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出不精旅日記 8日目 入れない場所、菜食と般若心経と台湾音楽と

カメラマン(Mちゃん)と、あちこち痛くて服が濡れた人(夫)とともに、次の眷村(けんそん)、嘉禾新村を見に行きます。
※眷村(けんそん)については前回の旅日記をご覧ください。

バスを降りて…

ぐいぐいと案内してくれるMちゃん
足元を見ると…Mちゃんと同じ帽子!

10分ほど歩いたでしょうか…

着きました!

入口に行ってみると…

あら、あららら…

仕方ないですね。こちらの見学は次回の楽しみとしましょう。
ですが、せっかく来たので隙間から撮影⇩。

きれいにリノベしています。ここは長屋風ではないですね
お庭もモダン

一口に眷村といっても、様子はいろいろあるらしい…ということがうっすら分かりました。
入れなかったのは残念ですが、次回また来ます!!

お腹も空いてきました。
気を取り直してランチに行きましょう。
夫は
「さっき打ったところが今になって痛んできたよ。あと服が濡れたままだから寒いなあ。コインランドリーないかなあ」
と言っています。
コインランドリーがないかキョロキョロしつつ、歩きます。

のんびりと10分ほど歩くと、Mちゃんが調べておいてくれたベジタリアン料理(素食)の店がありました。
バイキングだそうで、好きなものをとって重さを量る「量り売り」です。
どれも美味しそう(^▽^)
数えたら30品目ほどありましたが、全部は食べられないし…

私のプレート。肉、魚、乳製品不使用でこの多彩さ。


夫のプレート。この後、お代わりしていました。

素食(すうしい・ベジ料理)は美味しい、という話をすると日本では
「とは言っても味気ないんでしょ?」
と言われることが多いのですが、台湾はベジタリアン人口が多いせいか、調理法も味のバリエーションも豊かで、全体のレベルはかなり高いと思います。

お値段も高価ではなく、普通(安くはない)。
出来たてを提供する場合少々お高くなりますが、今回のような作り置きを食べる(温めてくれる場合もあるし、冷えていることもある)場合はより普通。
ベジタリアン向けのお料理は日本だと少々「意識高い系」の香りがしますが、ごく普通の庶民の味として親しまれています。
私のように乳製品もお肉も「味は好きだけれど消化が苦手」(胃腸が弱くてお腹を壊しやすい)タイプは、こういうお料理が本当に有難いです。

ちなみに私達がはじめて素食を食べたのは渡台2回目、場所は台南でした。
地元の方が使う、すごく庶民的な素食専門食堂で、それがすごく美味しかった!!
当初は「どうなんだろうねえ?」と懐疑的だった夫もすっかりはまり(笑)以来素食という看板を見かけると引き込まれます。
ちなみに素食専門店でなくても素食メニューを用意している店もそこそこ見かけます。そのくらい菜食人口が多いのですね。

感動した私はこんな本も買いました⇩

パクパクと美味しく食べていましたが、ふと壁を見上げると「般若心経」が。
夫がお店の方に
「妻は毎朝般若心経を唱えます」(中国語)
と言うと、
「本当!? 私もよ! いいわよね~般若心経」
共通項があると一気に場が和みますね。
「仏教徒だから肉食しないのですか?」
と聞きたかったのですが、英語が通じず、夢中で食べている夫やMちゃんに通訳を頼むのも気が引けて、この件は謎のまま。 
般若心経が広く愛されているお経だということは、改めて分かりました。

般若心経とMちゃんと私。
ちなみに右の人(私)、毎日唱えていますが空については全然分かっていません。

そこに突然Mちゃんのお友達が!
30代くらいの溌剌とした元気な女性です。
「日本人がいるというから来てみたの!」
とにこにこ(^▽^) 。
どうやらMちゃんのSNSを見て、わざわざ来てくれたようです。

彼女は海外アーティストを台湾に呼ぶお仕事をされているそうで、
夫とMちゃんと早速台湾の音楽話で盛り上がっています。
私は中国語が分からないので時折夫に通訳してもらい、また会話の中の単語や人名を拾って「今こんなこと話てる?」と推測したり。
今、台湾で流行しているバンド、台湾の人達が注目している海外アーティストなどの情報交換です。

ちなみに台湾は1987年まで戒厳令が敷かれていたため、それまではあまり海外情報が入りませんでした。90年代にどっと海外カルチャーが流れ込み、音楽分野でも堰を切ったように各国の音楽シーンが伝わってくるように…。
とはいえインターネットが暮らしのインフラになる少し前のことですから、世界各国の音楽ニュースといっても何もかも簡単に情報収集できるわけではなく、結果的に近場で人的交流も盛んな近場の日本の影響がものすごく大きくなりました。

ですから台湾ポップスや台湾ロックを聞いていると90年代の日本の音楽を感じることがとても多いのです。
それもいわゆる「渋谷系」っぽい(若い方は分からないかったらごめんなさい、40代以上の方はピンとくると思います)。
はじめは私達もびっくりして
「これは小西さん(ピチカートファイブ)が楽曲提供してるの?」
「コーネリアスって中国語で歌ってた?」
「ブリッジのカジくん…」
「JUDY AND MARYのYUKIだよね?」
と懐メロ早押しクイズ状態でしたが、全部不正解で台湾の人達が作って歌っているのです。
※日本人が楽曲提供していることもあります。ざっくりした話ですみません。

もちろん上記はそういう傾向の音楽もある、ということで、その流れではない素晴らしい作品も沢山あります。
最近は伝統的な歌唱法とポップスを融合させたバンドが人気だったり(聞きに行きました!)、継承された豊かな文化を現代的にアレンジする、ちょっと真似できないオリジナリティを生み出す人達も。
また渋谷系っぽいといっても、インスパイアされつつもそれぞれの咀嚼と進化があり、続々と新しいスタイルが生み出されています。
とにかく、いろいろな点で親しみやすく、また台湾独自の感性が目新しく、世界の新しい波もどんどん取り入れるので瑞々しく、台湾音楽は目が離せません。
私達は店の仕込みの時、お蕎麦や料理を作りながら、台湾音楽を流しています。

今回は深く掘りさげませんが、ご参考までにこんな施設も⇩
素晴らしい体験ができますので、音楽好きな方はぜひ!
(高雄にも音楽中心がありますが、こちらは訪ねていないのでとりあえず台北の方をご紹介します)

臺北流行音樂中心
https://tmc.taipei/

話は戻りますが、Mちゃんのお友達は
「ビックリ! この人(夫)は台湾人より台湾音楽に詳しいね!!」
といいつつ、立ち上がりました。
私達に、これからどこに行くの? と聞き、
「蟾蜍山煥民新村」
と答えたら
「私はこれから用事があるけど、蟾蜍山煥民新村なら途中まで一緒に行けるよ!」
用事というのはタイ語の教室で、仕事でタイとやりとりすることが増えたから早く習得したいの!! とのこと。
彼女は現在 5ヶ国語くらいは理解できると言っていました。凄いなあ!

というわけで、素食レストランを出ます。
美味しかった。お経にも出会えて嬉しかった。
ご馳走様でした!!
日本にも素食が増えるといいなあ。

途中に「海辺のカフカ」というカフェがありました。
Mちゃんは
「今は入らないけど、後で入るよ。ここで昨日のOちゃんも合流するから!」

小雨の中、私達は本日最後の眷村を目指して歩き続けます。

どんなカフェでしょうか? 楽しみです!

(つづく)



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