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第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会 概要

第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会 概要(本文2,401文字)
 
 
内閣府消費者庁は、令和6年10月1日に「第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会」を開催しました。
 

<趣旨>
現在、コーデックス委員会で「技術革新を利用した食品情報提供ガイドライン」の策定が進行中である。我が国も積極的に対応する必要があり、政府は国際基準を考慮しつつ食品表示制度を議論している。令和5年度懇談会では中長期的方向性を、令和6年度では個別品目の表示ルールとデジタルツール活用を議論予定である。
 
 
<議題>
1. 令和6年度食品表示懇談会開催要領について
2. 令和5年度食品表示懇談会取りまとめについて
3. コーデックス食品表示部会の動向について
4. 食品表示へのデジタルツール活用に関する消費者庁の取組
5. 食品表示へのデジタルツール活用に関する海外での取組
6. 今後の分科会の進め方
 
 
<議事内容>
1. 令和5年度食品表示懇談会取りまとめ
1-1. 諸外国との表示制度の整合性
・ 我が国の状況や国際基準(「包装食品表示に関するコーデックス一般規格」)に合わせる方向で調整

1-2. 個別品目ごとの表示ルール
・ 横断的基準に基づき見直し、消費者の要望を考慮
・ 表示基準の妥当性を定期的(例:年1回)に確認

1-3. デジタルツールの活用
・ 容器包装に代わる情報提供手段を検討
・ 新たな情報管理方法や提供手段を議論

1-4. 改正内容の施行時期
・ 施行時期や経過措置期間を調整し、予見可能性を高める

1-5. 消費者への周知
・ 食品表示制度の周知普及を実施

1-6. 議論の進め方
・ 専門家による議論の場を設置し、令和6年度からはデジタル活用と個別品目の表示ルールの2分科会を設置

 
2. コーデックス食品表示部会の動向について
電子作業部会(EWG)において議論された主な論点;
2-1. 商業情報や広告の扱い
・ 商業情報の意味が曖昧である点や、通常の容器包装上のラベルには制限がない点の指摘

2-2. テクノロジーを使用して食品表示情報が提供される場合、その情報はいつまで利用可能でなければならないか
・ 消費期限のある食品はその消費期限まで、賞味期限のある食品や期限表示のない食品は安全である限り利用可能とすること

2-3. 食品表示情報の提供が、テクノロジーの使用のみによって行われるべきではない場合について
・ テクノロジーの使用のみによる提供事項として「名称」を追加し、健康及び安全に関する情報の例示を削除。また、「ラベル又は表示がないことにより消費者の健康に害を及ぼしうる場合には」を削除

2-4. テクノロジーについての消費者の理解に係る規定
・ 消費者が同じように理解している証拠があることを考慮事項として追加

 
3. 食品表示へのデジタルツール活用に関する消費者庁の取組
アプリケーションを活用した食品表示の実証調査事業の概要を説明;
3-1. アプリケーションを活用した食品表示の実証調査について
・ デジタルツールにより食品表示情報を確認することについて、81.0%が「見やすくなった・より内容を理解できた」と評価
・ 視認性の向上やアプリ機能による栄養成分表示の理解が理由
・ 商品選択の変化について、85.0%が「変わった」または「将来は変わる可能性がある」と回答
・ 今後も利用したいアプリ機能として、アレルギー物質アラート機能や栄養成分の強調機能が挙げられた
・ 84.0%が「アプリで確認できると良い情報がある」と回答し、特に原料原産地や添加物情報に対するニーズが高い
・ 70.0%が「商品を選択する上で参考にしたい」と回答
・ パッケージへの記載ニーズが依然として高いが、アプリでの補足説明や詳細確認を望む声もあった
・ パッケージ上の表示とデジタル情報提供の併用が必要

3-2. 食品表示データの取扱い等に係る実態調査について
・ 食品表示データの取扱い実態と課題の把握、オープン化の影響や意向の確認を目的にヒアリングを実施
・ 各事業者はオープン化の推進が必要であると認識
・ 課題として、商品規格書フォーマットの不統一やデータの正確性・適時性が挙げられた
・ 現状、食品表示データは自由に閲覧・活用できない
・ オープンデータ化により、分散管理型のデータ管理が可能である
・ 無償かつ制約なく利用可能なオープンデータが望ましい

3-3. 今後検討すべき技術的論点
①食品表示データのフォーマット
②食品表示データの鮮度及び正確性の担保
③食品表示データの流通方法
④食品表示データのオープン化に向けた仕組みづくり
⑤加工食品を一意に識別する方法
⑥データ流通に向けた段階的なロードマップの提示

 
4. 食品表示へのデジタルツール活用に関する海外での取組
食品表示情報の提供へのデジタルツール活用に係る海外実態調査の概要を説明;
4-1. 諸外国におけるデジタルツールを活用した食品表示情報提供の規制情報の調査

表 諸外国における規制情報調査結果概要

・ インドネシアではQRコード表示の義務化と国家機関による製品情報データベースの管理。
・ 韓国、EU、アメリカでは一部表示項目のQRコード表示を認める規制があるが、詳細な規定はない。
・ デジタルツールで安全性表示や個別商品表示を代替する規制は確認されなかった。

4-2. 諸外国におけるデジタルツールを活用した食品表示情報提供の事例調査

表 諸外国における事例調査結果概要

・ デジタルツールを活用した食品表示情報の提供事例が見られた。
・ データベース管理を国家が主導する事例はインドネシアと韓国のみ。
・ 運用主体として国家、業界団体、NPO法人、民間企業の事例が確認された。
・ デジタルツール利用促進のためのサポート機能や教育の取り組みが見られた。
 

5. 今後の分科会の進め方
下図のとおり。

図 食品表示懇談会の今後の進め方のタイムスケジュール

 
<配布資料>
資料1 令和6年度食品表示懇談会開催要領
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241001_02.pdf
資料2 令和5年度食品表示懇談会取りまとめ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241001_03.pdf
資料3 コーデックス食品表示部会の動向について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241001_04.pdf
資料4 食品表示へのデジタルツール活用に関する消費者庁の取組
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241001_05.pdf
資料5 食品表示へのデジタルツール活用に関する海外での取組
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241001_06.pdf
資料6 今後の分科会の進め方
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms201_241001_07.pdf
 
 
 
<一次情報>
第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_014/039420.html
第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会の開催について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/039294/
第1回 食品表示へのデジタルツール活用検討分科会の開催について
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms201_240920_01.pdf
 
<関連情報>





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