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【認知症介護メモ】自宅なのに「家に帰りたい」・・・話をそらし、落ち着かせる

認知症の母。
晴れた日の朝は、会話のつじつまの合う事が多い傾向。
なぜなら、自ら新聞に目を通し、時事問題の話をするからだ。

天気が悪く、調子の良くない時(本人に調子の悪いという自覚なし)は、
写真のとおり、自室の鏡台にしまってある化粧品を袋に詰めたり、
荷物を1カ所にまとめたりして
「家に帰ろうかと。おじいさんの家につれてって」と私に声を掛けてくる。

ちなみに、おじいさんとは母の父親にあたる人、私の祖父である。
肺がんで亡くなって33年。
親戚一同で葬儀もしてしっかり天国へ見送ったのに、
記憶に残ってないようだ。

短期記憶ができず、昔の記憶はスラスラ言えるはずなのに、
調子の悪いときは、実父の死まで記憶から消えてしまうなんて、
ほんとに認知症は不思議だ。

つじつまの合わない状況の場合、そのあとにデイサービスの予定があれば「リハビリからお迎えが来るので、準備しましょう」と声をかけると、
スイッチが入ったかのように準備モードに突入。
”帰りたい”という欲求は減少する。
ただ、ほんとに減少・微減というレベルで、
オヤジに「お世話になりました。お元気で」と
お別れのあいさつをして出て行く。
こうなったら、オヤジとともに苦笑いして送り出すしかない。

困るのは、何も予定がない、休みの日。

なにか家の中で役割を与えると、
そのことに集中して”帰りたい”欲求が消える(忘れる)と
聞いたことがあった。
家は2世帯仕様なので、トイレが父母用に1カ所設けてある。

試しに「自分のところのトイレ掃除でもしたら」と言ってみた。
すると「洗剤は?ブラシは?」と聞いてきた。
母は総合病院の掃除スタッフとして働いていたから、
頭が仕事モードになった様子。
結局30分ほどかけて床・壁まで拭く徹底ぶり。
それが終わったら、自分の部屋に戻っていった。

写真の片づけられた荷物は、
トイレ掃除中に私が部屋の各定位置に、そっと戻しておいた。

認知症の「忘れる」という特徴を生かして、
一度話をそらすと、言い争うことがない。

いい意味で適当な対応がちょうど良いと気づいた、今日この頃である。

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