけ真剣に話しても「子どもが言っていること」というフィルターを通して受け取られることが、嫌で仕方がなかったのです。 だから、はじめから期待しなくなりました。 どれだけ話したところで、どうせ伝わりやしません。 所詮は子どもが言っていることだと、受け流されておしまいです。